オススメ機能
Twitter
お気に入り
記事履歴
ランキング
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のインタビュー

メディアパートナー

印刷2026/09/20 17:03

イベント

本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 フライトシム「DCS World」に機体モジュール(追加コンテンツ)をサードパーティとして提供しているRAZBAMの日本法人RAZBAM JAPANが,東京ゲームショウ2026に出展していた。

画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 VRや専用デバイス(ここではフライトスティックやハンドルコントローラなどを指す)といった展示は,正直,東京ゲームショウでは特段珍しいものではない。ただ,大手パブリッシャに囲まれた配置のなか,こちらで使用されている機材が圧倒的に目を引くことは,ブースの写真からも分かるだろう。

画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 ブースでは,RAZBAM JAPANが販売しているセミオーダー型コックピットセット「ZERO-SIM」を用いた試遊や,各国軍で運用されている最新鋭のステルス戦闘機「F-35」のMR技術を用いた軍用向けシミュレータを体験できた。


行き交う人々が思わず足を止める圧倒的インパクト


 RAZBAM JAPANでは,一般向け,プロ向けに「VR/MR」「コックピットデバイス」,動作に必要なPCなどを提供しているほか,3Dモデルの設計・開発,イベント事業,機材レンタル事業なども手掛けている。フライトシム単体にとどまらず,周辺分野まで幅広く展開している。

 そのため,ここまで本格的な機材を揃えた出展が行えるのも納得。フォトスポット兼参考展示という形ではあるが,実際に使用されていた「F-15」戦闘機の機器を用いた展示物まであり(いったいどういうルートで入手できるのか),「ファンが駆け込む→まったく知らない人の興味をひく」というループが形成されていた。

筆者はその昔「F-4EJ改」「F-15J」「A-10C」のコックピットに座らせてもらった経験がある。そのことを思い出した
画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]
圧巻の計器類だ
画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 とくに列ができていたのが,先に紹介した「ZERO-SIM」を用いたフライトシム試遊体験だ。「ZERO-SIM」そのものは設置場所や用途に応じ,セミオーダーメイドでホームコックピットを構築できるサービスで,価格は構成にもよるが,約200万円だという。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 今回は,旅客機向けレイアウトの「ZERO-SIM TypeB」,戦闘機向けレイアウトの「ZERO-SIM TypeF」が用意されており,筆者は「ZERO-SIM TypeF」を体験した。シムソフトは「フライトシミュレータ Xプレイン12」で,「DCS World」のような戦闘シムとしての機能はほぼないそうだが,動作のリアルさには舌を巻く。

画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 安定した飛行のために操作を要求され続けるので,とにかく難しいというのが,率直な第一印象だ。操作が過敏になると機体は急激に姿勢を崩すし,気を緩められない。
 それでも,飛行速度域や高度による運動性の変化を感じつつ,自由に空を飛ぶのは,難しさよりも楽しさが上回る

画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 筆者も過去に,「DCS World」の「F-15E」や「F-14A/B」への関心があったのだが,「そもそも何を揃えればいいんじゃ!」と早々に諦めてしまったことがある。今回体験したほどの高度なシステム一式を導入するには勇気がいるが,もう少し簡易的なものならいけるかな?と興味をそそられた。

 また,2023年に開催された東京ゲームショウにて4Gamerが取材した「ポータブルトレーナー」を用いたヘリコプターシミュレータ体験も実施されていた。

画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 ポータブルトレーナーに関しては,以下の記事で詳細が確認できるので,気になる方はチェックしてみてほしい。

関連記事

[TGS2023]なぜ一式2000万円の軍事用フライトシムがブースに? RAZBAM JAPANの出展内容について,いろいろ聞いてきた

[TGS2023]なぜ一式2000万円の軍事用フライトシムがブースに? RAZBAM JAPANの出展内容について,いろいろ聞いてきた

 TGS 2023のRAZBAM JAPANブースに,「DCS World」の機体モジュール「DCS: F-15E」を,VR HMDやフライトスティックなどを使って試遊できるコーナーが設けられていた。使用機材から,ゲームデバイスではなく“本物”の雰囲気が漂っていた出展内容をレポートしよう。

[2023/09/27 09:00]

 ここまで本格的なものにはなかなか出会えないので,「なんかスゲェのがあるぞ」と注目を集める効果は絶大である。各社がリソースを注ぐ東京ゲームショウにおいても,いかんなくその効果を発揮していた(そもそもこういったシステムがあることを知らない人も多いのだろう)。


最新鋭のF-35シミュレータを展示

画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 さて,そんなブースのなかで,注目を集めていたのが「F-35 MR シミュレータ」だ。各国軍で運用中の最新鋭ステルス戦闘機「F-35」のフライトシミュレータシステムであり,チェコのVrgineersが開発するものだ。共同出展という形であった。

 本シミュレータは明確に軍関係での使用を想定しており,正確にはF-35運用国の軍を対象としたもので,民間への販売は想定されていない。このような形で行われていたので,機密扱いになる情報は含まれていない(ノンクラシファイド)のだろうが,そのスパルタンな雰囲気は,ほかの展示とは明らかに異なるものだった。

画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 見てのとおり,コックピットに乗り込むスタイルのシミュレータだが,最大の特徴は「MR(Mixed Reality)」技術を用いていることだ(日本語では複合現実とも表記される)。

 一見すると「VR(Virtual Reality)」を彷彿とさせるゴーグルを装着するが,こちらは完全に仮想の映像を投影するものではない。実際のコックピット内はそのまま映像に表示され,仮想の風景や,HMD,EOTS,DASなどを介したF-35側の視界と合成される。それがゴーグルに映し出される仕組みになっている。

ブース担当者がデモフライトを行ってくれた
画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 もちろんヘッドトラッキングが実装されており,F-35の特徴でもあるHMDや,DAS(AN/AAQ-37 Distributed Aperture System)による360度の視界も表示可能である。なんというか,すごすぎる。

 ブースの担当者から「外から見ても分からないですし,かといって,動画でもうまく伝わらないんです。ぜひ文章で,どういった仕組みかを解説してくだされば」とお願いされたのだが,うまく伝わっているだろうか。
 要するに,「コックピット内は実機同様で実際に動作しており,それらをキャプチャした現実空間と,仮想空間が合成された映像を見ている」と言えばいいだろう。

正面のモニターに手が映っているのが分かるだろうか
画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 よって,実際にコックピット内の機器を操作すると,しっかりとシミュレータ内で動作する。高度にデジタル化された計器類も,実際に動作しているのを見ることになる。無論,タッチパネル式のディスプレイもだ。
 なお,自身の脚や手も映像に映り込むので,「フライトスーツの脚ポケットに飛行空域のマップを挟んでおく」といったシチュエーションも再現できるそうだ。

パネルやスイッチも実際に操作することになる
画像ギャラリー No.013のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 補足すると,コックピット正面にはディスプレイが設置されているが,これはもちろんゴーグル内の映像には映らない。シミュレータの操縦者がゴーグルで見ている映像を平面モニター用に加工し,リアルタイムで反映させているものだ。「こんな感じで見えてます」という,デモンストレーション用と言ってもいい。

 ここまで紹介したのが「コックピット」側のシステムで,その隣には何枚ものディスプレイによって構成された「コマンドセンター」(と担当者から聞いたので,本稿ではそちらに倣う)が設置されていた。

画像ギャラリー No.014のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 機能は多岐にわたるようだが,基本的には「運用状況の確認・シチュエーションの設定」がメインとなるようだ。空域や天候の設定,攻撃目標の配置も自在に行えるらしい。操縦に特化したコックピット側と,システムの運用に特化したコマンドセンター側,という認識でいいだろう。


搭乗,F-35(シミュレータ)


 そんな解説をしていただいたところで,「よろしければ体験されませんか」とブースの担当者から声をかけてもらった。「国防関係でもなんでもないけどいいの?」などと内心困惑しつつ,MRゴーグルを装着してコックピットに乗り込んだ。

 そこで筆者は,先に担当者が語っていた「外から見ても分からない〜」という言葉を,身をもって実感することになる。たしかにこれは,動画や画像では伝わりにくいはずだ。VR系の臨場感はもちろんだが,そこに現実のコックピットが組み合わさることで,体験したことのない世界が広がっていた。

画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 自身の手と腕がスロットルのロックを解除するのが,そのまま視界に映る。スロットルをミリタリー推力からアフターバーナーまで押し込み,一気に空へ駆け上がる。圧力検知式のサイドスティックはほぼ動かず,勝手をつかむまでに多少の時間を要した。

 巡航速度で飛行を続け,周囲を見渡していると,HMDの有用性に気づく。バンク角を取って旋回しつつ地表に目をやっても(正面を向いていなくても),機体の情報が分かるのである。

 水平飛行に戻り,HMDにDASの映像を映してみるのだが,これもすごい。本来ならば視界が遮られて見ることのできないはずの地上を,足元と機体を透過するかのように見ることができるのだ。F-35がすごいというのはともかく,これを再現してシステムを作るVrgineersもすごい。

写真だと少々分かりにくいが,コックピット外の地上を捉えた映像が見えている
画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]
画像ギャラリー No.017のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 「スティックのそのスイッチを……」「ありがとうございます。いやこれ本当にスゴいですね」というやり取りしかしていなかった気もするが,そうしていると,コックピット内のディスプレイに敵性目標が探知された。コマンドセンター側で飛行ドローンを配置したので,こちらにも反映された形である。

 機体のウェポンベイには,2基の「AIM-120C AMRAAM」が搭載されていたので,目標をロックオン。回避能力は皆無に等しい単純な飛行ドローンなので,最大射程で撃っても命中を期待できそうだ。ただ,念のために有効射程まで接近し,マスターアームを解除。スティックのウエポンリリースを押して発射する。

 正直,マスターアームを解除する感触は今でも忘れられない。シミュレータといえど現実感は凄まじいものがあるし,画面のなかのスイッチをマウスでクリックするのではなく,自らの手で作動モードに切り替えるのである。全身がヒヤリとし,思わず唾を飲み込んで喉が鳴った。

画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 ディスプレイにはEOTSが目標を捉えた映像が映し出されており,AAMが到達する瞬間と爆炎までもが記録されていた。撃墜というわけである。ディスプレイから反応が消える。どことなく恐怖に襲われ,すぐにマスターアームをセーフに戻した(ような気がする)。

 終了後,呆然と立ちつくしてしまった。いろいろな意味ですごいとしか言いようがなかったし,「ここ本当に東京ゲームショウ? 防衛産業の展示会じゃない?」と勘違いしそうになるレベルである。

 さて,気になるのがそのプライスだ。為替や製品の性質上,ぼかされていたが,「まぁそうだよね」となるくらいに高価なことは間違いない。ただ,実機の運用コスト,パイロットが負うリスクを考えれば極めて安価と言えるだろう。

画像ギャラリー No.019のサムネイル画像 / 本格フライトシムは分かるけど,最新鋭「F-35」の軍用シミュレータがなぜ? RAZBAM JAPANブースでは,憧れの空をちょっと身近に感じた[TGS2026]

 実機でしか訓練できないことも多いだろうが,今回このような体験をして感じたのは「そもそもF-35の機能を活用すること自体が難しい」ということだ。

 ゲーマー的に表現するなら,「非常に操作がシビアで移動すら難しいアクションゲームをしながら,非常に操作が複雑で難解なRTSを同時にやれ」と言われた気がしている。そうした初期段階における効率の高いトレーニングはもちろん,すでに経験を積んだパイロットの戦術シミュレータとしての側面もあるのかもしれない。

 「なぜこれが東京ゲームショウに?」といまだに混乱しているが,同時に非常に貴重な体験であった。

  • 関連タイトル:

    展示会/見本市

  • 関連タイトル:

    DCS World

  • 関連タイトル:

    フライトシミュレータ Xプレイン12

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:09月19日〜09月20日