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筆者も,指定された車種とサーキットで,1周の速さを世界中のプレイヤーと競う「ラップタイムチャレンジ」をプレイし続けている。
始めた頃は何日もかけてプレイし,最終的に100回以上も挑戦してシルバークラス(世界トップタイムの105パーセント以内)に滑り込むのがやっとだったが,最近は1時間ほどプレイすればシルバーに入れて,相性がいいサーキットや車種であればゴールド(世界トップタイムの103パーセント以内)も狙えるようになった。
だが,105パーセントにしても103パーセントにしても,タイムにすれば世界トップとは1周で秒の差がつくので,仮にレースをしたらまったく相手にならない。同じ車をドライブしているのに,なぜそこまで差がつくのか?
その答えを見つけられそうなのが,2025年12月配信の大型アップデート「Spec III」で実装された「データロガー」だ。これはリプレイデータから走行ラインやギア,スロットル(アクセル)開度やブレーキングの強さなどを分析できるもので,ほかのプレイヤーのデータとの比較も可能となっている。一流と凡人の差はどこにあるのか,探ってみた。
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そもそも,差がついているのはどこなのか?
ラップタイムチャレンジでは,プレイヤーが自身のリプレイデータを公開できる。ほかのプレイヤーはそれをダウンロードし,「ゴースト」として活用できる仕組みだ。
筆者もランキング上位のゴーストデータをお手本にするのだが,意外に「大きく差がつくところ」が分かりづらい。多かれ少なかれどのコーナーでも差があり,ゴーストがどんどん離れていってしまうし,設定によっては位置がリセットされてしまうからだ。
また,場合によっては“ゴーストとの差を詰めていることが離される原因”になっていることもある。例えば,「コーナー進入時のブレーキングで差を詰めた」と思っても,それは自分のブレーキタイミングが遅すぎる,あるいはゴーストがコーナーの立ち上がりを重視し,あえて早めのブレーキングしているから……といった具合だ。
データロガーの「車速とギャップ」では,サーキットの同一地点での2車の速度を比較できるので,どこで差がついているかが把握しやすい。「一瞬だけ自車の速度がゴーストを上回っても,その後で一気に差をつけられている」といったこともひと目で分かるのだ。
まずはこのデータを確認して,修正すべきところを洗い出すといいだろう。
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トップランカーのライン取りはエグい
データロガーの中で筆者が最も役立つと感じているのは,走行ラインのデータだ。
カーレースにおけるコーナリングの基本に,コースの外側から入り,コーナー内側の頂点をかすめて,再び外側へ向かって抜けていく「アウト・イン・アウト」がある。また,連続コーナーでは,2つのコーナー内側の頂点を結ぶように直線的にクリアすることも必須のテクニックだ。
筆者もそれは分かっているつもりだったのだが,データロガーで走行ラインを確認してみると,その無駄の多さに愕然とした。特に視点が低い車の場合,自分が持っているイメージと実際のラインにずれが生じやすいとは思うのだが,ここまでとは……。
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さっそくラインを修正してみるのだが,そうすると別の問題が発生。当たり前といえば当たり前なのだが,トップランカーの走行ラインはギリギリを攻めているので,そこから少しでも外れてしまうと,車がコースからはみ出してしまったり,壁をこすってしまったりでミスになる。そう簡単には真似できないのだ。
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シフトアップでも差がついている?
データロガーでは,シフトチェンジのタイミングも確認可能だ。ほかのプレイヤーのデータと比較して「このコーナーは3速に落としてクリアしていたけど,4速でもいけるのか」といったことが分かる。
だが,そういった情報は,プレイヤーがSNSなどにアップする動画などでも確認できていた。データロガーで筆者が気づいたのは,ストレートなどでのシフトアップのタイミングだ。
筆者はエンジンの回転数がレッドゾーンに入り,インジケーターが水色に点滅するタイミングでシフトアップしていた。点滅はシフトチェンジを促すものなので,大きく間違ってはいないはずだが,トップランカーのシフトアップはそれより少し早いようだ。
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気になっていろいろ調べてみると,車種によってはレッドゾーンまで引っ張らずにシフトアップしたほうがいいらしい。セッティング画面に表示されるグラフを確認し,トルクと出力の双方が高い回転域を使うと,よりスムーズに加速できるという。
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「0.5秒早くシフトアップすればタイムが0.5秒短縮できる」といったものではないので,筆者レベルではなかなか違いが分からなかったが(ほかの条件を揃えてタイムを計測しようにも,ドライビングが安定しないので条件を揃えられない),1000分の1秒を争うトップランカーにとっては,大きな差になるのかもしれない。
微妙なスロットル&ブレーキング調整が大きな差に
データロガーではスロットル(アクセル)やブレーキのデータも確認できるが,操作が多いぶん,グラフが込み入りがちなので,セクター(サーキットの一部区間)ごとに走りをチェックできる「サーキットエクスペリエンス」でデータロガーを使ってみた。比較対象は,プレイヤーのお手本となるデモランだ。
鈴鹿サーキットで試してみたところ,大きな差が出たのは,最終コーナー手前にあるシケイン(クランク状の連続コーナー)だった。
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筆者は1つ目のコーナーをクリアしたあと,一瞬だけスロットルを全開にし,すぐに軽くブレーキングして2つ目のコーナーをクリアしている。だが,デモランは1つ目のコーナーのあと,ブレーキを踏まずに,微妙にスロットルを開け閉めしてスピードを調節し,クリアしているのだ。
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ブレーキング自体にも大きな違いを確認できた。オートポリスインターナショナルレーシングコースのヘアピンで取ったデータだと,デモランはコーナー進入時にブレーキングしたあと,コーナーの頂点に達するまで,徐々にブレーキを離していることが分かる。
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これは車体前方に荷重をかけ,タイヤを路面にしっかり食いつかせたうえでコーナリングする「ブレーキ残し」という技術。筆者もブレーキ残しをしているつもりだったのだが,デモランに比べるとまだまだ残しきれてない。
車によって異なる“理想の走り”を見つけだそう
データロガーを使ってみると,ライン取りにしろ,ブレーキングにしろ,「できていると思ったことができていない」ことがはっきりした。「なぜ速くならないのか?」と悩んでいる人にとっては,その原因を探る絶好のツールになるだろう。
「グランツーリスモ7」は収録車数が多く,それぞれの特徴がしっかり再現されているので,走り方も車によって変わる。車の数だけ理想の走りがあるのが,本作の魅力といえるだろう。その魅力をより深く楽しむためにも,データロガーは役立つはずだ。






























