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「Razer Blade Pro」ノートPCの2017年モデルを試す。薄型メカニカルキースイッチはとにかく素晴らしく,これだけでも買う価値がある
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印刷2017/11/13 00:00

レビュー

薄型メカニカルキースイッチは素晴らしく,これだけでも買う価値がある

Razer Blade Pro 17”(2017)
(The New Razer Blade)


Razer Blade Pro 17”(2017)(国内製品名:The New Razer Blade
メーカー:Razer
問い合わせ先:systems-jp@razersupport.com
実勢価格:48万5784〜53万9784円(※2017年11月13日現在,ストレージ容量による)
Razer
 2017年8月に国内発売となったRazerの17.3インチ液晶パネル搭載ノートPC「Razer Blade Pro 17”(2017)」(国内製品名:The New Razer Blade,以下,Blade Pro 2017)を,同社から貸し出してもらうことができた。

 Blade Pro 2017は,ノートPC向け「GeForce GTX 1080」と,解像度3840×2160ドットのIGZO(IPS)を採用し,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応する,シリーズ最高峰のモデルだ。
 CPUに4コア8スレッド対応で倍率ロックフリーの「Core i7-7820HK」,メインメモリにPC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×2,容量512GBのPCI Express接続型SSDを搭載するモデルで44万9800円(税込48万5784円),そこからストレージ容量を1TBへ変更したモデルで49万9800円(税込53万9784円)と,少なくとも万人向けではない価格だが,ゲーマーは本製品をどう位置づければいいのか。細かくチェックした結果をお届けしたい。

●Razer Blade Proの主なスペック
  • CPU:Core i7-7820HK(4C8T,定格2.9GHz,オーバークロック時最大4.3GHz,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • チップセット:Intel CM175
  • メインメモリ:PC4-21300 DDR4 SDRAM 16GB×2
  • グラフィックス:GeForce GTX 1080(グラフィックスメモリ容量8GB)
  • ストレージ:SSD(PCIe M.2接続,RAID 0,容量256GB×2もしくは512GB×2)
  • パネル:17.3インチIGZO(IPS)液晶 解像度3840×2160ドット,垂直リフレッシュレート60Hz,G-SYNC対応,Adobe RGB色域100%,タッチ操作対応
  • 無線LAN:IEEE 802.11ac(Rivet Networks Killer 1535)
  • 有線LAN:1000BASE-T(Rivet Networks Killer Ethernet E2400)
  • 外部インタフェース:HDMI 2.0×1,Thunderbolt 3×1,USB 3.0 Type-A×3,microSDカードスロット
  • スピーカー:ステレオスピーカー搭載
  • マイク:搭載
  • カメラ:搭載(有効画素数約200万画素)
  • バッテリー容量:8700mAh/99Wh
  • ACアダプター:19V 13.16A
  • 実測サイズ:約424(W)×283(D)×26〜28(H)mm
  • 実測重量:3.61kg
  • OS:64bit版Windows 10 Home

※本稿では,FPSによるテストをBRZRK氏,ベンチマークによるテストを宮崎真一氏,それ以外を4Gamerの佐々山薫郁が担当します。

とにかくキーボードの打鍵感が素晴らしいBlade Pro 2017


スマートな外観と,光る天板のRazerロゴ,そして皮脂汚れの付きやすい筐体表面加工は,従来のRazer Bladeシリーズを踏襲している
Razer
 見どころの多いBlade Pro 2017だが,製品ボックスから取り出して,天板を開いたところで最初に目を惹くのは,そのキーボードとタッチパッドではないかと思う。というのも,Blade Pro 2017では,タッチパッドがキーボードの右隣に並ぶという,Razer Bladeシリーズの伝統ではあるものの,一般的にはほぼ見ることのない配置になっているからだ。

Razer Blade Proシリーズ伝統の「キーボードの右端にタッチパッド」デザインを踏襲するBlade Pro 2017。過去の製品ではタッチパッド部に液晶パネルが埋め込んであったりもしたが,今回は普通のタッチパッドである
Razer

Razer Synapse(Razer Synapse 2.0)では標準で「トラックボールモードを有効にする」にチェックが入り,タッチパッドは加速が有効になっている。タッチパッドを使う場合にはここのチェックを外したほうがいいだろう
Razer
 使ってみると分かるが,一般的なノートPCの配置に慣れている人ほど,無意識にキーボードの手前を指で撫でて,「あれ,カーソルが動かないぞ?」ということになるだろう。ただ,このデザインには,マウスを差しながらキーボードを使うときにタッチパッドを“誤爆”する恐れからユーザーを解放してくれるというメリットがある。また,キーボードの手前側が完全に平らで,沈み込むボタンもないことから,打鍵時の安定感を向上させてくれもするので,ハナからタッチパッドを使わないのであれば歓迎すべきデザインとも言える。

 さて,そんなキーボードだが,これは「何に使うか」で評価が変わる印象だ。英語88キー配列ベースから[Print Screen]キーなどがある列をカットしつつ,カーソルキーをメインキーの右手前部へ無理矢理突っ込んだような配列は,日常用途でややクセを感じる。また,そもそも日本語配列がない点は,とくにテキスト入力を行いたい場合に人を選ぶだろう。

キーボード全体。カーソルキーの配置はかなり無理矢理だ。なお,タッチパッドの上に4キーとスクロールホイールがあるが,これはメディア系のショートカットと思いきや,デスクトップだと[再生/停止]キーが左クリック,[ミュート]キーが右クリックとして機能したり,ホイールでの音量切り替えはメディアプレーヤーでも機能したりしなかったりと,使える条件がよく分からない
Razer

Razer
 一方,ゲーム用途を前提とすると,「Razer Ultra-Low-Profile Mechanical Switch」と呼ばれるBlade Pro 2017のメカニカルキースイッチは,控えめに言って最高である。アクチュエーションポイント(Actuation Point,キースイッチを押下していったとき,スイッチがオンになるポイント)にクリック感があるので,とてもプレイしやすいのだ。
 キーストロークは「ノートPCにしては深い」というレベルなので,一般的なメカニカルキーボードに慣れているとどうしても浅さは感じるものの,押し込んだとき指先に返ってくるクリック感が些細な不満を帳消しにしてくれる。


Razer
 たとえば,「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下,PUBG)だと,原稿執筆時点ではしゃがみジャンプというテクニックが存在する――いずれ削除される予定――のだが,ジャンプとしゃがみのキーを完全に同時押しするか,ほんの少しだけズラして入力しなければ失敗するという,相当にシビアな操作が要求される。事実上,メンブレンスイッチを採用するノートPCではほぼ不可能なほどだが,Blade Pro 2017なら,キー入力の合図となるクリック感を頼りに練習することで,操作ミスを大幅に低減でき,結果的に立ち回り全般が向上する。

 というわけで,ゲーム用途においてはほぼ何の不満もないものの,1つだけ気になることがあった。本体からの発熱量が大きく,指先がしっかりと熱を感じてしまうのだ。

 下に示したのは,放射温度計「FLIR ONE Pro」で,PUBGプレイ開始後30分ほど経過した時点におけるBlade Pro 2017上の3点で筐体表面の温度を見たものだが,ちょうど指で操作する[W/A/S/D]キー周辺でも40℃台半ばを記録している。キーボード中央部は50℃に迫る勢いである。
 テストを続けてもこれ以上は熱くならなかったので,過去に起きた惨状が起こるほどの数字ではないかもしれないが,もう少し温度はなんとかしてほしかったというのも,正直な感想である。

PUBGプレイ開始後30分程度経過した時点における,Blade Pro 2017の筐体表面温度
Razer

 さて,キーボード(とタッチパッド周辺)にはLEDイルミネーションが埋め込んであり,Razer自慢の「Chroma」機能を利用できる。
 LEDの光は極端に眩しかったりはしない。また,斜めから見たとき,キーとキーボード台座の隙間から漏れる光の量はわずかで,それが目に痛いということもない。よほど部屋が暗いとかでなければ,LEDを鬱陶しくは感じないと思われる。

「Razer Synapse」(Razer Synapse 2.0)から色を変えたところ。上段左から順に赤,橙,黄,緑,下段左から順に水,青,桃,白だが,橙と黄の出方が今ひとつか。白がキレイなのはさすがRazerである
Razer
ファンクションキー部には,サウンド出力音量の切り替えやサウンド出力ミュート切り換え,液晶パネルの輝度切り換えなど,[Fn]キーとの組み合わせで利用できるさまざまな機能が割り当てられている。[Fn]キーを押すと,組み合わせて押したときに機能が発動するキーだけ白く光るギミック付き
Razer Razer


液晶パネルは良好ながら,グレア加工で台無しに


 ただ,「よほど部屋が暗いとかでなければ,LEDを鬱陶しくは感じない」という話には,続きがある。

液晶パネルの輝度ムラをチェックしたカット。優秀と言っていいレベルだ
Razer
 冒頭でも紹介したとおり,Blade Pro 2017は,17.3インチで解像度3840×2160ドット,垂直リフレッシュレート60Hz,G-SYNC対応の液晶パネルは,Adobe RGB色域100%をカバーするIPSパネルということもあり,見た目は非常に良好なのだが,表面加工がグレア(光沢)なのである。プロゲーマーだけでなく,プロの写真家やイラストレーターの大多数もグレアパネルは必要としていない状況にあって,Razerがどんなプロを想定してBlade Pro 2017でグレア加工を採用したのかは謎だが,このグレア加工が,蛍光灯環境下における画面を恐ろしく見づらいものにしている。

IGZOという名のIPSパネルなので,画面を傾けたときの見栄えにも変化はほとんどない
Razer Razer Razer

グレアパネルには,当たり前のようにいろいろなものが反射して映る
Razer
 たとえば前出のPUBGだと,アイテム類が多く配置されていることから薄暗い屋内を探索することが多いのだが,そういう局面で画面が蛍光灯の光を反射してしまうと,索敵や探索をマトモに行えなくなる。とくに,暗所で隠れている敵を蛍光灯環境下で見つけるのは至難の業だ。
 垂直リフレッシュレート60Hzでも,G-SYNCが有効なので画面の動きはかなりスムーズ。それだけに,この仕様は残念でならない。

Razer
 また,「東方天空璋 〜 Hidden Star in Four Seasons.」のような弾幕シューティングだと,そもそも蛍光灯の光が邪魔で弾幕が見えないという致命的な不具合が発生する。そのため,Blade Pro 2017でゲームをプレイするときには,部屋を暗くするほかなくなり,結果として,Chromaから一定以上の速度でキーの色が変わるようにしていると,やや鬱陶しく感じられるようになってしまうのである。
 ユーザーの側で液晶パネルにノングレアフィルムを貼るなどの対策を行えば済む話,ではあるが,フィルムを17.3インチパネルへ綺麗に貼るのはなかなか難しい。いい加減Razerは,ぱっと見の見栄えだけを重視して画面をグレア加工するのを止めてもらえないだろうか。


スピーカーは問題なしだがファンノイズが……。ヘッドフォン出力は優秀


Razer
 入力,画面ときたら次は音だが,Blade Pro 2017で2chスピーカーはキーボードとタッチパッドを挟み込むような場所に置いてあり,ステレオは正しくセンターに定位する。
 ただ,音が籠るのは気になった。昔の「いかにもノートPCの音」というほどひどくはなく,普通に聞けるうえ,音量を上げていっても割れたりしないが,「いい音」を期待すると裏切られるだろう。

 付け加えると,冷却ファンの動作音がゲーム中はかなりのものになるので,事実上,スピーカーを使ったゲームプレイは無理だ。

本体底面,ユーザーから見て左右両端の最奥部にファンがある(左)。排気孔はヒンジ部だ(右)
Razer Razer

 今回はRazer Blade Proの前面から30cm離れた場所にカメラを置いて,動作音付きの動画を撮影してみたので,参考にしてほしい。

Razer Synapseにあるパフォーマンス制御
Razer
 Razer Synapseのシステムの電力タブには、「パフォーマンス制御」という項目があり,「バランス」と「パフォーマンス最適化」という2つから動作モードを選択可能になっている。今回は初期設定のバランスを選択のうえで,アイドル状態で1分間放置してから,「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下,FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチ)を4分間実行したものだが,最初の1分間はかなり静かながら,ベンチマークを実行すると次第に動作音は大きくなり,ベンチマーク開始から3分半後(=ファイル冒頭から4分半後)だと,ちょっと看過できないレベルに達しているのが分かると思う。
 ちなみに,Razer Synapseからパフォーマンス最適化を選択すると,「ファンスピード」は自動的に「高」へと変わり,ファンが最大回転し続けるので,正直,常用に堪える感じではない。


 アナログ接続型ヘッドセットとヘッドフォンに対応する端子は,4極・3極両対応の3.5mmミニピンが1系統となっている。なので,一般的な3極×2仕様のヘッドセットを接続する場合には変換ケーブルが必要だ。
 ヘッドフォン出力はノイズもなく優秀なので,ゲーム用途ではこちらの利用がベターだろう。ただ,Razer Surroundはプリインストールされていないので,必要であればユーザーが自分で導入する必要がある。

ヘッドセット/ヘッドフォン接続端子の話題が出たところで,インタフェース類を確認。本体向かって左側面には奥から順に電源,RJ-45(1000BASE-T),USB 3.1 Gen.1 Type-A(2基),3.5mmアナログミニピンがあり,右側面はHDMI Type A,USB 3.1 Gen.1 Type-A,USB 3.1 Gen.2 Type-C,SDカードという並びになっている
Razer
Razer
本体前面側と背面側にインタフェースはない
Razer Razer

Dolby Atmosを有効化してOverwatchをプレイするBRZRK氏。ちなみにDolby Atmosを利用するのにヘッドセット/ヘッドフォン側の要件は「ステレオ接続であること」くらいだが,1か月の無料体験後は買い切りで1650円かかるので,その点はご注意を
Razer
 今回はRazer Surroundが非プリインストールだったのをいい機会として,ストアアプリ版の「Dolby Access」を導入し,「Overwatch」で「Dolby Atmos」を有効化してみたが,Razer製ヘッドセット「Razer Kraken Pro」でDolby Atmosが有効になったOverwatchのサウンドを聞くと,まず音の深みが加わり,相手との相対的な距離や位置関係をかなりはっきりと感じられるようになった。

 Dolby Atmosにおける大きなアピールポイントの1つである上下の音は,真上や真下から30度くらいの範囲だと「上下の判断は付く」というレベルで,はっきりとした位置関係までは掴めなかったが,それでもステレオに頼るよりは明らかによい。Blade Pro 2017のヘッドフォン出力品質は,いわゆるバーチャルサラウンドサウンドにおける「音の位置情報」を掴めるだけの実力を持っていると断言してしまっていいだろう。


電源端子は特殊。底面カバーを開ければSSDは交換可能


 ハードウェアの細かい部分もチェックしておこう。
 前段でも軽く触れたが,Blade Pro 2017における電源ケーブルは先端が3ピンの専用端子になっている。ACアダプターの出力は19V 13.16Aだ。

ACアダプターとその接続端子
Razer Razer

底面カバーを開けたところ
Razer
 底面カバーの取り外しはメーカー保証外の行為だが,今回はレビューのため特別に開けてみる。すると,交換できそうなパーツは事実上,2枚のSSDと無線LANアダプターくらいなのを確認できた。
 メインメモリは基板上に実装されているので,交換や追加は行えない。

本体底面側の内部構造。2枚のSSDモジュールと無線LANモジュールだけは交換できそうである。ただし,交換作業は自己責任であり,何か問題があっても,メーカーや販売代理店,4Gamerは保証しないので,その点はくれぐれもご注意を
Razer
Razer
入手した個体ではSamsung Electronics製SSD「PM951」の容量256GBモデルを2枚搭載していた
Razer
冷却機構に寄ったところ。おそらくは基板の反対側に何本かヒートパイプが走っているのだと思われる


2つの動作モードでテストを実施して,デスクトップPCと比較


 使い勝手を一通り見たところで,テストのセットアップに入ろう。
 前述のとおり,Blade Pro 2017にはパフォーマンス最適化とバランスという2つの動作モードがあるため,今回は両方でテストを行うことにした。グラフ中に限り,それぞれ「Blade Pro 2017(P)」「Blade Pro 2017(B)」と表記する。

 そのうえで,比較対象にはのとおり,CPUに「Core i7-7700T」(以下,i7-7700T),GPUに「GeForce GTX 1080」(以下,GTX 1080)もしくは「GeForce GTX 1070 Ti」(以下,GTX 1070 Ti)を搭載したマシンだ。CPUのスペックを完全に揃えることはできないため,i7-7700Tを選択してCPU性能をなるべく近くしたうえで,GPU性能を比較するというイメージでいい。

 利用したグラフィックスドライバは「GeForce 388.00 Driver」。すでに,それより新しい「GeForce 388.13 Driver」がリリース済みだが,機材貸し出しスケジュールの都合ということでご了承を。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション20.1に準拠。ただし,レギュレーション21世代を先取りする形で「3DMark」(Version 2.4.3819)の「Time Spy Extreme」を追加し,また「Superposition Benchmark」の代わりに「Middle-earth:Shadow of War」(以下,Shadow of War)のテストを入れている。
 Time Spy Extremeのテストは従来のTime Spyと同じく,「2回実行し,高いほうのスコアを採用する」というものになる。Shadow of Warでは,「ウルトラ」プリセットを選択してビルトインのベンチマークモードを2回実行し,その平均をスコアとして採用することとした。

 解像度は,Razer Blade Proの基本解像度である3840×2160ドットに加えて,アスペクト比16:9でその1段下になる2560×1440ドット,さらに1つ下の1920×1080ドットを選択している。


GTX 1080には届かないものの,高解像度帯ではGTX 1070 Tiといい勝負に


 以下,文中,グラフ中とも,i7-7700TとGTX 1080の組み合わせを「i7-7700T+GTX 1080」,GTX 1070 Tiとの組み合わせを「i7-7700T+GTX 1070 Ti」と表記することをお断りしつつ,テスト結果を見ていこう。

 グラフ1は3DMarkの「Fire Strike」における総合スコアをまとめたものだ。Blade Pro 2017のバランスモードはi7-7700T+GTX 1080の86〜88%程度,i7-7700T+GTX 1070 Tiの90〜94%程度というスコアになった。パフォーマンス最適化モードだと“無印”でのみスコアが約5%向上するが,それでもi7-7700T+GTX 1070 Tiには届かない。


 続いてグラフ2はFire StrikeのGPUテストスコアである「Graphics score」,グラフ3はCPUテストの結果となる「Physics score」をそれぞれ抜き出したものだ。これらを見ると,パフォーマンス最適化モードの“無印”でBlade Pro 2017のスコアが上がったのは,CPUスコアによるところが大きいというのが分かる。


 3DMarkのTime Spyにおける総合スコアをまとめたものがグラフ4で,ここでBlade Pro 2017のバランスモードはi7-7700T+GTX 1080の93〜94%程度,i7-7700T+GTX 1070 Tiの96〜97%程度。Fire Strikeと比べてスコア差を詰めている。


 その理由を探るべく,Time SpyでもGPUテストとCPUテストのスコアを抜き出したものがグラフ5,6だ。前者でスコア差が広がり,後者ではスコア差が縮むどころかBlade Pro 2017のほうがスコアが高くなっているので,ここでもCPU性能がスコアを大きく左右しているということになるだろう。


 ここで,Blade Pro 2017における2つの動作モードで,GPUの動作クロックを比較してみたい。グラフ7は,「GPU-Z」(Version 2.4.0)を使い,Time Spy実行時におけるパフォーマンス最適化モードとバランスモードのGPUクロック推移を見たものだ。
 113秒以降などを見ると,パフォーマンス最適化モードのほうが若干高いスコアと言えなくもないが,全体的には「劇的な違いはない」と評すべきだと思われる。やはり,パフォーマンス最適化モードによって効果が得られるのは,GPU性能ではなくCPU性能のほうということになりそうである。


 以上を踏まえ,ここからはゲームを用いたテストの結果を見ていきたい。
 グラフ8〜10は「Prey」の結果だ。Preyで,バランスモードのBlade Pro 2017は,平均フレームレートでi7-7700T+GTX 1080の84〜91%程度,i7-7700T+GTX 1070 Tiの84〜96%程度というスコアになっている。3DMarkと異なるのは,描画負荷が高いほどスコアを詰め,描画負荷が低いほどスコア差が広がっていることだが,これは「低負荷環境だと,熱設計面での制約が少ないデスクトップPCでスコアが伸びやすい」のが原因だろう。
 相対的に“地力”の比較となっている解像度2560×1440ドット以上で,Blade Pro 2017はデスクトップPCとかなりよい勝負を演じている点は押さえておきたい。

 なお,バランスモードとパフォーマンス最適化モードのスコア差は,ほぼ無視できるレベル。GPUベンチマークなので当然という結果である。


 次にグラフ11〜13はOverwatchのテスト結果だが,1920×1080ドット条件でPreyと同じ理由によりスコアが離される一方,2560×1440ドット以上ではi7-7700T+GTX 1070 Tiとほぼ互角のスコアを示している。


 PUBGのスコアも,PreyやOverwatchと同じ傾向だ(グラフ14〜16)。平均フレームレートで比較したとき,バランスモードのBlade Pro 2017は,i7-7700T+GTX 1080の86〜90%程度,i7-7700T+GTX 1070 Tiの95〜99%程度というスコアである。


 グラフ17〜19はShadow of Warの結果だが,ここでは2560×1440ドット条件以下で,Blade Pro 2017はデスクトップPCに遅れを取る。3840×2160ドット条件だと,平均フレームレートはバランスモードでi7-7700T+GTX 1080の約95%,i7-7700T+GTX 1070 Tiの約101%だ。
 最小フレームレートも2560×1440ドット以下のテスト条件ではデスクトップPCからかなり離されている。


 グラフ20〜22の「Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands」(以下,Wildlands)で,Blade Pro 2017は,ある意味,とてもインパクトのあるスコアを残した。平均フレームレートを見ると,バランスモードのBlade Pro 2017は,i7-7700T+GTX 1080の約69%,i7-7700T+GTX 1070 Tiの約75%というスコアしか示せていないのである。最小フレームレートに至ってはほぼ半分だ。
 2560×1440ドット条件でも最小フレームレートは低いままなので,ドライバの問題という可能性もあるだろうが,このスコアだけでそれを断言するのは難しい。


 FFXIV紅蓮のリベレーター ベンチのテスト結果をまとめたものがグラフ23となる。傾向としてはPrey以降と同じで,1920×1080ドットでは比較対象から大きく離されるものの,それより上の解像度条件ではi7-7700T+GTX 1070 Tiといい勝負を演じている。
 2560×1440ドット条件で,4Gamerが合格ラインとするスコア8500を楽々と上回っている点にも注目したい。


 グラフ24〜26は,そのFFXIV紅蓮のリベレーター ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートの結果となる。平均フレームレートはスコアを踏襲したものとなっているが,最小フレームレートは1920×1080ドットだけでなく2560×1440ドットでも落ち込んでいる。ここはWildlandsと似た傾向だ。


 ゲームを用いたテストの最後は「Forza Horizon 3」の結果だ。グラフ27〜29の傾向はおおむねWildlandsに似ており,2560×1440ドット以下の負荷条件でBlade Pro 2017はデスクトップPCに大きく離されている。



消費電力はデスクトップPC並み。クーラーは冷却能力が足りていない?


 消費電力もチェックしておきたい。ここでは,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を比較してみよう。
 テストにあたっては,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とした。なお,Blade Pro 2017はバッテリーパック内蔵型のため,フル充電した状態でテストを行い,充電のために電力を消費しない状態にしている。

 その結果はグラフ30のとおり。各アプリケーション実行時においてBlade Pro 2017はバランスモードで250W前後といったところ。パフォーマンス最適化モードは,そこから最大で23W増大し,i7-7700T+GTX 1070 Tiといい勝負になってしまっている。
 ノートPCとはいえ,さすがはGTX 1080搭載モデルといったところか。


 すでに筐体表面温度は紹介済みだが,内蔵クーラーの冷却能力も念のため確認しておこう。
 ここでは,Blade Pro 2017を温度24℃の室内の机上に置き,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,「HWMonitor」(Version 1.33)から温度を取得した。なお,比較対象のデスクトップPCは,PCケースに組み込まず,Blade Pro 2017をテストしたのと同じ場所に置いてテストを行っている。

 その結果はグラフ31,32で,高負荷時におけるCPU温度は高めだ。バランスモードで95℃,パフォーマンス最適化モードに至っては100℃に達してしまっており,CPUの冷却が追い付いていない印象を受ける。先に示した筐体表面温度で,CPU側排気孔のところが60℃オーバーだったが,CPU自体の温度が100℃近いのだから,さもありなんといったところである。
 なお,アイドル時もやや高めだが,50℃未満なので,こちらは許容範囲だろう。

 一方,GPUのほうはいたって普通。これは,冷却が足りているというよりは,ノートPC向けGTX 1080の温度ターゲットがVBIOS上で80℃強の設定になっているためだろう。



明らかな弱点を抱えるものの,それでも大きな価値のあるBlade Pro 2017


 以上,Blade Pro 2017を見てきた。良いところと残念なところ,人によって評価が割れるであろうところは,おおむね以下のとおりだ。

良いところ
  • ゲーム用途において文句なしに素晴らしい薄型メカニカルキースイッチ
  • G-SYNCに対応し,60Hz仕様でも滑らかに見える液晶パネル
  • 十分な品質のヘッドフォン出力
  • 「完全にデスクトップのハイエンドGPU並み」とまでは言えないものの,およそ不満はないであろう3D性能
  • 競合の17.3型ゲーマー向けノートPCと比べて明らかにスマートな見た目

残念なところ
  • ゲーム画面を見づらくするだけの表面グレア加工
  • 文字入力にあたってはクセのあるキーボードデザイン
  • 筐体表面の高い温度,あるいはCPU冷却能力不足
  • ゲーム中にファンが全開で回るため,ほぼ意味をなさないスピーカー出力
  • 皮脂汚れの付きやすい筐体表面加工

人によって評価が割れるであろうところ
  • 英語配列
  • キーボードの右にタッチパネルが並ぶ配置
  • 垂直リフレッシュレート60Hz仕様
  • 4kg近い重量

製品ボックス
Razer
 とにかく残念なのは液晶パネル表面のグレア加工で,ここが「ゲーマー向けノートPCとしてのBlade Pro 2017」の総合点を大きく下げている。また,Razer製ノートPCには昔からついて回る冷却周りの問題も,気にならないと言えば嘘になるだろう。
 ただ,それらの減点材料を加味しても,Blade Pro 2017はなお,十分な価値のあるハイクラスノートPCと言える。とくに素晴らしいのは現時点で唯一無二のキーボードであり,真の意味でゲームに使える薄型キーボードを採用しているのはとても大きい。

Razer

 価格は決して安価ではないものの,ストレージ容量512GBモデルの北米市場における直販価格は3999.99ドル(税別)なので,国内価格は「日本円で買うのが馬鹿馬鹿しくなるほど高い」わけでもない。3D性能が本当に高く,かつ,ちゃんとゲームで使えるノートPCを探しているのであれば,Blade Pro 2017は有力な選択肢になるはずだ。

RazerのBlade Pro 2017製品情報ページ

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