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  • 発売日:2016/11/17
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「遊戯王 デュエルリンクス」と「遊戯王OCG」は似ているようで違う。異なる対戦環境を世界選手権直前におさらいしよう
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印刷2018/07/28 10:00

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「遊戯王 デュエルリンクス」と「遊戯王OCG」は似ているようで違う。異なる対戦環境を世界選手権直前におさらいしよう

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 KONAMIから,現在スマートフォン/PC向けに配信されているアプリ「遊戯王 デュエルリンクス」iOS / Android / PC 以下,デュエルリンクス)。本作は,KONAMIが展開するTCG「遊戯王オフィシャルカードゲーム」(以下,OCG)をベースに開発されたオンライン対戦型カードゲームだ。

 その人気は日本だけでなく世界各地でも多くの人がプレイしており,2018年5月には全世界で7000万ダウンロードを突破した。また,2017年からは,もともとOCGの大会として開催されていた「Yu-Gi-Oh! World Championship」に「デュエルリンクスの部」が設立。今年も2018年8月4日と8月5日に,OCGと合同で世界一を決める戦い「Yu-Gi-Oh! World Championship 2018」(以下,WCS2018)が行われる予定だ(関連記事)。

 本稿では,そんなデュエルリンクスのルールや環境を「OCGとどこが違うのか」という観点から比較しながら,WCS2018直前におさらいしていきたい。

 また今回4Gamerでは,今年の大会に出場する日本人プレイヤー,つんつん氏へのメールインタビューを行う機会を得た。記事の後半に掲載しているので,合わせて読んでほしい。

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基本となる部分は同じだが,対戦環境が一味違うデュエルリンクス


 デュエルリンクスでは,OCGで使えるカードがすべて使えるというわけではなく,今までOCGで登場したカードの中からピックアップされたカードが登場している。

現在エクストラデッキを利用する召喚方法は融合のみで,シンクロ,エクシーズ,ペンデュラム,リンクは登場していない
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 カードの実装順は,古くからOCGで活躍しているカードが先に実装され,新しめのカードほど実装が遅い……というわけでもなく,独自のカードプールが形成されている。
 特に汎用性の高い強力なカードは実装されていないことが多く,中には「死者蘇生」や「聖なるバリア −ミラーフォース−」,「ハーピィの羽根帚」のように特殊な条件下で使えるカードもあるが,デッキには入れられない。

OCGでおなじみの強力なカードは特殊な条件でのみ使えるものもあるが,そもそも実装されていない場合が多い
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 また,デュエルリンクスのルールは“スピードデュエル”をベースにしたものになっており,OCGの公式大会で使用されている“新マスタールール”とはデッキ枚数や場に展開できるモンスターの数などが異なる。

OCGとデュエルリンクスのルールをまとめた表
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“新マスタールール”のデュエルフィールド。場に出せるモンスター,魔法・罠はそれぞれ5枚。ペンデュラムモンスターを配置できる「ペンデュラムゾーン」と,エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターを出す「エクストラモンスターゾーン」が存在する
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“スピードデュエル”をベースにしたデュエルリンクスのフィールド。場に出せるモンスター,魔法・罠はそれぞれ3枚だ
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 こういったルールの違いも,対戦環境やカードの強さに少なからず影響を与えている。
 OCGとデュエルリンクス両タイトルのプレイヤーでもある筆者が,特にゲーム性に影響を与えていると感じたルールの違いを3つ,ピックアップすると以下のようになる。

・デュエル中にキャラクター固有の「スキル」が使用できる
 最も大きな違いとして挙げられるのは,デュエルリンクスには,プレイヤーキャラクター自身の能力「スキル」が存在することだ。デュエル開始時にフィールド魔法を発動するものや,手札のモンスターカードのレベルを3つ下げるなどさまざまなものがあり,こういったスキルを中心にして組み立てられる戦術も存在する。

遊戯王伝統の「エクゾディア」カード5枚は,デッキに入れることができない特別なカードとして実装されている。武藤遊戯のスキル「じいちゃんのカード」を使うことでそのデュエル中にのみ使用可能だ
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・初期ライフポイントが4000
 もともとのライフポイントがOCGの半分なため,ライフが8000ポイントのOCGでは見られないコンボが使われることもある。
 また,直接相手にダメージを与える効果を持つカードもOCG以上に強力で,過去には初期ライフの少なさと,初期手札を増やす真崎杏子のスキル「デュエルスタンバイ」を活用し,相手に直接ダメージを与えるカードを連発して勝利をもぎ取るデッキが流行。ダメージソースとして中核を担った魔法カード「革命」がLIMIT1カードとしてデュエルリンクスで初めて規制されることになった。

効率よくダメージを与えられるカードとして注目された「革命」。「カップ・オブ・エース」は,コイントスで表が出れば自分の手札が増え,裏が出ても革命のダメージが増えるので相性抜群だった
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・メインフェイズ2が存在しない
OCGの“新マスタールール”におけるターンの流れ。バトルフェイズを行わない場合はエンドフェイズになる
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 OCGにはバトルフェイズを行った後に「メインフェイズ2」というモンスターの召喚や,魔法・罠カードのセット,カード効果の発動などを行えるフェイズが存在するが,デュエルリンクスではこれがない。

 OCGではバトルフェイズの結果を踏まえて,メインフェイズ2で新たにモンスターを召喚し戦局を立て直したり,魔法・罠をセットして次の相手ターンに備えたりすることが可能だったが,デュエルリンクスではそれができない。
 バトルフェイズ後のリカバリーが難しいため,「イタクァの暴風」や「分断の壁」など,OCGでは活躍しなかった意外なカードが猛威を振るうこともある。

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 特に「エネミーコントローラー」の活躍は群を抜いており,攻守どちらにおいてもOCG以上の汎用性の高さを発揮している。どのデッキでも活躍する利便さから,2018年6月26日にLIMIT2カードへと規制された。デュエルリンクスを象徴するカードと言ってもいいかもしれない。

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速攻魔法は手札に抱えてバトルフェイズに突入すれば,次の相手ターンで使えず,メインフェイズ1でセットすると,そのターンのバトルフェイズで使えないというジレンマが発生する
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例外はあるが,OCGは魔法・罠のセットをメインフェイズ2で行うのがセオリー。デュエルリンクスでついついメインフェイズ1で魔法・罠のセットを忘れて,ターンを終えてしまったOCG経験者は多いのでは?


忘れられない「カラテマン」の衝撃


 さて,OCGとデュエルリンクスのルールやカードプールの違いを説明してきたが,筆者には,そんなデュエルリンクスの魅力に気づかされたあるデッキとの出会いがある。そのデッキとは,胴着に身を包んだアフロヘアーが一撃にすべてを込めてぶちかます「カラテマン」デッキだ。

「カラテマン」。アフロヘアーとバックにある「花鳥風月」の文字が強烈
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 「カラテマン」デッキは,元々の攻撃力の倍になる効果を持つ「カラテマン」,攻撃力1000以下のモンスターが直接攻撃可能になる「財宝への隠し通路」,モンスターの攻撃力を500下げて,2回攻撃できるようにする「閃光の双剣−トライス」の3枚を用いて1ターンで相手のライフを削り取る爆発力の高いデッキだ。最初期において猛威を振るったデッキの1つで,デュエルリンクスプレイヤーならご存じの人も多いだろうし,未プレイでも耳にしたことのある人もいるだろう。

基本的な流れは,まず「カラテマン」を召喚して,「財宝への隠し通路」と「閃光の双剣−トライス」を発動,カラテマンの攻撃力を500にダウンさせ,2回の直接攻撃が可能な状態にする。その後,カラテマンの効果で自身の攻撃力を元々の攻撃力の倍の値2000にし,直接攻撃を2回たたき込む
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 ここで強調しておきたいのは,“カラテマンは決してOCGにおいて大きく注目されたことがあるカードではない”ということだ。確かに見た目のインパクトは強烈だが,その活躍はどちらかといえば地味なカードの1枚だった。

 そんなOCGではあまり活躍できなかったカラテマンが,デュエルリンクスのライフ4000制を生かして華麗なコンボを決め,脚光を浴びているのだ。筆者は「あのカラテマンが!」と当時感動すら覚えたし,OCGを知る友人もこぞって「デュエルリンクスではカラテマンがめちゃくちゃ強いらしいぞ!」と興奮気味に話していた。

 その後カラテマンは「クリボール」などの攻撃を妨害するカードが普及していくとともに,勢いを落としていくのだが,こういったOCGでは目立たなかったカードが活躍することも特徴で,OCGを知るプレイヤーには特に魅力的に映る楽しみの1つだ。

現在はキーパーツ「財宝への隠し通路」がLIMIT2カードに規制され,構築が難しくなっている
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現在の対戦シーンで強いデッキは? WCS2018で活躍しそうな4つのデッキ


 OCGとは環境の違うデュエルリンクスだが,現在の対戦環境では何が流行しているのだろうか。ここでは,ランク戦の人気カードランキングや,筆者がランク戦の7月1日〜8月6日シーズンで「デュエルキング」になるまでに対戦したデッキの傾向などを踏まえて4つのデッキを紹介していこう。

・「空牙団」デッキ
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 「空牙団」は,2018年6月に発売されたミニBOX「クラッシュ・オブ・ウィングス」で初登場したカテゴリだ。OCGでの初登場は2018年2月の「デッキビルドパック ダーク・セイヴァーズ」で,遊戯王の長い歴史の中でも新しめのカテゴリである。

 手札から「空牙団」モンスターを次々に特殊召喚できる展開力と,味方の特殊召喚をトリガーにした効果で戦っていくのが特徴で,7月中旬現在最もランク戦で流行しているデッキだ。

 「空牙団の撃手 ドンパ」,「空牙団の飛哨 リコン」といったカードの効果でフィールドのカードを破壊しつつ,「空牙団の剣士 ビート」の効果でデッキから手札に加えた上級モンスターを展開して相手を攻め立てるのが強力だ。また,魔法・罠が強力な現環境では,「空牙団の叡智 ウィズ」を展開すると相手の動きを鈍らせられ,制圧力にも優れている。
 ギミックのメインとなるキーパーツにも規制がかかっていないため,LIMIT2カードの「エネミーコントローラー」を気兼ねなく搭載できるのも追い風だ。

「空牙団」は下級モンスターからの展開力と,「空牙団の叡智 ウィズ」による制圧力を兼ね備えている
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 ひとたび展開すれば強力な空牙団だが,展開の初動となる下級モンスター召喚時に「バージェストマ・カナディア」を使われたり,「禁じられた聖杯」で効果を無効にされたりすると何もできずに負けてしまうこともある。

・「アマゾネス」デッキ
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 原作漫画「遊☆戯☆王」において孔雀 舞が「ハーピィ」と共に使用していたテーマで,今回紹介している4つのデッキの中で最も歴史が古い。戦闘を介して効果を発揮する「アマゾネス」モンスターと,それをサポートする魔法・罠カードで戦っていくのが基本戦術。
 OCGでは,2002年9月に発売されたパック「黒魔導の覇者」で本格的にカテゴリ化された。以後,長いインターバルを挟みつつ,ちょこちょこと新規カードが収録されている。

 一方のデュエルリンクスでは,メインBOX「ヴァリアント・ソウル」で「アマゾネスの急襲」が実装されたことにより頭角を現した。
 OCGは,カードの除去手段が豊富なため,サポートカードを破壊されたり,「アマゾネス」モンスターが戦闘できないままやられてしまったりすることが多かったが,除去手段が比較的限られているデュエルリンクスでは,流行デッキの1つになっている。OCGとの環境の違いにより躍進したデッキといえるだろう。

 何といっても「アマゾネスの急襲」が強く,手札から「アマゾネス」モンスターを特殊召喚する効果による展開補助,「アマゾネス」モンスターと戦闘を行ったカードを除外する効果による戦闘補助がこれ1枚で可能になる。「アマゾネス王女」の効果も便利で,好きな「アマゾネス」カードをデッキから手札に持ってきたり,容易にデッキから「アマゾネス女王」を特殊召喚できる。

3つの効果すべてがデッキとかみ合う「アマゾネスの急襲」
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 デッキ全体が「アマゾネスの急襲」に依存しているため,これを除去されると苦しい戦いを強いられる。特に再利用や墓地に送られたときの効果発動を許さない「コズミック・サイクロン」は要注意。

・「M・HERO」デッキ
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 速攻魔法「マスク・チェンジ」により呼び出される「M・HERO」を主軸にしたデッキ。
 OCGでは,「M・HERO ダーク・ロウ」の高い制圧力と,ランク4エクシーズモンスターで攻めることを主軸に置いたデッキが活躍した。
 デュエルリンクスでは,高い攻撃力を持つ「M・HERO 闇鬼」を主軸に据え,闇属性で構成された「D-HERO」と「マスク・チェンジ」を組み合わせたデッキが流行している。

 「マスク・チェンジ」がバトルフェイズ中に発動できる速攻魔法であることを生かして「M・HERO 闇鬼」を連続で特殊召喚し,一気に勝負を決めるのが得意戦術。瞬間的な火力は4デッキの中でもトップクラスで,対抗手段を相手が用意していなければ,一瞬で相手のライフポイントをゼロにできる爆発力を持つ。

「HERO」モンスターの攻撃後に「マスク・チェンジ」を使えば連続攻撃が可能。さらに1体目の「M・HERO 闇鬼」の攻撃でモンスターを破壊した後,自身の効果で「マスク・チェンジ」を手札に加える→「M・HERO 闇鬼」を対象に「マスク・チェンジ」を発動し,2体目の「M・HERO 闇鬼」を特殊召喚すれば,再度攻撃を行える
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 爆発力のあるデッキだが持久力には乏しく,3枚の「マスク・チェンジ」でいかに相手にとどめを刺すかが問われる。現環境では「空牙団の叡智 ウィズ」の魔法・罠を無効にする効果をいかに潜り抜けて「マスク・チェンジ」を通していくかが問われそうだ。

・「魔導書」デッキ
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 魔導書は2018年5月に発売されたミニBOX「ヴィジョン・オブ・アイス」で初登場したテーマだ。
 OCGでは2012年4月に「リターン・オブ・ザ・デュエリスト」で「魔導」モンスターが登場したことにより本格的にカテゴリ化された。超強力なカード「魔導書の神判」を携えて「征竜」デッキとともに一時代を築き上げた印象が強く残るデュエリストもいるだろう。

 デュエルリンクスでは「魔導」モンスターと「魔導書」で構築されたデッキのほかに,「沈黙の魔術師−サイレント・マジシャン」を主軸に置き,各「魔導書」カードでサポートしながら戦うタイプなどがある。

隣の芝刈り」で墓地にカードを落とし,「ネクロの魔導書」で上級魔法使いを蘇生してフィールドを制圧する爆発力の高いタイプが存在したが,スキル「リスタート」の調整が影響し,あまり見かけなくなった
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 このデッキは自分の墓地の「魔導書」魔法カードを3枚を除外することで,相手フィールドのカード1枚を除外できる魔法「ゲーテの魔導書」が超強力。
 「魔導書」はデッキから「ゲーテの魔導書」を手札に加える手段が豊富にあり,毎ターン発動できれば相手を完封できることも。逆に言えば,「魔導書」側はいかに毎ターン「ゲーテの魔導書」を確保できるかで相手にかけられるプレッシャーが変わってくる。

「ゲーテの魔導書」の効果3つはいわゆる“対象を取らない効果”。除外する効果に「マスク・チェンジ」などをチェーンされて不発にされるといったことも少ない
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 魔法カードを主軸とするデッキなので,魔法カードの発動を無効にされてしまうと辛い。現在の対戦環境だと「空牙団の叡智 ウィズ」や,「魔導書」デッキ同士の戦いで見られる「沈黙の魔術師−サイレント・マジシャン」が厄介か。また,「バージェストマ・カナディア」は罠カードなので,「沈黙の魔術師−サイレント・マジシャン」「サイレント・マジシャン LV8」が裏側守備表示になってしまううえ,「ゲーテの魔導書」の発動条件が満たせなくなる場合がある。

 WCS2018の「デュエルリンクスの部」は,すべて別のレジェンド(キャラクター)とスキルを使用した5つのデッキを用意して勝負を行い,5デュエル中,先に3勝したほうがマッチの勝者となるルールだ。

 原稿執筆中の7月中旬現在,ランク戦では「空牙団」が大流行しており,それに伴い,対策となる「バージェストマ・カナディア」「底なし落とし穴」「禁じられた聖杯」などのカードをデッキに入れる人たちが増えている。当然WCS2018でも,有力な仮想敵として対策されるはずだが,トッププレイヤーが現在の環境を踏まえ,どのようなデッキを使用するのか注目したいところだ。

ランク戦で使われている人気カードランキング。「空牙団」関連のカードのほかに,「空牙団」を止めるために有効な魔法・罠カードが上位に名を連ねている
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「Yu-Gi-Oh! World Championship 2018」特設サイト



WCS2018本戦出場プレイヤー,つんつん氏にインタビュー


 最後に,WCS2018に本戦出場する日本人プレイヤー,つんつん氏(Twitter:@tun4dd)へのメールインタビューを掲載しよう。つんつん氏は,YouTubeや,自身が持つDiscordのコミュニティなどでも精力的に活動しており,今回はWCS2018予選を突破したときに意識したポイントや,現状の対戦環境などについてを聞かせてもらえた。


―つんつんさんがデュエルリンクスを始めたきっかけをお聞かせください。

つんつん氏:
 始めようと思ったきっかけは,友人に誘われたからです。私の友人もそういった人が多いので,デュエルリンクスをプレイしている人は,ぜひともご友人を誘ってほしいです!

―過去にOCGをプレイしていたことはありますか。

つんつん氏:
 OCGはプレイしたことがありません。WCS2018が終わったあとに,時間を見つけて始めてみたいと思っていますが,まずはWCSで優勝できるように頑張ります。

―見事に今回WCS2018日本代表の座を勝ち取られましたが,予選ではどのくらいの時間をかけて何試合くらいをプレイされましたか。

つんつん氏:
 予選で使った時間はおよそ20時間ほどで,試合数は188戦になります。

―デュエルリンクスのような勝利ポイントを積み重ねていく形式は,OCGのようなサイドデッキありのマッチ制トーナメント大会を勝ち抜くのとは,異なる立ち回りが要求されると思います。上位に入るために苦労した点や,意識したポイントをお聞かせください。

つんつん氏:
 おっしゃる通り,デュエルリンクスの形式は,マッチ制のトーナメントとは違います。
 マッチ制の場合多くのプレイヤーは,メインデッキに自分のやりたい動きのできるカードをより多く採用し,サイドデッキに苦手なテーマのメタカードを多く入れているイメージがあります。一方デュエルリンクスのKCカップは,サイドチェンジの概念がない1本勝負です。
 なので,現在の環境を分析して流行のデッキを見極め,メインデッキから対策を講じて戦っていました。ただ,予選の開催期間中にもトレンドが変わるので,それに合わせて2,3枚カードを差しかえて対応していくことを常に意識してデュエルしていました。

―リミットレギュレーションの変更があった6月26日以降の対戦環境は「空牙団」「アマゾネス」「M・HERO」「魔導書」の4つのデッキが中心にあるように感じますが,現状をどう分析しておられますか。

つんつん氏:
 これから,対戦環境の中心は「空牙団」で,それに対抗できる「アマゾネス」が続く形になると思います。
 「M・HERO」は「空牙団」に若干相性が悪く,「魔導書」については,スキル「リスタート」が調整された影響でデッキの安定率が落ちました。なので,これからの使用率は減っていくのではないかと思います。

―7月9日には第13弾メインBOX「バーニング・ノヴァ」が登場しましたが,注目しているカテゴリやカードがあればお聞かせください。

つんつん氏:
 13弾で登場したカテゴリでは「電池メン」が,流行のカテゴリに対抗できるデッキになり得ると考えています。

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―好きなデッキやお気に入りのカードがあれば教えてください。

つんつん氏:
 初めてKCカップで入賞できたときに使っていた「忍者」は特に思い入れが強いです。ほかには「墓守」「ダーク・ネクロフィア」といったデッキも好きですね。

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―これからデュエルリンクスを始めようと思っている人や、現役プレイヤーで「勝ちたい!」と思っている人にアドバイスがあればお聞かせください。

つんつん氏:
 積み重ねが大切です。一度に上手くなろうとすると挫折してしまうと思うので,少しずつ楽しみながらがんばっていくことが大事だと思います。

―最後にWCS2018に向けて意気込みをお願いします。

つんつん氏:
 日本を代表して頑張ります。そして優勝します!

―2018年7月11日実施

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