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全世界が待望したシリーズ最新作「Fallout 4」のプレイレポート。すべてが進化したウェイストランドで,過酷な冒険と創造に明け暮れるのだ
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印刷2015/12/17 00:00

プレイレポート

全世界が待望したシリーズ最新作「Fallout 4」のプレイレポート。すべてが進化したウェイストランドで,過酷な冒険と創造に明け暮れるのだ

 2015年12月17日,ついにベセスダ・ソフトワークスから「Fallout 4」PC/PlayStation 4/Xbox One)の日本語版が発売される。11月10日に海外でリリースされ,初日だけで1200万本を超えるビッグセールスを達成。途方もないヒット作となった本作だが,日本にもついにこのビッグウェーブが到来したのだ。6月の制作発表以来,世界中のゲーマーがプレイできる日を指折り数えて待っていた,まさに2015年最大の注目作と呼べる作品だ。

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「Fallout 4」公式サイト


 Falloutシリーズは,核戦争によって文明が崩壊した,いわゆる「ポストアポカリプス」の世界観をテーマにしたRPGだ。1997年,斜め見下ろし型のRPGとしてシリーズ第1作「Fallout」がPC向けにリリースされたが,日本語版が発売されなかったこともあり,国内での知名度はそれほど高くなかった。
 ところが,「The Elder Scrolls IV: Oblivion」(以下,オブリビオン)のヒットで日本でも広く知られるようになったベセスダ・ソフトワークス(以下,ベセスダ)が「Fallout」シリーズのIPを取得し,2008年に新たなシリーズ作として「Fallout 3」をリリースしたことで,状況は一変した。
 ワシントンD.C.を舞台にしたFallout 3はオブリビオンゆずりの広大なマップが用意されたオープンワールドのRPGで,魅力的な世界観と徹底的な自由度の高さ,そして膨大なクエストでゲーマーの心をガッチリつかみ,日本を含め世界中で大ヒット作となったのだ。
 2010年には,ラスベガス地区に舞台を移したスピンアウト作「Fallout: New Vegas」(以下,New Vegas)がリリースされており,現在Falloutシリーズは,The Elder Scrollsシリーズと並ぶ,ベセスダを代表するシリーズに成長した。

荒野を駆けるあの日々が,再び始まるのだ
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 筆者は今回,PlayStation 4向けの日本語版をプレイする機会を得たので,そのレビューをお届けしたい。ナンバリングタイトルとしてはFallout 3から7年,New Vegasから数えても5年となる久々のFallout最新作ということで,筆者を含め長年発売を待ち望んでいたゲーマーは数多いだろう。結論から先に述べてしまえば,その出来は期待を裏切らないものだった。

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「崩壊前」から始まるFallout 4
戦前の輝かしい社会と,崩壊後のギャップを確認しよう


 Fallout 4はFallout 3やNew Vegasの背景となった時代の約200年前,2077年10月23日に始まる。マサチューセッツ州ボストンの住宅地「サンクチュアリ・ヒルズ」で,ある夫婦が生まれたばかりの一人息子「ショーン」と共に,穏やかに暮らしている。プレイヤーは,この夫婦のどちらか(男を選べば父親,女を選べば母親)をプレイヤーキャラクターとして選び,物語を進めていく。

 ゲームが始まるとまず,キャラクターメイキングだ。顔,性別,髪型,人種といった前作にもあった項目のほか,今回は体型も調節できるようになっており,細マッチョやビア樽体型の主人公でプレイすることも可能になっている。一説では「ラスボス戦より難しく,時間がかかる」と言われるRPGのキャラメイキングだが,本作でも顔のパーツごとにスライダーで細かく設定でき,こだわれば本当にいくらでも時間がかけられそうだ。

顔のパーツにカーソルを合わせると,色や形を自由に調節できる。筆者の感覚としては,旧作より美男美女を作りやすい印象だ。本作では会話画面で自分自身を目にする機会も多いので,気になる人はこだわっておきたい
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 Fallout 3では,自分のキャラクターを元に父親が自動生成されたが,今回は逆で,自分を元に息子のショーンが生成される。赤ん坊の状態では肌の色ぐらいしか見分けがつかない感じだが,イケメンの息子が欲しい人は,頑張って自分自身を作り込んでおこう。

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 キャラクターメイキングが終了したら,いよいよ2077年の世界に立とう。とはいえ,その風景は現代より半世紀以上も未来のようには見えず,昔の映画で見る「古き良き時代のアメリカ」そのままの風情だ。ラジオは卓上サイズで,テレビは白黒でブラウン管式,タブレット端末どころかPCすら家にはない。未来らしさを感じられるのは,台所で働くお手伝いロボットの「コズワース」と,流線的なデザインの自動車という程度だ。

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 シリーズ経験者ならご存じだと思うが,Falloutシリーズの世界は,現在我々が知っている歴史とは違う道を歩んだパラレルワールドだ。技術的には携帯用レーザー兵器や軍事用パワードスーツ,自律行動可能なロボットが実用化されている一方,文化的には1950〜60年代で停止しており,ファッションや娯楽はほとんど進歩していない。言ってみれば「レトロフューチャー」をそのまま体現した,かなり興味深い社会になっているのだ。
 この時代,人類はエネルギー革命に失敗し,化石燃料と原子力のみに頼り切ったあげく,ついには資源が枯渇してしまった。わずかに残された石油を巡り,中国とアメリカは戦争の真っただ中だ。

最初の状況説明のため,回りくどい解説をするNPCが配置されているゲームも多いのだが,本作では付けっぱなしのテレビに流れるニュースで状況が分かるという趣向。現代の我々にとっても身近な,にくい演出だ
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 そのような世界でも,戦火を免れた地域では,比較的安定した生活が過ごせている。そして,運命の土曜日,朝のひとときを家族と共に過ごしている主人公一家に,とある人物が訪れる。
 それは,“来たるべき日”に備えて,アメリカ各地で「Vault」と呼ばれる核シェルターを建造している「Vault-Tec」のセールスマンで,彼が言うには,契約さえすれば一家はそのVaultの1つ「Vault 111」に居住できるのだという。
 きな臭い社会情勢だけに,思わぬ申し出に喜んで(プレイヤーの選択によっては嫌々)契約書にサインする主人公だったが,来客が帰った直後,状況が一変する。テレビのニュースに速報が流れ,アメリカ本土で核爆弾が炸裂し,甚大な被害がでているという。そう,ついに全面核戦争が始まってしまったのだ。後に大戦争(Great War)と呼ばれ,人類の文明を崩壊させるに至った,最終戦争の始まりだ。

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 一家は,慌てて先ほど契約を済ませたばかりの,Vault 111へ向かう。軍隊が出動し,人々が逃げ惑う異常な状況の中,小高い丘の上にあるVaultの真上に着いた夫婦と赤ん坊。だが一息つく間もなく,その視界の先には,猛烈な閃光に続いて巨大なキノコ雲が発生した。

すべてが終わった瞬間。だが,冒険はここから始まる
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 一家はなんとか無事にVault 111にたどり着くが,その後「あるトラブル」により,主人公だけが2287年の未来世界に放り出されてしまう。生身の人間がどうして200年以上も生きていられるのか,SF好きの人なら思い当たる技術はいくつかあると思うが,ここは実際にゲームをプレイして確かめてほしい。Vault 111の住人の中で,たった1人無事に生き残った主人公は,そのトラブルを引き起こした元凶と,ある人物を探すため,瓦礫の山と化したボストンを放浪していくこととなる。

今や見る影もないが,確かにここは以前住んでいた場所だ
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 Vaultを脱出した主人公を待っているのは,単に核戦争で荒廃した社会ではなく,国家という枠組みが完全に破壊され,法や秩序と呼ばれていたものがほぼ消失した世界だ。核爆弾の影響も未だ消えてはおらず,放射能によって巨大化した凶暴なクリーチャーがいたるところに生息している。
 食料や水も汚染されており,もちろんインフラや公共サービスも残っているわけがないので,通貨(ドル)も今じゃケツを拭く紙にもならなくなって,戦前のコーラ瓶のフタ「キャップ」に取って代わられているし,治安面ではモヒカンヒャッハーな凶悪強盗集団「レイダー」が,小さな集落やトレーダーを見境なく襲っている。このような崩壊した世界をシリーズでは「ウェイストランド」と呼んでいるが,プレイヤーはこの地獄のウェイストランドで生き残り,かつ目的を果たさなければならないのだ。

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 本作の魅力はいくつもあるが,その中の1つが作り込まれた世界観であることは間違いない。ウェイストランドは核戦争によって文明が崩壊した世界だが,実は崩壊前からその技術レベルに比べ,文化や倫理の成熟度は著しく劣っており,もとから何かがおかしい社会なのだ。

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 例えばゲームのインタフェースとなる腕時計型端末「Pip-Boy 3000」は,超高性能デバイスなのにディスプレイは単色表示だし,道に捨てられている車は核動力なので,強い衝撃を与えると小さな核爆発を引き起こしてしまう。家庭用のお手伝いロボットには,なぜか腕に標準で火炎放射器と回転ノコギリが装備されているし,おまけに作中に登場する飲み物「ヌカコーラ」には,放射性同位体が添加されて青く光り輝くものがある……といった感じで,その奇妙さが随所ににじみ出ている。
 しかもこれらは単なる設定として存在するのではなく,実際にゲームシステムの一部としてしっかり組み込まれており,例えば車を盾に銃撃戦を行うと,爆発に巻き込まれてあっさり死んでしまったりする。もちろん,逆に敵が車のそばにいれば,チャンスタイムの到来だ。
 実はFalloutの舞台は,単なるポストアポカリプスな世界ではない。より過激でぶっ飛んだ,修羅の国も真っ青な「イカれた世界」なのだ。

ゲーム中,あちこちで戦前や戦争直後の資料が読める。これらを探して読み,その世界観に浸るのもまたシリーズファンの楽しみの1つだ
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 Falloutの世界設定は,1950〜60年代の人が想像した未来,つまりレトロフューチャーを設定したうえでそれを崩壊させるという,手の込んだ仕組みになっている。これにより,単なるSFでもなければ世紀末でもない,実に独創的で魅力的な世界の構築に成功していると,筆者は思う。

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 話は少し脱線するが,現実の我々の世界は複雑で,あっという間にいろいろなものが時代遅れになりがちだ。未来世界を描くSFは,そんな現実の変化の影響を受けやすく,古典的な作品では「妙に古めかしい未来世界」になってしまっていることが珍しくない。もちろんそれによって作品の評価が変化するわけではないが,ある意味(当時からすれば)未来の世界を生きている我々からすれば,どうしても違和感を覚えてしまうことがある。
 その点,Falloutの世界はSFなのに「元から古い」のだから,これ以上古くなりようがない。現実世界の技術や社会情勢がいくら変化しても,過去が変わるわけではないから,そもそも影響を受けないのだ。未来の描き方の1つとして,これは非常に巧みだ。

作中に登場するコンピュータの画面は,かつて存在した「グリーンディスプレイ」と呼ばれる黒地に緑の表示方式が採用されている。これはプレイヤーのインタフェースとなる「Pip-Boy」も同様だが,アニメーションが採用されるなど,表現力の強化が行われている
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 話を戻すと,旧作をプレイした筆者がまず驚いたのは,主人公に明確な人格が与えられていることだ。彼(または彼女)はゲーム世界にあるさまざまな人物や物体に,驚いたり,喜んだり,独り言をつぶやいたりと,普通の人間のように反応する。
 Fallout 3やNew Vegasだけでなく,ベセスダの開発するThe Elder Scrollsシリーズでも,基本的に主人公は,戦闘時のかけ声やうめき声などを除いてしゃべることはなかった。キャラクターはプレイヤーの分身であったため,自我や個性は抑えられていたのだ。

重要な人物との会話では視点が変わり,4択で反応を選んでいく。報酬をふっかけたりするのも,この画面。たいていは決定ボタンが肯定でキャンセルボタンが否定になるが,そうでない場合もある
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 それが本作では変更されており,選択自体はプレイヤーが行うものの,主人公は確固たる意思を持って他人とコミュニケーションする。これは驚いたと同時に新鮮だったが,シリーズファンの中には違和感を覚える人もいるかもしれない。
 個人的には,イベントや会話の表現力がぐっと高まったこともあって,良い選択だったと感じている。かなり気が早いが,これがシリーズの続編や,あるいは同社の別のRPG(つまり,The Elder Scrollsシリーズのことだけど)に踏襲されたりするのかも気になるところだ。


徹底した「自由度の高さ」は本作も健在
自由に歩き回るもよし,メインクエストをこなすのもよし


 Fallout 4は,作り込まれたオープンワールドで自由に探索や戦闘を行い,好きなクエストを任意のタイミングでプレイするという,フリーローミングタイプのゲームのお手本のような作品だ。プレイヤーはどこへでも好きに行けるので,気になる土地があれば探索してもいいし,面倒ならスルーしてもよい。人を見つけたらクエストを引き受けてもいいし,相手の態度にムカついたらその場で倒して身ぐるみを剥ぐのも悪くない。崩壊後の世界は,文字どおりの無法状態なのだ。

 もちろん本作には「メインクエスト」と呼べるものがあるが,とくに優先度が高いわけではないので,放置してひたすら探索に明け暮れていい自由もある。それぐらい,本作には多くの土地やミッションが用意されており,片っ端からクリアしていくと,いつ終わるか想像できないほどだ。重要なイベントで回る必要があるのは,全体から見ればごく一部でしかない。

画面下に表示されているのがコンパス兼ミニマップで,何かがあるとアイコンで表示される。こいつのせいで,ついつい寄り道しちゃう。視点は一人称と三人称を好きなタイミングで切り替えられ,三人称視点の場合は,カメラの距離も調節できる
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クエストにはオプションの付いたものがあるが,必ずしも行う必要はない。相手にとって不都合なオプションをこなすと,不満を持たれることもある
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 クエストに関しても,基本的にいくつもの解決方法が用意されている。例えば,あるアイテムを取ってくる必要があるとき,正面から乗り込んで殺してでも奪い取る……というのは有効な手段だが,だからといってそれにこだわる必要はない。話が通じる相手なら,金で解決したり,口八丁手八丁で言いくるめて平和的に手に入れてもいいし,スキルさえあればステルス状態で乗り込み,盗んでくるという手もある。夜は寝ている可能性が高い(相手が人ならば,だが)ので,昼間よりも簡単に盗みやスリが働けるだろう。場所によっては,裏口の扉を開けたら,すぐ目の前に目的ものがあった,などということもある。基本的にボールは常にプレイヤー側が持っており,目的さえ達成できるなら手段は思うままだ。
 一度立ち寄った場所には,マップを使って一瞬で移動できる,おなじみの「ファストトラベル」が使えるため,クエストをクリアできなかった場所にも簡単に戻ってリトライできる。序盤に辛酸をなめた場所でも,そこを記憶しておき,後で実力が伴ってからじっくり攻略すればいい。

 戦闘は敵に出会った時点でシームレスに開始され,手持ちの銃や鈍器,あるいはハイテク兵器のレーザーライフルといった武器で戦う。どこでもたいがい何かが巣くっており,戦う相手には困らないが,ここは文明崩壊後の世界,出てくるのは異常なヤツらばかりだ。

本作から登場し,かつ物語にも大きく絡んでくる「人造人間」達。ほかのロボット達とは一線を画す人間らしい動きで,なおかつ無表情に襲ってくるから,インパクトが大きい。一部は人間の皮膚のようなものを身につけ,社会に潜伏しているらしい
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 放射能で巨大化したゴキブリ「ラッドローチ」をはじめ,緑色の巨人「スーパーミュータント」,全身が腐ってゾンビのようになった「フェラル・グール」などのクリーチャーだけでなく,同じ人間でも上記のレイダーなどが各所で幅を利かせているので,とりあえず動くものがあれば敵だと思っていいだろう。
 うまく倒せれば,野生動物なら肉や皮,人間なら装備している武具などが手に入るが,インフラが失われたこの世界では消費する弾丸の入手性は悪く,調子に乗って撃ちまくると,あっという間に弾薬が尽きてしまう。本作ではダッシュができるようになったので,明らかに形勢が不利だと思ったら,一目散に逃げて生き残ることを優先にするのも手だ。

ゲーム中,ワンボタンでV.A.T.S.モードに移行し,敵を狙うことができる。胴体以外は面積が狭いので命中率が低くなるが,近づけばそのぶん当たりやすくなるので,物陰に隠れて待ち伏せするなど工夫も大切だ
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 そんなVaultからの放浪者の強い味方が,シリーズ恒例の特殊能力「V.A.T.S.」(Vault-Tec Assisted Targeting System)だ。発動すると時間の流れが急に遅くなり,敵を自動でロックオンする。時間がゆっくり流れている間に,手持ちの武器で任意の部位を攻撃できるのだ。
 使用すると時間経過で回復するAP(アクションポイント)を消費するが,V.A.T.S.が発動している間はほぼ一方的に攻撃できるので,頭を狙って大ダメージを与えたり,足を撃って移動速度を大幅に低下させたりといった使い方が可能だ。当たりにくい部位があったりもするが,筆者のように射撃の腕が今一つのプレイヤーにとって役立つ。敵を一気に無力化したり,貴重な弾薬の節約にもなったりするので,積極的にガンガン使っていきたい。

経験値は,戦闘をこなすことやクエストをクリアすることのほか,新たな場所の発見やNPCへの説得(スピーチチャレンジ)の成功,さらに鍵開けやハッキングを行うことなどでも取得できる。冒険をしていれば経験値は自然と溜まるので,レベル上げを意識する必要はない
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 戦闘やクエストクリアで経験値が一定数溜まれば,待望のレベルアップタイムだ。ステータスについては旧作から一気に簡略化され,スキル制は廃止となり,レベルアップ時のポイントを使って個人の基礎能力を表す「S.P.E.C.I.A.L」を上げるか,特殊技能である「Perk」を取得していくのみとなった。

 S.P.E.C.I.A.Lはそれぞれ,Strength(筋力),Perception(知覚),Endurance(耐久力),Charisma(魅力),Intelligence(知能),Agility(俊敏性),Luck(運)の頭文字を並べたもので,例えばStrengthなら,それが高いほど打撃力が上がり,多くの荷物も持てるといったメリットがある。当然,どれも高いほうが冒険が有利に進むが,いきなりすべてを限界まで上げることはできないし,次に説明するPerkを取得したほうが効率的なこともあるので,一概に「レベルが上がったら,とにかくS.P.E.C.I.A.Lを上げておけ」とはならないのが難しいところ。

レベルが上がると,敵もだんだんと強力になる。戦闘に関係ないPerkばかり取得するとバトルがかなりきつくなってくるので,それなりにバランスが必要だ
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S.P.E.C.I.A.Lは,ゲーム開始時にポイントを振り分ける場面で説明されるので,参考にしよう。Perkと違って薬や装備品で補える場面も多く,個人的には,あまりこだわらないほうがいいと思う
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 Perkはそのキャラクターが持つ特殊技能のことで,S.P.E.C.I.A.Lの項目ごとに10種類,計70個から,任意のものを取得できる。S.P.E.C.I.A.Lのそれぞれの値に比例する形で,それに属するPerkがアンロックされるシステムで,例えばLuckが5なら,Luckに属する5種類のPerkから選べるというわけだ。仮にLuckの6段階めのPerkが欲しいなら,Luckそのものをまず6まで強化する必要があるわけだ。

1つのPerkには複数の段階があるものが多く,また2段階目以上にはレベル制限がついている場合が多い。最初から強力なPerkだけガンガン取得するというわけにはいかないのだ
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 具体的なPerkとしては,純粋にHPを上昇させる「Life Giver」といったシンプルなものから,より開けにくい鍵を開けられるようになる「Locksmith」,レア度が高いジャンクをリサイクルで入手しやすくなる「Scrapper」など,できることはさまざまだ。武器の威力を高めるにも,例えばハンドガンなら「Gunslinger」を手に入れるなど,前作ではスキルに割り当てられていたものがPerkに統合された形になっている。
 Perkの選び方が,ある意味そのままキャラクターの強さや立ち回りに関係してくるため,将来的に「どういうプレイをしたいのか」も含めて,じっくり何を選ぶのか決めていきたい。

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冒険が厳しい?
よろしい,ならばコンパニオンとパワーアーマーだ


 V.A.T.S.があっても,崩壊後の過酷な世界を1人で放浪するのはやはり厳しい。いくら気をつけていても,急に背後から襲われたり,足が速いクリーチャーにあっという間に囲まれてしまったりすることもある。

 そんな危険な旅を続けるプレイヤーの強い味方が,前作でもおなじみの「コンパニオン」だ。仲良くなったり,恩を売ったりすることで,序盤から人間や犬,あるいはロボットなどを1人(または1匹,または1台)自由に連れ回せる。道中ではもちろん戦闘に参加してくれるし,自分の代わりに敵を発見してくれたり,重量オーバーの際は荷物を持ってくれたりと,連れ歩くだけで冒険がぐっと楽に進められる。
 とはいえ,ダメージを受けすぎると戦闘不能になってしまうので,瀕死になったら回復薬のスティムパックを与えるなど,それなりの気遣いは必要だ。

最序盤からコンパニオンにできる「ドッグミート」は,孤独な主人公の強い味方だ。戦闘に役立つのはもちろん,隠されたアイテムを見つけたり,敵をいち早く発見したりしてくれる
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 人間タイプのコンパニオンの場合,任意のアイテムを装備させることが可能になり,コーディネートの自由度がさらに増したのが嬉しい。反面,New Vegasであったコンパニオンホイールは廃止され,細かい戦闘の指示などはできなくなった。一般的な評価はともかく,個人的には使い勝手がよいシステムだと思っていたので,この変更は少々残念だ。

 コンパニオンを連れているだけではまだ厳しいというプレイヤーのために,本作にはさらなる切り札が存在している。上でも少し触れたが,Falloutの世界には「パワーアーマー」と呼ばれる,軍事用のきわめて強力な戦闘スーツが存在するのだ。核動力で動くこのアーマーは,装着者に飛び抜けたパワーを与えるだけでなく,強固な外骨格として機能し,敵の攻撃や放射能のほとんどをシャットアウトする。文明崩壊前には,アメリカ軍の主力兵器として活躍したという。

パワーアーマー自体は,かなり早い段階で入手できるし,使うのにトレーニングも必要ない。ただ,積極的に活用できるのは,しばらく冒険を続けた後のこと
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 このパワーアーマー,Fallout 3やNew Vegasでは,その設定のすごさに反して実際はイマイチで,ちょっとしたパワーアシスト機能のついた鎧といった雰囲気だった。重さはかなりあるが,普通にインベントリに入れて持ち歩き,その場で着替えることができたので,「折りたたみ式のハリボテじゃないのか」などとも言われていたようだ。

 しかし本作のパワーアーマーは,システム面から根本的に手を加えられ,従来とはまったく違う強力な兵器に生まれ変わった。装備するというより「乗り込む」という形で装着する,乗り物のような存在で,パワードスーツ感も格段に上昇した。それに伴って性能も大幅に強化され,Strengthは人間の限界値である10を突破するし,メンテが良くない状態でも防御力は数百を誇るという,怪物的な強さを発揮する。シリーズ従来作をプレイした人に分かりやすく説明すれば,「レベル1でデスクローに単身立ち向かい,普通に勝てる」といったところだ。

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防御力が1桁といった初期段階でも,パワーアーマーさえ着れば3桁の防御力が楽々手に入る。当然,放射能に対する防御もバッチリだ
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 もちろん,うまい話には裏があり「ずっとパワーアーマーを着てゲームを進める」わけにはいかない。強化された反面,明確な制限が用意され,それに頼り切った冒険はできないのだ。
 最初の問題は,動かすためにエネルギー源が必要になることだ。パワーアーマーを起動するには「フュージョンコア」を用意する必要があり,使い続ければ電池のように残量がどんどん減っていく。そのため,稼働時間に制限がある。エネルギーが切れた時点でパワーアーマーは,歩くことすらままならない「鉄の棺桶」と化し,敵の格好の標的になってしまうのだ。
 フュージョンコアの入手性は悪く,とくにゲームを始めたばかりの時点では,ほとんど手に入らない。

「パワーアーマーステーション」では,損傷の修理のほか,後述するクラフト要素の1つとして,パワーアーマの改造も可能だ。ただでさえ強いアーマーをより強化できるだけでなく,ペイントの変更や特殊装備の装着もできる。強力なパワーアーマーほど修理に特殊な材料が必要になり,メンテナンスの手間が上がっていくので,材料の入手に困るようなら,旧型をあえて使うのも手だ
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 もう1つのデメリットは,パワーアーマーにはパーツごとに耐久度があり,ダメージを受けるほどコンディションが劣化し,最終的にはパーツごと壊れてしまうことだ。状態を回復するためには修理する必要があるが,それには町や拠点にある「パワーアーマーステーション」に戻らなければならない。補修材料となる金属や貴重な電子パーツも必要だ。
 話の流れの関係上ここで書くが,通常の武器や防具は基本的にいくら使っても劣化せず,修理する必要はなくなったため,なおさら「戻って修理」というのが面倒に感じられてしまう。上記のエネルギーの問題も含め,パワーアーマーは「燃費が悪い装備」なのだ。

 とはいえ,多少使い勝手が悪くてもパワーアーマーが強力な兵器であることは間違いない。搭乗シークエンスはかっこよく,動作モーションや効果音もいかにもメカ。インタフェースがPip-Boyからパワーアーマー専用のものに切り替わるのも,SF好きにはグッとくる演出だろう。有効に使える場所を見きわめたり,フュージョンコアを探し出したりする必要はあるが,激戦や強力な放射能汚染が予想される場所では出し惜しみせず,積極的に投入していきたい。


「ヒャッハー!新鮮なスクラップだー!!」
今回のFalloutはクラフト要素が熱い


 さまざまな点がパワーアップされた本作だが,一番充実したのはなんといってもクラフト要素だ。アイテム作成については,Fallout 3ではグレネードや薬が作れたし,New Vegasでは防具を作ったり武器に強化MODを取り付けたりできたが,本作ではそれにとどまらない,大幅なテコ入れが行われている。アイテムや回復薬の充実はゲームの難度にも直結するので,ゲーム中,作成したアイテムには相当お世話になるはずだ。

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 武器を例に挙げよう。序盤から出てくるレイダーがよく持っている「パイプピストル」というハンドガンがあるが,攻撃力や射程などがかなり悪く,はっきり言って見るべきところはない。利点といえば,弾丸の入手性の良さぐらいだ。
 だが,「武器作業台」を使えば,バレル,ストック,マガジンなどほぼすべてのパーツが改造できるので,オート化してサブマシンガンにしたり,ロングサイズのストックとサイトを追加してアサルトライフルもどきに変えてしまったりといった,原型をとどめないほどの改造が可能だ。オート化せず,単発の威力を高めて,スコープを取り付ければ,スナイパーライフルのように使うことさえできる。
 元になる武器によって改造できる範囲はある程度異なるが,例えばハイテク武器の「レーザーピストル」も改造だけでレーザーライフルに変更できたりなど,自由度は非常に高い。
 当然,近接武器もその対象で,多くが「魔改造」と呼べるレベルで好きな形に強化できるのは,正直驚いてしまった。

武器の強化は,銃ならバレルやマガジン強化,ハイテクガンなら銃身自体の交換,近接タイプなら刃の追加,といった改造が定番だ。どれも材料が必要で,強力な改造ほど貴重なものが必要になる
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 防具は純粋に防御力を上げるほか,放射能耐性を与えたり,持てるアイテム量を増やしたり,ステルス性を高めたりなど,こちらも相当な数の選択肢が存在する。防具はインナー,頭,胴体,両手両足と複数の部位に分かれているので,腕装備は所持アイテム量アップ,足装備はステルス性アップなど,組み合わせも自由。コーディネートの幅はほぼ無限大といってもいいだろう。
 物がいっぱいありそうな場所に行くときは,とにかくアイテムがたくさん持てそうな装備にしておく……といった工夫をしよう。

「クッキングステーション」では,主に野菜や野生動物の肉を調理できる。肉は焼くだけでも結構な回復量の薬になるし,残留放射能も(なぜか)バッチリ消えるので,貴重なスティムパックの節約にもなる
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 Fallout 4のクラフト要素は,これだけにとどまらない。アイテム作りだけではなく,自分の家や,さらには集落そのものを建築できるのだ。従来作で寝場所に困り,レイダーやモンスターの死体と一緒に寝起きしていた人も多いかもしれないが,本作では,そんな住宅難は解消された。家ごと作ってしまえば良いのだ。レッツ,DIY!

材料さえあれば,大きめの小屋を一発で設置したりできる。移動はあとからでも自由に行えるので,とりあえず置いてみよう
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 おそらく多くのプレイヤーが最初に拠点とするのが,主人公が200年前に住んでいたサンクチュアリ・ヒルズだろう。ストーリーを進めると,ここに数人の住人が住み着くようになり,プレイヤーはクエストをこなす形で彼らの面倒を見ていく。
 核戦争を経て荒れ放題のサンクチュアリ・ヒルズには潰れた家屋が多いが,それだけに,建築スペースや建築材料になる廃材には困らない。小屋を建て,ベッドを置き,井戸を作って食料となる野菜を植える……と作業を続けていけば,自然と愛着も湧いてくる。戦前の美しい風景にはほど遠いが,作業を続けていけばだんだんとコミュニティ然としてくるだろう。条件さえ揃えば,さまざまな店舗を設置することもできる。

より良いアイテムや建物を作るには,材料だけではなくクラフト向けのPerkが必要になる。レベルアップ時,自分のスキルアップのためのPerkにするか,アイテム強化用のPerkにするか,悩むことが多い
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 しかし,生活必需品がそろっても,安心はできない。ここは危険なウェイストランドであり,生きていくには水や食料と同じレベルで,身を守る手段が必要なのだ。豊かなコミュニティはレイダーなどの格好の標的になり,無防備ではあっという間に襲われ,壊滅待ったなし。

 敵の襲撃から土地を守るには,見張り台やバリケードといった防衛地点や,トラップマシンガンタレットなどを設置して,襲撃者を蹴散らさなくてはいけない。小屋を砦に増築し,武器やトラップを各所に設置して敵に備えるのは,まるで秘密基地を作っている感覚で実に楽しい。外装だけでなく内装も自由にできるので,いろいろこだわっていると,時間がどんどん奪われていく
 Falloutシリーズ従来作では,廃墟を基地に改造したレイダーや,ガラクタや簡単なバリケードで囲った村が存在したが,まさにそれらをプレイヤーが運営できるようになったわけだ。
 コンパニオンを常駐させることもできるので,同居感覚で暮らすことも可能。まさに「自分の城」といった感じだ。村づくりだけ,ずっとやっていたい。

バリケードの位置を決めている最中の画面。タレットなどは自動で動作するので,それらを優先して設置してもよい
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 ただ建築は,通常のプレイと同じ視点で行うため,全体像がつかみにくかったり,狙った場所にぴったり目的物が置きづらかったりと,やりづらさを感じる場面もあった。建築専用画面などがあれば,さらに良かったかもしれないが,別のゲームになってしまいそうでもある。

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 さて,充実したクラフト要素はすばらしいが,何かを作るには当然,材料が必要になる。こんな世界でホームセンターが営業しているわけはないので,基本的にはスカベンジングによる現地調達,つまり廃墟でのジャンクあさりを行う必要がある。シリーズ従来作にもジャンクは多数存在し,一部に使えるモノもあったが,基本的にゴミはゴミだった。職業としてのスカベンジャーは見かけるものの,多くのジャンクは使い道がなかったので,ゲームに慣れてくるとチェストだけあさるというプレイヤーも多かったのではなかろうか。

「ワークショップ」などにジャンクを入れておけば,その場所で何かを作るときに,自動的に材料として使われる。ジャンクは拠点ごとに管理されるので,一か所に溜めすぎるのは考えものだ
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クラフト時にとにかく足りなくなるのが,ダクトテープをはじめとした接着系の材料。何を作るにも必要になるので,そこそこ数は入手できても,すぐ使い切ってしまう。しかも買うと高い。となれば,これはもうトレジャーハントならぬジャンクハントタイムだ
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 だが本作ではそのへんの事情が大きく異なり,ほとんどのジャンクが「材料」として活用できるようになった。ジャンクは拠点の「ワークショップ」や「武器作業台」に溜めておけば,例えば空ビンならガラス,木のおもちゃなら木材,トレイならプラスチックといったような感じで,クラフトする際に自動的にリサイクルされて材料になる。この世界は基本的に廃墟だらけで,中に入ってもゴミばかり。無計画にアイテムを拾っていくとジャンクでインベントリが埋まってしまうのだが,ついにそれらが宝の山になる日が来たわけだ。純粋な冒険好きのみならず,クラフト重視のプレイでも結局は材料が必要になるため,廃墟の探索にさらに力が入る。
 うち捨てられたスーパーや工場の廃墟などが目に入ると,何かいいものが落ちていないかとワクワクしてしまう自分を発見して,驚いたりしている。


さらに楽しく,そして厳しくなったウェイストランドでは
多くの敵と汚染の恐怖がプレイヤーを待つ


 本作はナンバリングタイトルで,かつ舞台もアメリカ東海岸であるせいか,全体的な雰囲気はFallout 3のワシントンD.C.にかなり近い。どこに行ってもカラッとしていたNew Vegasのモハビと異なり,空には晴れ間こそ見えるものの,陰鬱とした雰囲気の場所も多く,廃ビル群や地下鉄を探索していると,キャピタル・ウェイストランドを思い出さずにはいられない。

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 しかし,大きく変わった点もある。前述のようなクラフト要素の強化により,生き抜くために極限のサバイバルを行うというより,むしろ復興生活の維持改善といった前向きの状況を感じるようになった。拠点として使える場所が容易に確保でき,適切に戦利品の肉などを調理していけば,序盤でも食料や回復剤にはほとんど困らないというのが,おそらくその理由だ。
 ちょっとしたコツさえつかめば,Fallout 3のように汚染水や,200年前の食料を口にする必要はほとんどない。

 しかし,ヌルゲーになったのかといえば,それはまったく違う。ラッドローチやモールラットといった,以前は障害物にすらならなかった雑魚クリーチャーも,挙動や戦闘モーションが大きく見直され,慣れないうちは手強い相手になる。廃墟に巣くう敵も多めに配置されており,数に任せて襲ってくる場面も多いし,全部倒したと思ったら,背後から新手が次々出現してくるといった状況も早くから登場する。序盤のちょっとしたお使いクエストのつもりで気軽に目的地に向かったら,そこはレイダーの一大拠点で,命からがら逃げ出した,というウェイストランド流のおもてなしも健在だ。

 スティムパックなどの回復アイテムは使用しても即座に回復はせず,時間をかけて徐々に効いていくというNew Vegasのハードコアモードと同じ仕様に変わった。甘い予測に基づき,HPが減りすぎてからアイテムを使っても,おそらくそのまま昇天してしまうだろう。戦闘全般の難度は少し上がった印象だ。

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 しかし,それらよりもっと厳しいと感じた変更点が,体内に蓄積される汚染だ。旧作では体力と汚染度は別のステータスで管理されており,一定量放射能に汚染されると体に影響が出るというシステムになっていた。逆にいえば,一定量まで汚染されない限り被害はなく,相当無理をしなければそこまで危険な状況に陥ることもなかった。
 本作ではそれが大きく変更され,汚染ゲージが体力ゲージと一体化した。どういうことかといえば,汚染されたぶんだけ,そのまま体力の最大値が下がるのだ。例えば汚染が20溜まればそのまま最大HPも20減るし,部位ダメージも完全に治癒しなくなるという感じだ。まさに汚染が生命力を削っていくという仕組みになっており,もちろん,蓄積された放射能汚染は自然回復しない。

画面左下のゲージで,HPと放射能汚染の状態を確認できる。緑色のHPがゼロになれば当然死んでしまうが,赤色が表す汚染度も重要だ。汚染されたぶんだけ,HPの最大値が削られていく
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 おまけにラッドローチやフェラル・グールといった放射能の影響を受けた敵は,攻撃を受けたり近づいたりしただけで汚染されてしまうため,二重の意味で「痛い」攻撃になる。回復薬を使っても,放射能を除去しない限り,HPの最大値は減ったままだ。手持ちの回復手段が乏しいとき,ダンジョンの奥深くでそんな敵に大量に囲まれたらと考えれば,その恐怖は想像がつくだろう。
 本作では,そんな放射能の恐ろしさがよりストレートに表現されており,それだけに,治療できる医者や放射能除去薬の「RADアウェイ」の重要性が高まった。

探索中にまともな回復アイテムが尽き,かつRADアウェイも見つからない場合は「今ある汚染された食料を食べ,最大HPを削ってでも現在のHPを回復させるか否か」という選択を迫られる可能性がある。実際,そこまで追い詰められることは少ないが,薬はなるべく多めに用意しておきたい
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規格外のボリューム! 全方位でパワーアップを遂げた
「Fallout」シリーズの最新作


 Fallout 4をプレイして感じる進化はシステム面だけではない。グラフィックスや動作モーションなども一新され,崩壊した世界で生き,そして死んでいく人間とその社会のリアリティがより増している。グラフィックスについては,それなりのレベルだが,それでもシリーズ従来作からは大きく躍進しており,そもそも,このクオリティを維持したままシームレスに移動できる広いマップが作られていることに驚く。

シリーズ恒例の,BOSこと「ブラザーフット・オブ・スティール」は今回も健在。ハイテク機器の収拾と管理を目的とする武装集団で,場所によって評判はさまざまだ。人使いの荒さもこれまでどおりなので,安心(?)してほしい
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Pip-Boyにはラジオ機能が搭載されており,プレイ中に流し続けることができる。流れるナンバーは現実のオールディーズだが,これが世界観にバッチリ合っている。懐かしの曲から新しい曲まで,楽曲は豊富だ
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 また,ローカライズもテキストだけでなく,音声も日本語に吹き替えられているので,会話だけでなく喧騒やかけ声なども自然に理解できる。これにより,世界により没頭できるようになった。
 ゲーム中に登場する録音テープやコンピュータ内のデータも,しっかりと翻訳されているので,隅々まで世界を堪能したい人も十二分に楽しめるはずだ。これだけ膨大なテキスト,音声をすべて日本語化したというのは,かなりすごいことだと思う。

 大ヒットシリーズの最新作として,世界中のゲーマーから多大な期待を寄せられた本作だが,質と量の両面で,その期待に十分応えている。Fallout 3とNew Vegasの「いいとこ取り」をしてブラッシュアップしただけではなく,「The Elder Scrolls V: Skyrim」のエッセンスを取り込み,その完成度は「ベセスダの究極のRPG」に仕上がっていると思う。

取得すればS.P.E.C.I.A.Lなどが上昇する「ボブルヘッド」が,いろいろなところに隠されている。かなりあっさり見つかる場合もあるが,基本的には足を棒にして探し回ることになる
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町のガードの近くを歩くと,気さく(?)に声をかけてくる。膝に受けた矢とか,お腹いっぱいのハチミツ酒とか,そういうセリフを思い出す人も多いかもしれない
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 いくら探索しても次々と出現する新たなロケーション,大量のクエスト,一癖も二癖もある登場人物,膨大なアイテム,引き込まれるメインクエスト,いくらでもこだわれるクラフト要素と,このボリューム感は,大盛りどころではない「メガ盛りRPG」と呼んだほうがいいだろう。筆者には,未だにまったく底が見えない。
 さらに,DLCの展開や,PC版の場合はMODなどの要素もあり,長く付き合える一作になるのは間違いない。シリーズファンなら,マストアイテムだ。

 もしあなたがシリーズ未経験で,シリーズ4作目という数字が気になったとしても,心配する必要はない。主人公は文明社会で何不自由なく暮らす一般人であり,画面を見つめる我々と同じ存在だ。主人公も,この崩壊した世界のことは何も分かっていない。そして,このウェイストランドを主人公と共に旅することで,徐々に,そして否応なくこの世界の常識やルールが理解できてくる。この世界に慣れた頃には,あなたも立派な「ウェイストランド人」になっているはずだ。

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 RPGとしては,ある意味,異色の作品だ。主人公は勇者ではないし,魔王のような倒すべき悪の元凶がいるわけでもない。世界を守ろうにも,それは200年前に崩壊してるし,その引き金を引いたのも人間なのだから,二重の意味で救いがない。ゲーム中の表現も過激で,日本語版にはとくに規制もないこともあって,多少人を選ぶ,アクが強い作品なのは間違いない。

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 だが,それゆえに本作は刺激的で,世界中のゲーマーを虜にする魅力に満ちている。ウェイストランドは危険な場所ばかりだが,冒険した意味のある“何か”がそれらには用意されており,だからこそ,気ままに放浪するのが心から楽しい。そんな旅で手に入れたガラクタを組み合わせて自分で家を作れば,この汚染された残酷な世界がより身近に感じられ,そのうちゲームを立ち上げるたびに「ああ,帰ってきた」という感覚さえ湧くようになる。Fallout 4にはそれだけの懐の深さがあり,これを超える作品が次にいつ登場するのか,ちょっと想像がつかないほどだ。筆者も時間が許す限り2287年にタイムスリップしていたい。
 ベセスダが放つ,究極のオープンワールドRPGとなった「Fallout 4」。日本語版が登場したこの機会に,ぜひ1人でも多くの人に本作をプレイしてもらいたい。

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「Fallout 4」公式サイト

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