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[TGS 2017]中国が日本のアプリ市場を狙いたい理由とは―KONGZHONGのステージイベント“中国ゲーム市場解体新書”をレポート
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印刷2017/09/25 13:19

イベント

[TGS 2017]中国が日本のアプリ市場を狙いたい理由とは―KONGZHONGのステージイベント“中国ゲーム市場解体新書”をレポート

 東京ゲームショウ2017の2日目となる2017年9月22日,KONGZHONGブースにて,日中におけるゲームビジネスを題材にしたステージイベント「中国ゲーム市場解体新書」が開催された。

 本イベントでは,日本と中国のゲームビジネスシーンにフォーカスし,最新の中国スマートフォンゲーム市場の動向について語る,トークセッションが行われた。会期1日めは「日本産タイトルの中国市場攻略法」を題材に,日本から見た中国市場の様子が語られたが,本稿では2日めのテーマ「躍進する中国産タイトルの日本市場進出を語る」の模様をお届けしよう。

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 ステージの開始に先駆け,まずは本イベントを主催するKONGZHONG JP(コンゾン・ジャパン)より,代表取締役の楊 彬氏,執行役員の木村 優氏が登壇し,同社の動向が紹介された。KONGZHONG JPはTGS 2017で,新作アプリ「クレイドルクロニクル」「R.E.D」「ラストエピック」「サンゴクラッシュ」※1)を出展していた。2018年上旬にはさらなる新作として,「風の旅団」「天命伝説」※2)をリリースする予定とのこと。
※1,※2:いずれのアプリもiOS,Android向けに配信される予定


(写真左から)楊 彬氏,木村 優氏
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 両名が降壇した後,壇上にはApp Annie JapanのSenior Business Development Managerである上村洋範氏,崑崙日本 副社長の北阪幹生氏,Snail Games Japan 代表取締役の後藤智子氏,KONGZHONG JP シニアマネージャーの小林 崇氏の4名と,モデレーターを務めるSocial Game Info 編集長代理の達川能孝氏が姿を見せた。

(写真左から)上村洋範氏,北阪幹生氏,後藤智子氏,小林 崇氏
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 まずは本題の前に,昨今のアプリ市場に対するApp Annieの見解が上村氏より説明された。会場のスクリーンに表示された“アプリ市場の成熟期”と題したグラフによると,アプリ配信後の一般的な推移は「ダウンロード数が先行し,その後にユーザー数が追い付いて,最後に収益が伸びてくる」という流れになるらしい。

 日本のダウンロード数の伸びについては徐々に鈍化してきており,いずれは成熟期が過ぎて,減少が始まるとのこと。実際,現時点でも微減の傾向を見せているのだとか。
 ほかにも,日本におけるアプリ利用時間は世界トップクラスでありながら引き続き伸長すること,トップ10%のプレイヤーは1日3時間をゲームに費やすこと,全体収益は引き続き成長すること,しかし一部のトップゲームがそのシェアを大きく占めると説明した。

 日本市場におけるトップゲームのシェアは,市場全体の4割を占めている。これについて上村氏は「独占まではいかないけれども,すでに寡占状態にある」と述べた。

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 そんな日本のゲームアプリ市場だが,海外から見ても問題が浮かんできている。それは日本市場が海外パブリッシャにとって,入り込みにくい環境であるということだ。上村氏によれば現在の日本市場は,国産ゲームのシェアが7割を超えている。必然的に,海外のゲームアプリが日本のユーザーに行き渡っていないということでもある。

 しかし,日本における中国のゲームアプリの事情はそれとは異なる。日本のセールスランキングTOP100に入り込む本数は年々着実に増加しており,同時に収益も伸ばしているというのだ。分かりやすいタイトルとしては,「THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCH Online」iOS / Android),「陰陽師」iOS / Android),「崩壊3rd」iOS / Android)などがそうだろう。

 この要因について北阪氏は,「元のゲームの良さを信じて,日本を特別視しないことが一番成功する確率が高い」とコメントした。パブリッシャは海外のゲームアプリを日本に輸入する際,よくカルチャライズに力を入れたがる。それらは言語やボイス,ゲームシステムにも及ぶが,ほとんどはやりたいことだけが増えるだけなので,最低限の改修に留めておくのがいいらしい。

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中国産ゲーム,ヒット続出の要因とは


 トークテーマその1は「中国産ゲームが近年ヒットを続出している要因」だ。

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 後藤氏はこのテーマについて,開発スタッフと個人的に交流があるという「崩壊3rd」を例に挙げる。本作は,日本のオタク文化が大好きな3人の開発者によって設立されたmiHoYoが制作したタイトルである。同社の社風は良くも悪くも,オタク要素が非常に強いのだとか。

 「崩壊」シリーズは,これまで2作め(邦題:崩壊学園,中国名:崩壊学園2)と3作め(崩壊3rd)が日本でリリースされている。中国では1作め(崩壊学園)も配信されており,ゲーム内容が好評を博していたものの,アプリ内課金がなかったために,同社は収益を得られなかったというのだ。そして会社存続のため崩壊学園2の制作に着手したところ,シリーズの評判も順調に上がっていった。

 miHoYoの創業者達はこれに関して,「自分達が作りたい世界観を作ったら,それがユーザーに受け入れられた」と後藤氏に語ったようだ。2作めも3作目も中国ではほとんど広告を打たなかったが,それに反してユーザーからの反響は非常に強かった。これは中国においては,ほぼ前例がないことだという。金稼ぎのためではなく,理念を貫いてゲームを作りたい人にとっては,なんとも夢がある話である。同時に,元のゲームの良さを信じて提供したことが,日本で成功した例である。

 一方,日本のゲーム会社から中国のゲーム会社へと移った小林氏は,当時,ゲームアプリを運用するとき,さまざまな面でそれぞれの国にある障壁を感じたという。しかし「日本で成功している方法を端から試す」ことを決め,日本で盛んな他社コラボなどを中国でも推進したと話した。

「Goddess」は濃いめのグラフィックス,PCオンラインゲームに相当する内容から,日本で売れるのかを長く議論したという,その後,大きなカルチャライズはせずに配信したところ,ヒットした。勝因はゲームの良さをそのままにしたことだった
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「戦乱アルカディア」は中国では成功しなかったらしいが,韓国では大きな成果を出しという。その後,日本では初動でサーバーの不具合に見舞われたが,それらを解決しつつ,コンテンツを盛り込む大型アップデートと集中的な広告展開で盛り返した
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中国企業にとって,日本市場はなぜ進出するべき場所なのか


 トークテーマその2は,「中国企業にとっての日本市場と,今後も進出タイトルは増えるのか」だ。

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 最初に結論を言うと,中国からの進出タイトルが減ることはないという。そのうえで,なぜ中国のゲーム会社が日本市場に参入するのかというと,答えは実に明確であった。下に掲載した表は,中国のゲームアプリの全世界におけるダウンロード数と収益のランキングを示したものになる。ダウンロード数は,アメリカ,インド,ブラジルなど人口の多い国が上位にランクされているものの,収益に関しては1位のアメリカに続き,2位に日本が入っている。

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 ダウンロード数は圏外なのに,収益は非常に高い。そのため,中国のゲーム会社は日本のマーケットに大きな魅力を感じ,ファーストローンチではなくとも,十分なリソースが溜まったタイミングで日本に乗り出すことが多いのだ。数は少なくとも,質の高いユーザーによって支えられている日本市場は,海外デベロッパにしてみれば桃源郷なのだろうか。

 ステージの最後に小林氏は「崩壊3rd」を例に挙げ,「今後は中国のゲームアプリが“日本のユーザーに中国のゲームアプリだと気付かれない”レベルで浸透していくと思います」と述べた。現在,中国は人口の多さに比例して,開発現場に投入できる技術者の数も桁違いに増えてきたという。“日本で2年かかるゲームを,中国では1年で作れる”といった開発力の現状も,「崩壊3rd」のように日中の国境を越えて愛されるゲームが出てきたことも,氏の考える未来に向かっていることの表れなのかもしれない。

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コンゾン・ジャパン公式サイト


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