「戦国BASARA3」の発表も行われた，舞台「戦国BASARA」の公開ゲネプロの模様をレポート

　7月3日，東京ドームシティ シアターGロッソにて，舞台「戦国BASARA」の公開ゲネプロおよび新規プロジェクトの発表会が開催された。

　“スタイリッシュ英雄（HERO）”アクションゲームの「戦国BASARA」シリーズは，一人の武将が数百人の敵兵と戦うという一騎当千の爽快感，史実に基づきながらもダイナミックにアレンジされた人物/歴史考証が注目のシリーズだ。

　ゲネプロとは，舞台などの公演前に行われる全体通し稽古のことで，本番同様に衣装を着けて行われるため，ドレスリハーサルとも呼ばれる。つまり，東京ドームシティ シアターGロッソで7月3日から12日まで公演される，舞台「戦国BASARA」の先行公演といえるものである。なお公演についての詳細は，「こちら」の記事や公式サイトで確認してほしい。

　また，本イベントではカプコンの小林裕幸プロデューサーから，シリーズ最新作「戦国BASARA3」が2010年に発売予定であるという発表が行われた。その内容は先日速報でお伝え済みなので，ここでは関係者による舞台挨拶と，公開ゲネプロの模様を中心にお届けしよう。

関連記事：

ついに「戦国BASARA3」が始動！　2010年発売予定の最新作の舞台は関ヶ原に

　舞台挨拶に登場したのは，舞台「戦国BASARA」演出を手がける西田大輔さん，そしてメインキャストからは伊達政宗役の久保田悠来さん，真田幸村役の片岡信和さん，片倉小十郎役の吉田友一さん，猿飛佐助役の村田洋二郎さん，濃姫役の長澤奈央さん，森 蘭丸役の椎名鯛造さん，明智光秀役の谷口賢志さん，織田信長役の窪寺 昭さんだ。とくにメインキャストの面々が身に着けていた衣装は，まさにゲームからそのまま抜け出してきたような仕上がりで，会場からも驚きの声が上がっていた。

写真が小さくて申し訳ないが，左から西田大輔さん，久保田悠来さん，片岡信和さん，吉田友一さん，村田洋二郎さん，長澤奈央さん，椎名鯛造さん，谷口賢志さん，窪寺 昭さんとなる

　西田氏は，「立ち回り続ける舞台を，キャストとスタッフと共に作り続けてきました」と述べ，一般的な舞台よりもかなりアクションが多めになっているとコメント。また，「戦国BASARA」の魅力を舞台で引き出すためにはどうしたらいいのか，小林氏と試行錯誤しながら演出を手がけたと述べた。

　伊達政宗役の久保田さんは，「Ah……, Thank you for coming today」と，（「戦国BASARA」の）伊達政宗よろしく英語でしゃべりだし，片岡さんに槍で突っ込みを入れられ，会場の笑いを誘っていた。続けて，「新しい感覚の舞台ができ上がったと思います。ちょっとした暴れっぷりを楽しんでください」と，伊達政宗のごとくクールなコメントで締めた。


　真田幸村役の片岡さんは，「超人気ゲームの舞台化ということで，皆さん期待してらっしゃると思いますが，それ以上に厳しい目で見てらっしゃるかたもたくさんいると思います」と，舞台「戦国BASARA」に対する率直な感想を述べた。「原作に忠実でありつつも舞台として，役者としていい意味で裏切る舞台に……裏切れる？　日本語難しいですね（笑）」と若干緊張（？）している様子だったが，「この舞台には，ここにいる主演キャストだけではなく，今回の舞台に関わった，たくさんの方の魂が込められています。ぜひ期待してください」と熱く語った。


　片倉小十郎役の吉田さんは，「僕らにとっては，このゲネプロが公演初日といっても過言ではないので，みんなで最高のステージにしたいと思います。よろしくお願いします！」と，短いながらも熱の入ったコメント。


　猿飛佐助役の村田さんは，「すごく緊張しています。あと入場順でこうなったのですが，なぜ僕がセンターに立っているのでしょうか（笑）」と会場の笑いを誘いつつ，「今回の舞台は，本当に立ち回りが多いので，毎日筋肉痛になっています。この舞台を観て何かを得て帰ってほしいです」と語った。


　濃姫役の長澤さんは「共演者の方や，スタッフの皆さんと一か月の間がんばってきました。紅一点なので，皆さんの足を引っ張らないようにしたいと思います」と謙虚なコメント。


　森 欄丸役の椎名さんは，「この舞台は，立ち回りでセリフ以上の何かを伝えられるものだと思います。頑張りますので，よろしくお願いします」と，立ち回りが公演の見どころになると語っていた。


　明智光秀役の谷口さんは，「ほかの方が登場したときはどよめき立っていたのに，僕が出てきたときはシーンとしたということは，ある意味役作りは成功したのかなと思いました（笑）」と，つかみはバッチリ。さらに「明智光秀役ということで，この一か月間“変態”について考えました。今回の舞台でその成果を見てほしいです」と，明智光秀役としてはパーフェクトな挨拶を行った。


　織田信長役の窪寺さんは，「僕は最年長なんですけど，歳の分だけいろんなものを背負ってる気がします」と，鎧の重さとかけたコメントで会場の笑いを誘った。また，装飾も気合の入った重そうな鎧について，谷口さんに「さっきから何回も当たってるんです」と言われると，「控え室でも邪魔者扱いされるんです」と愚痴（？）をこぼしながらも，「みんなで熱い舞台を作ったので，その部分を観てください」と締め，挨拶のトリを飾った。

　そのあとは，「戦国BASARA」シリーズプロデューサーの小林氏が登場し，挨拶を行った。
　小林氏は「この舞台では，演出や衣装など，映画クラスのクオリティでゲームを再現できていると思います。またゲームからそのまま抜け出してきたような，すばらしい動きが満載の舞台でもあります。本日は初お披露目ということもあり，世界初の“生BASARA”を見られるというのは，今回集まった皆さんはラッキーかなと思います（笑）」とコメントした。


　その後フォトセッションを挟み，新規プロジェクトの発表が行われた。その内容とは，速報でもお伝えしたとおり，ナンバリングタイトルの最新作「戦国BASARA3」だ。以下に，小林氏のコメントをまとめて掲載する。

ついに，ついに「3」が出ます。

　2005年に1作めを出し，2006年に2作め，「3作めは出ないのか？」と言われる中，毎年“3作めではないもの”を出してきて，早5作。当然「戦国BASARA」は来年も何かリリースする宿命を持っていて，時間をかけて次回作を作っています。

　今回はシルエットですが，新キャラクターもいっぱい出ますし，今までのキャラクターも活躍します。新キャラクターについては，シルエットから分かる人は分かると思います。あんまり言うと怒られそうなので，今日はここまでにしたいと思いますが，これからいろいろ情報をお伝えしていきたいと思いますので，皆さん期待していてください。

　あと，実は来年で「戦国BASARA」は5周年になります。今日，僕が着ているシャツにも偶然プリントされているんですけど，「5」と「3」という部分で，いろいろできたらいいなと思います。

　新規プロジェクト発表のあとはゲネプロが実施された。内容を語ってしまうと，公演を観ようとしている人にネタバレとなるので詳しい内容は伏せるが，ゲームのイメージを壊すことなく，舞台ならではの迫力が詰まったすばらしい公演だったというのが筆者の感想だ。「戦国BASARA」ファンはもちろん，「戦国BASARA」未経験の人でも楽しめると思うので，興味を持った人は，会場に足を運んでほしい。
　ついに発表された「戦国BASARA3」と，舞台によってますます広がりを見せる「BASARA」シリーズ。今後の展開から，ますます目が離せなくなってきた。

ゲネプロ第一幕の模様（第二幕は撮影NG）。フラッシュ禁止なうえ会場が暗いので写真がぶれているが，それだけアクションが激しかったと思っていただければ幸いだ。筆者の写真の腕がほめられるほどではないというのもあるが……