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[TGS2022]ものづくりへの考えが共通していたからNetEaseと歩むことに決めた――Quantic Dreamのキーマンに,NetEaseによる買収の経緯や両社の関係性,今後の展望を聞いた
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印刷2022/09/16 00:22

インタビュー

[TGS2022]ものづくりへの考えが共通していたからNetEaseと歩むことに決めた――Quantic Dreamのキーマンに,NetEaseによる買収の経緯や両社の関係性,今後の展望を聞いた

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 Quantic Dreamは,ゲームクリエイターで現在CEOとCreative Directorを務めるDavid Cage(デヴィッド・ケイジ)氏が1997年に立ち上げて以来,「Omikron: The Nomad Soul」「ファーレンハイト」「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」「BEYOND: Two Souls」,そして「Detroit: Become Human」をリリースし,プレイヤーやメディアから評価を得ているフランスのゲームデベロッパ/パブリッシャだ。
 芸術性の高い作風と物語性,最新技術を使ったグラフィックスを特徴とするQuantic Dreamが,NetEaseのグループ入りをしたことは,同社のファンならご存じのとおりだ(関連記事)。

 4Gamerは,開催中の東京ゲームショウ2022に合わせて来日したQuantic DreamのCo-CEO,Guillaume de Fondaumière(ギョーム・ド・フォンドミエール)氏にインタビューを行い,NetEaseによるQuantic Dream買収の経緯や両社の関係性,Quantic Dreamの今後などを聞いた。

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「Quantic Dream」公式サイト



4Gamer
 貴重な時間をいただきありがとうございます。さっそくですが,NetEaseによるQuantic Dream買収について,発表から2週間が過ぎましたが,ファンの反応はいかがでしたか。

Guillaume de Fondaumière氏(以下,Fondaumière氏)
 おおむねポジティブに受け止めてもらえていて,それはありがたい反応でした。と言うのも,今回の件は私達だけではなく,私達の作品のファンにとっても非常にいい話だからです。財政面でのバックアップによって,制作中の大型タイトルや,今後取り組むタイトルの開発などに,分かりやすくプラスになります。
 それは,私達の作品にとってだけではありません。私達は,才能あるインディーズゲームスタジオの作品を世に送り出すパブリッシャとしての役割も担っていますが,そうした作品にも良い影響を与えることになります。

4Gamer
 NetEaseとさまざまな取り組みを行ううえで,不安などはなかったのでしょうか。

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Fondaumière氏
 ええ。そもそも,これは最近になって降って湧いた話ではなく,およそ4年の歩みがあって実を結んだものですからね。ながらくPlayStationプラットフォーム向けにゲームをリリースしてきましたが,新たにパブリッシング事業を始めてすぐの2019年に,NetEaseと一部資本を提携してパートナーシップを組みました(関連記事)。その後,さまざまな形でやりとりを重ねる中,ものづくりの考え方や方向性,会社のビジョンなど,多くに共通するものがあったんです。NetEaseについては長年,信頼できるパートナーになってくれるだろうと感じており,時間をかけて今の関係に発展したわけです。

4Gamer
 なるほど。Quantic Dreamほどになると,ほかのメーカーからのコンタクトもありそうですが,共通した考え方を持っていたことが重要だったんですね。

Fondaumière氏
 そうです。確かにビジネスパートナーになりうる人達からのアプローチはありましたが,やはり,ものづくりへの考え方や理解といった点で,NetEaseだという思いはありました。
 私達はDavid Cageをはじめとした開発者達の,クリエイティブな面をしっかり打ち出した作品を大事にしている会社です。その意味で,ものづくりにおける裁量権は私達にとって最も重要になります。「NetEaseならそれを理解してくれる」と確信できたことも大きかったですね。

4Gamer
 グループの一員となって,NetEaseからは何かオーダーはありましたか。例えば,特定のジャンルのゲームの開発を希望されたとか,「3年に1本は新作を出してほしい」といったことです。

Fondaumière氏
 いっさいありません。NetEaseはリスペクトをもって接してくれていて,作風はもちろん,私達のカルチャーも大事にしてくれているんです。これから制作するタイトルの方向性の確認をするため,やりとりすることはありますが,どういうゲームを作るかは,これまでと変わらず私達のほうで決定し,動いています。

4Gamer
 NetEaseは,PCはもちろん,モバイルゲームのトップパブリッシャとして有名ですが,「モバイルゲームを作ってほしい」という要望などは。

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Fondaumière氏
 ええ,ないですね(笑)。例えば私達の中に,モバイル向けのゲームとして現実的でかつ面白いアイディアがあるとすれば,そうした作品を作ると思いますが,オーダーを受けてという形ではないでしょう。NetEaseから「何かを変えてほしい」と言われることもなく,それよりも私達らしい,私達が得意とする作品の制作を期待されています。

4Gamer
 Quantic Dreamの作品というと,アーティスティックな表現や深みのあるストーリー,パフォーマンスキャプチャといった最先端の先端テクノロジーが特徴だと思います。それらの技術を使ったアートや映像作品など,ゲーム以外のプロジェクトに取り組む可能性はありますか。

Fondaumière氏
 その考えは,今のところありません。我々のやるべきことは「素晴らしいゲームを作ること」ですから。これまでも多くのゲームエンジンやツールを制作してきましたし,現在も新作のためのツール開発や技術研究を進めていますが,それらはすべてゲームのため。クリエイター達の「こういうゲームを作りたい」という思いに応えるためなんです。
 今後も,David Cageや開発者達が持っているビジョンを表現に落とし込めるような,ゲームのためのハイエンドな技術を磨き続けたいと考えています。

4Gamer
 2021年にカナダのモントリオールに2つめのスタジオを設立されましたが,今後も規模の拡大を目指していく予定ですか。

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Fondaumière氏
 もちろん,スタジオを大きくしたいというのは目標の1つです。2021年にスタッフの数がそれ以前の倍以上になり,現在は260人ほどのスタッフがいます。2023年には400人規模になっているかもしれません。それくらい人は増えていて,こうして話している間にも,260人が過去の情報になるかもしれません(笑)。
 ただ,人数を増やすことが会社の成長かといえば,それは違います。なにより作品やプロジェクトがありますから,数よりも,それらの作品にしっかりビジョンを持って取り組めるような人達が大事だと考えています。メインはパリですが,モントリオールのスタジオでも新たな才能を持つ人材を募りたいですね。

4Gamer
 今後のアジアや日本向けのプロモーションについてどう考えていますか。

Fondaumière氏
 私達次第だと思います。もちろん,グループの1つとしてNetEaseの協力を受け,パブリッシングやマーケティング,プロモーションを実施することはあるかと思いますが,それもゲーム開発同様,私達の裁量に委ねられていますから。
 これは,約4年前に独立したときから変わらない考えですが,以前はパブリッシャやプラットフォームホルダーに任せっきりだったプロモーションの部分を自分達でしっかりコントロールすることで,いろいろな展開ができると思っています。

4Gamer
 改めてですが,NetEaseとの関係についての思いを聞かせてください。

Fondaumière氏
 NetEaseと私達は同じ時期に誕生し,ともに25年の歴史を持つ会社ですが,それまでにやってきたことがあまりにも衝撃的でした。規模が大きく,圧倒的な力で成長を遂げてきたことにリスペクトがあって,私のほうから声をかけました。話をしていくうちに開発への理解の深さにさらに感銘を受けました。
 3万3000人いるスタッフのうち,開発者が半数以上もいる。つまり,パブリッシャとしての規模はもちろんですが,世界一巨大なゲームデベロッパでもあるんですね,歩みは違いますが,開発者マインドみたいなところは通じていて,そこに魅力を感じました。買収後,私達は何も変わらない。今までどおり,しっかりビジョンを持って,新たなテクノロジーでそれを表現する作品を制作し続けるだけです。

4Gamer
 最後に日本のファンにメッセージをもらえますか。

Fondaumière氏
 日本のゲームファンには伝えたいことがたくさんあります! ゲームを制作して発信するうえで,世界中のいろいろな国の反応が気になりますし,異なる文化を持つ国のゲームファンが私達の作品を好きになってくれると,とても嬉しいんです。
 日本のゲームファンからは,とくに「Detroit: Become Human」のとき,驚くほど多数の反応をもらえて,日本のファンの心に触れるものがあったんだと,とても喜びました。ゲーム開発は苦難の道ですが,ファンの思いやサポートがあるからこそ進めるんです。ですから,皆さんには感謝の言葉を伝えたいと思います。(日本語で)アリガトウ!

「東京ゲームショウ2022」公式サイト

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