大変革の大型アップデート「EPISODE3」の詳細が明らかになった「ファンタシースター感謝祭2014」札幌会場をレポート。「ファンタシースター ノヴァ」の実機プレイも披露

　2014年7月26日，セガはオンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」（PC/PS Vita。以下，PSO2）のオフラインイベント「ファンタシースター感謝祭2014」を北海道札幌市の札幌コンベンションセンターにて開催した。

　全国各地を巡るこのイベントも，今回で4会場めとなる。あいにく小雨がぱらつく空模様ではあったが，札幌会場にも大勢のファンが詰めかけ，次々と明かされる最新情報やタイムアタック大会「アークスグランプリ」の熱戦を楽しんでいた。
　本稿では，「PSO2放送局」のステージで発表された大型アップデート「EPISODE3」の詳細などをレポートしていく。なお，「アークスグランプリ」札幌大会予選の模様は，「こちら」の記事で紹介している。

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「ファンタシースターオンライン2」公式サイト

「ファンタシースター ノヴァ」公式サイト

「ファンタシースターオンライン2 es」公式サイト

「ファンタシースター感謝祭2014ONLINE後編」の

最新情報が明らかに

　今回の札幌会場では発表内容が多かったためか，「PSO2放送局」のステージは3部構成で行われた。
　第1部では，2周年記念アップデート「ファンタシースター感謝祭2014ONLINE後編」と，8月16日に東京・有明コロシアムで開催される「ファンタシースター感謝祭2014」決勝会場におけるグッズ販売に関する情報が明かされた。

「PSO2放送局」のステージに登壇したのは，（前列左から）「EPISODE3」ディレクターの菅沼 裕氏，PSO2シリーズプロデューサーの酒井智史氏，声優の会 一太郎さん，「PSO2放送局」パーソナリティの桃井はるこさん，声優の榎本温子さん，PSO2シリーズディレクターを務める木村裕也氏，（後列左から）「アークス候補生」の高野麻里佳さん，小原莉子さん，高木友梨香さん

　まずはPSO2シリーズプロデューサーの酒井智史氏から，同作の国内ID数が350万を突破したことが報告された。氏によると，2013年7月に300万IDを突破してから約1年で50万以上の増加があったという。これを受け，8月6日から記念キャンペーンが開催される（関連記事）とのことで，「皆さんのおかげです。ありがとうございました！」と酒井氏が感謝の言葉を述べると，会場からは暖かい拍手が巻き起こった。

　8月中旬に実装されるアップデート「ファンタシースター感謝祭2014ONLINE後編」では，8月27日までロビーが「サマーロビー」仕様になり，期間限定の緊急クエスト「ビーチウォーズ2!」が登場する。夏の海を舞台に小島をカタパルトで巡る爽快な内容になっており，お馴染みのNPCと水着で共闘できるのも見所の1つだ。
　また，ライトノベル「魔法科高校の劣等生」とのコラボでは，新たなACスクラッチ「イレギュラーズサマー」で司波達也や深雪のコスチューム，髪型，武器迷彩が登場。さらにサマードレスや水着といったコスチュームも追加される。


　なお，「ファンタシースターオンライン2 es」（iOS/Android）も8月に「EPISODE3」に対応するとのことで，「デュアルブレード」や「ジェットブーツ」などの新武器が実装されるという。


　続いて，「ファンタシースター感謝祭2014」決勝会場において，コスパの最新グッズが限定・先行販売されることが発表された。決勝会場限定のうえ，数が限られているので，入手したい人は覚えておこう。


　オリジナルデザインのOTPトークンは，決勝会場にて1556円（税抜）で先行発売される。ワンタイムパスワードを生成してくれるセキュリティグッズで，「パスワードボックス」（ルームグッズ），「FUN1000獲得チケット」「ハーフドール」といったゲーム内の特典アイテムが同梱される。パスワードボックスは，箱の中にアイテムを入れ，パスワードで鍵を掛けられるという遊び心溢れるルームグッズだ。


　PSO2では初となるキャラクターソングCD「『PHANTASY STAR ONLINE 2』キャラクターソングCD〜Song Festival〜」も，8月27日の一般発売に先駆けて決勝会場で先行発売される。価格は2800円（税抜）で，特典アイテムとして「＊シンガー・マイク」（武器迷彩），「CDパッケージマット」などを同梱。収録されているミニドラマでは，「なぜPSO2のキャラクター達が歌うのか」という疑問も明かされるとのこと。


　2015年には，原型師である浅井真紀氏のデザインによる男女キャストがゲーム内に登場することが決定した。女性キャストについては，コトブキヤからプラモデルも発売される。浅井氏といえば，フル可動のガレージキット「PSOレイキャシール」で話題となり，アクションフィギュア「figma」にも携わる原型師で，大いに期待したいところだ。

「ファンタシースター ノヴァ」の実機共闘プレイでは

大迫力のバトルが展開

「ファンタシースター ノヴァ」プロデューサーの都築靖之氏（左），同ディレクターの山下浩平氏（右）

　「PSO2放送局」第2部では，PlayStation Vita用ソフト「ファンタシースター ノヴァ」の実機プレイが披露された。
　本作は，PSO2と同じ世界観を共有するアクションRPGで，フォトンが使えない「惑星マキア」に漂着したアークス達が謎の巨大エネミー「ギガンテス」に立ち向かう物語が描かれる。すでにお伝えしているとおり，発売日は11月27日に決定。価格は5980円（税別）で，PlayStation Vita TVにも対応するとのことだ。
　ステージには，同作のプロデューサーを務める都築靖之氏とディレクターの山下浩平氏が登壇。PSO2シリーズディレクターの木村裕也氏，声優の榎本温子さんと会 一太郎さんを迎え，「バトル体験版」による“共闘”プレイを披露した。


　パーティはお馴染みのハンター，レンジャー，フォースに新クラスの「バスター」を加えた構成となった。バスターはギガンテスと戦うために創設された新クラスで，専用武器「パイル」をはじめとしたすべての武器を使えるという。
　巨大なパイルで敵を突きまくる戦いぶりは実にパワフル。パイルから炎が吹き出す技もあり，かなり豪快に戦えるクラスのようだ。

「CHAIN」の数字は攻撃がヒットすると上昇し，それにつれてプレイヤーの攻撃力も上昇していく

　木村氏が一度ダウンしてしまうというハプニング（？）はあったものの，無事にパーティはギガンテス「アグリオス」と遭遇。アグリオスは恐竜に大砲が加えられたような姿をしており，「雲を衝くような」という表現がピッタリの巨体を誇っている。

　重量感溢れる動きはとても迫力があり，普通に戦ったのでは攻撃が届きそうにないが，そこで活躍する武器が「ヘイロウ」だ。ヘイロウは自動追尾する光輪を自分の周囲に発生させるほか，空中に足場を作ることもできるので，うまく足場に乗って攻撃するという戦法が紹介されていた。


　都築氏が操作するバスターが，ヘイロウの足場を活用したパイルの攻撃でアグリオスをダウンさせると，その頭部に「最弱点」が出現。すかさず，パーティ全員で集中攻撃を仕掛け，見事に倒すことに成功した。


　気になる操作性については，榎本さんと会さんによると，PSO2のPS Vita版と同じような操作感覚で，PSO2のプレイヤーならすぐに馴染めるだろうとのこと。また，PSO2と同じ効果音が採用されているなど，同シリーズのプレイヤーを強く意識したものであるようだ。
　なお，「バトル体験版」は「ファンタシースター感謝祭2014」の名古屋会場と決勝会場で試遊可能だが，「8月のどこか」（都築氏）というタイミングでPlayStation Networkにて配信される予定となっている。

「EPISODE3」の実装は8月27日に決定

　「PSO2放送局」第3部では，さまざまな改善と職業のバランス調整というPSO2のプレイヤーが最も関心を寄せていると思われる情報が公開された。
　まずは，これまで「8月下旬」とアナウンスされていた「EPISODE3」の実装日が8月27日に決定したことが明かされ，続いてロビーのリニューアルやインタフェース，キャラクタークリエイト，プレイヤー＆クエストといった要素の改善が発表された。

●ロビーのリニューアル
　ショップエリアが南国風に，ゲートエリアが空港風になり，各所にカタパルトが追加されて移動が楽になる。また，ロビーマップが実装され，初心者でも迷わないようになるという。緊急クエスト時には，ロビーが真っ赤な警告表示で埋め尽くされるような緊迫感溢れる演出も追加されるとのこと。


●インタフェース改善
　スクラッチの景品とユーザーショップの検索時に試着（プレビュー）が可能になるほか，自分と同じ性別のヘアスタイル，コスチューム，アクセサリー，フェイスペイント，ロビーアクションもプレビューできるようになる。
　オーダーアイテムの説明に関しては，依頼者や再受注の可否などの詳細情報が表示されるとのこと。また，シンボルアートのスタンプはキャラクター24個と記号16個の計40個が追加される。
　HPやPPをキャラクターの頭上に表示できるようになり，チャットの背景色は発言先に応じて変更される。なお，HPとPPの表示については，プレイヤーが画面中央に集中できるというメリットがあり，チャットの背景色の変更は発言を“誤爆”するのを防止する意味合いがあるとのこと。


●キャラクタークリエイト改善
　4つめのアクセサリーが装備可能になり，細かい位置調整もできるようになる。。また，男女に「スッキリ顔」が追加され，体型調整時に服が脱げなくなる。なお，これらの機能はすべて無料で提供されるという。また，イヤリングなどのセットになっているアクセサリーを位置調整で動かしたときの挙動に関しても，随時改善が行われるとのことだ。


●プレイヤーキャラクター＆クエスト改善
　キャラクターがダッシュしたときの速度が，従来の約1.35倍にアップする。いわゆる「4連ステップ」と同程度とのことだが，初速は4連ステップのほうが速いという。
　また，「おすすめクエスト」機能が追加される。日替わりで選ばれたおすすめのフィールドで「ブーストオーダー」を達成すると，トライブーストの効果が得られる。これを毎日繰り返すと，ブースト率が最大30％までアップするとのことだ。
　同じく追加される「マイセット装備」は，よく使う装備やユニット，PA，マグ，武器迷彩などの組み合わせを登録しておけば，瞬時に装備変更ができるというプレイヤー待望の機能だ。発表時には会場から大きな歓声が上がっていたのが印象的だ。組み合わせは10パターンまで登録可能で，自分で名前を設定することもできるとのこと。
　「PSE」に関しては，これまでよりも予兆が分かりやすくなり，効果が上方修正される。ドロップアイテムに特定属性が付きやすくなる「〜ボーナス」に関しては撤廃されるとのこと。また，緊急クエストの1エリアめが廃止されてマルチパーティーエリアに合流しやすくなるほか，市街地緊急クエストが「市街地奪還作戦」としてリニューアルされる。

そのほかの改善点。かなり細かい部分にまで調整が加えられるようだ

徹底したバランス調整で新たな世界が広がる

　今回，最も注目を集めていた発表が既存クラスのバランス調整である。
　菅沼氏によると，現在のPSO2には「近接クラスの戦闘能力が低い問題」「フォトンアーツ（PA）/テクニックの強さに偏りがある問題」「スキルツリーの選択肢が狭い問題」があるという。
　こうした問題の解決を図るべく，「EPISODE3」では近接クラスの殲滅速度が最も速く，遠距離クラスは特化することで近接クラスに匹敵できるバランスとなり，PAやテクニックに関しては状況に応じて使い分けることが最適になるように調整される。また，同じクラスでもスキルツリーの構成で大きな違いが出せるようになっていくとのことだ。

●近接クラスの戦闘能力が低い問題
　すべてのスキルとPA，テクニックの威力を見直し，とくに近接クラスの威力がアップする調整が行われる。打撃系のモーション速度がアップし，一部の射撃系は操作感が改善されるようだ。


●PA・テクニックの強さに偏りがある問題
　菅沼氏によると，これまでは新しいPAやテクニックは強いが，昔のものは弱かったり使いどころが限られていたりする問題があったという。
　今回の調整では，ほとんどのPAやテクニックが上方修正の恩恵を受けることになる。PAは120種中の105種，テクニックは42種中の28種がそれぞれ上方修正され，下方修正は「コスモスブレイカ―」「サテライトカノン」「イル・メギド」「イル・バータ」「イル・グランツ」のみ。下方修正となるものでも，たとえばサテライトカノンは攻撃判定の発生が下から上になり，ヘッドッショットの恩恵が受けられるようになるなど，単純な弱体化に留まらない修正になるようだ。
　また，PAやテクニックのレベル1〜15の威力を引き上げ，レベル16でいきなり強くなることがないような，なだらかな上昇曲線を描くようにするとのこと。こうした状況が起こった原因について，菅沼氏は「『シュンカシュンラン』の調整を行わず，新たなPAやテクニックの威力をこれに近づけようとしたため」であると分析しており，今後はその傾向を修正していくと述べていた。


●スキルツリーの選択肢が狭い問題
　「ステップアタック」などの基本的なスキルを最初から習得した状態となるほか，スキルツリーの構成が個性を出しやすいものに変更される。また，これまで多くのSPを振り分けないと効果が出なかったスキルは必要なSPが引き下げられる。これらの変更により，同じ職業でも個性が出やすくなり，余ったSPでさまざまな選択肢を試せるようになるという。なお，「EPISODE3」実装後にリセット用アイテムが配布されるとのことだ。


　続いて，既存クラスの変更点が発表された。いずれもクラスの特色を前面に打ち出し，それぞれの役割を明確にする方向で調整されているようだ。

●ハンターのバランス調整
　ハンターは防御系スキルの上方修正が行われ，盾役として強化されるようだ。攻撃モーションの高速化については，とくに「パルチザン」において著しいとのこと。



●ファイターのバランス調整
　攻めのエキスパートとしては火力や性能が足りないということで，「攻めのファイター」「守りのハンター」という方向性で差別化が行われる。「ナックル」以外の武器で攻撃モーションが高速になり，「ツインダガー」で連続スピンが可能になるなど，かなり細かく調整されるようだ。高度制限に関しては，既存エリアが10メートル程度だったものが，白ノ領域では15メートルほど飛べるようになる。このほかのエリアも順次緩和が行われていくとのことである。
　新スキルの「リミットブレイク」は，効果が「〜スレイヤー」スキルにも適用される。なお，「〜スレイヤー」自体も上方修正が行われる予定で，その攻撃力が楽しみなプレイヤーも多いのではないだろうか。


●ブレイバーのバランス調整
　ほかのクラスと比べると，ブレイバーの変更点は少なめだ。「アベレージスタンス」「ウィークスタンス」の上方修正が行われるほか，「ウィークスタンス」は弱点以外へのダメージが減少するデメリットが各レベルにおいて95％に統一される。この変更で「サブクラスにブレイバーという選択肢が出てくるかもしれない」（菅沼氏）とのこと。


●レンジャーのバランス調整
　これまでは消費アイテムとして購入していた各種トラップだが，EPISODE3以降は純粋なスキルとなり，使用後に10〜15秒経過すると再び使用できるようになる。
　新スキル「バレットキープ」は，アサルトライフルやランチャーで「ウィークバレット」「ジェルンショット」をチャージ後，ほかの武器に持ち替えても状態がキープされる。なお，強力だった「ウィークバレット」は下方修正されるが，「ウィークヒットアドバンス」やツール系スキルなどが上方修正されており，「レンジャー単体で弱くならないように」（菅沼氏）という方向性で調整が行われるとのこと。また，「バレットキープ」「グラビティボム」を使うことで，戦術の幅が広がっていくそうだ。


●ガンナーのバランス調整
　瞬間火力が引き上げられ，これまでツインマシンガンの「スタイリッシュロール」が主体だったところに，チェイン主体の戦闘も可能になるという。「SロールJAボーナス」が200％から160％に下方修正されることも影響が大きそうだ。
　ただし，「ショウタイム」の効果時間が30秒から45秒になり，「ハイタイム」も上方修正されていることから，これらを組み合わせることで従来と同程度の火力が出せるとのこと。また，「トワイスチェイン」「チェインFボーナス」といったチェインに関するスキルが追加されることで，これまでとプレイ感が変わっているようだ。


●フォースのバランス調整
　フォースは「よりアクティブに，攻撃的になる」（菅沼氏）という。一時的に法撃力を上昇させる「フォトンフレア」の効果時間が30秒から45秒に伸び，リキャストが120秒から100秒に縮まるうえ，HP上限が下がるというデメリットがなくなるのだから変化は大きいだろう。
　新スキル「チャージエスケープ」は，チャージ中にエスケープしても状態を持続できるというもので，テクニックカスタマイズに関してはとくに変更はないとのことだ。


●テクターのバランス調整
　新クラスの「バウンサー」と同じくパーティ支援の能力を持つテクターだが，支援のスペシャリストとして差別化が行われるようだ。「ピンポイントに支援するバウンサー，まんべんなく強化するテクター。テクターがかけた支援をバウンサーが延長する」（菅沼氏）という方向性になるという。
　法撃爆発にはJAの効果が適用されていなかったが，これからはJAで威力がアップするようになる。また，「シフタストライク」は最終ダメージを強化するため，さらなる火力アップが可能に。


　既存クラスのバランス調整が発表された後，EPISODE3で新たに実装されるバウンサーの特徴も紹介された。

●バウンサーの特徴
　バウンサーは豊富なアクティブスキルを使いこなし，攻撃と支援の両方に活躍できるクラスだという。ボス戦では「ブレイクスタンス」で部位を破壊後，「エレメンタルスタンス」でたたみかけるといったようにアクティブに戦えるほか，「クリティカルフィールド」「エレメンタルPPフィールド」で仲間を支援することもできる。
　「スイッチストライク」は法撃のジェットブーツを打撃性能にして，打撃支援マグからの助けを得られるなどのメリットが得られるとのこと。また，「FBフィーバー」ではデュアルブレードから発射されるフォトンブレードの数が増えるようだ。


　PSO2に大きな変革をもたらすであろう発表が行われた今回のイベント。最後に菅沼氏が「今後追加するPAやスキルは単純にパワーアップするのではなく，クラスならではの戦術を広げ，新しい遊びができるものを提供していきます。ぜひご期待ください」と熱く語ると，会場のファンは大きな拍手と歓声で応えていた。

「ファンタシースターオンライン2」公式サイト

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