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初音ミク Project DIVA MEGA39’s公式サイトへ
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[TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39\'s」プロデューサーインタビュー
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印刷2019/09/13 13:24

インタビュー

[TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー

 セガゲームスは,リズムゲーム「初音ミク Project DIVA」シリーズの最新作にあたるタイトル「初音ミク Project DIVA MEGA39's」を,Nintendo Switchで2020年2月13日に発売する。

画像集 No.015のサムネイル画像 / [TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー

 本作は,同社が展開する「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project(初音ミク×セガ プロジェクト)」の10周年記念作品であり,シリーズタイトルとしても実に3年ぶりの新作となる。本編には初収録のものを含む101曲が収録されているほか,グラフィックスもアニメ調のタッチへとリニューアルされている。

 今回,東京ゲームショウ2019の会場で,本作のクリエイティブプロデューサーである大崎 誠氏と,プロデューサー・ディレクターである松並桂一氏にインタビューをする機会を得たので,その内容をお届けしよう。

クリエイティブプロデューサーの大崎 誠氏(左)と,プロデューサー・ディレクターの松並桂一氏(右)
画像集 No.002のサムネイル画像 / [TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー

「初音ミク Project DIVA MEGA39's」公式サイト


“全カットでかわいく見える”を目指して。アニメ調に生まれ変わったグラフィックス


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは,本作の開発が始まった経緯から教えてください。

大崎 誠氏(以下,大崎氏):
 いろいろあったんだよねぇ……。

松並桂一氏(以下,松並氏):
 ありましたね……。

大崎氏:
 プロジェクトが立ち上がるパターンはいろいろとあって,開発がほかのことを考えずに「やりたい!」を押し通すこともあれば,社内の機運を汲んだ待望論的な感じで持ち上がる場合もあるんです。今回の場合はどっちかと言えば後者に近いかもしれません。やる“機運”は2018年中にはなんとなくあって,だいたい秋頃に話が本格化しました。

松並氏:
 10周年が近いことも意識の中にあって「AM2研が作ってきたデータ資産を活かした準新作タイトルを作れないか」という話がまとまっていった,というような具合です。

大崎氏:
 この節目では,同時に新作スマートフォンゲームとして「プロジェクトセカイ(仮)」も発表しています。社内で「10周年に何かをやろう」という流れの中で企画が生まれて,こっち(AM2研)に来たのがMEGA39'sだったわけです。

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[2019/08/31 00:00]

松並氏:
 DIVAも前作から2年ほど間が空きましたが,もっと続けていきたいという気持ちがあったので,その想いをこのプロジェクトで結実させたいなと。

大崎氏:
 任天堂さんのハードでは「初音ミク Project mirai」というシリーズを展開していたのですが,携帯ゲーム機に向けてのDIVAシリーズは大幅に間隔が空いてしまったという部分もありますね。

4Gamer:
 なるほど。今回のハードがSwitchに決定したのも,携帯ゲーム機におけるDIVAシリーズの後続という意味が強いんですね。

松並氏
 そうですね。据え置きで出せる究極体と言えるPS4版が出来あがっているので,次は携帯ゲーム機だろうと。元が携帯ゲーム機ということもありますし,やはり現行では普及台数なども考慮した上でSwitchが適当だろうと。

4Gamer:
 開発の枠組みとしてはプロジェクトセカイとはまったく別の存在なんですね。発表の時期が近かった関係で,てっきり何かしら開発の部分も共有しているものかと思っていました。

大崎氏:
 さまざまなメディアに展開してきた関係で,社内で初音ミクに関連している部署はメチャクチャ多いんですよ。先に10周年で“何かをやる機運”が高まっていた的なことを言いましたが,それは我々の部署だけで起きていたことではなかったという話です。

松並氏:
 もちろん各部署が好き勝手に動いているワケではないですよ。10周年に合わせて企画が同時多発的に発生したのは間違いありませんが,しっかり集まって話し合ったうえで動いています。

大崎氏:
 関連してる人たちで今でも定例会議やってるからね。「ミク定例会」って言って(笑)。

4Gamer:
 ミク定例なる言葉はちょっと面白いですが,どういった集まりなのでしょう。

大崎氏:
 ミクに関連している仕事をしている人間が,いろいろな垣根を越えて集まる定例会議です。今はセガゲームスとセガ・インタラクティブで会社が分かれているんですが,この会議では会社が違っても同じ場に集うんですよ。そうした中で機運が盛り上がってきたので,いろいろな部署での動きにつながった……という感じですね。

松並氏:
 しっかりと段取りを用意しないと作れませんから。

4Gamer:
 続いて,ゲーム内の要素について聞いていきたいと思います。本作の新要素として「ミックスモード」が用意されていますが,こちらのコンセプトを教えてください。

松並氏:
 大崎とも話し合ったのですが,やっぱりSwitchで出すからには「PS4と同じゲームです」で終わらせられないだろう,ということで追加した要素です。3DSの「初音ミク Project mirai 2」を作ったときには「タッチモード」と「ボタンモード」を用意しましたが,今回もそれにならってSwitchの良さを活かしたゲームモードを考えた結果として,Joy-Conのジャイロセンサーを活用したモードを実装することにしました。

TGS 2019における本作の試遊台。こちらでもジョイコンを使ったミックスモードを体験できる
画像集 No.003のサムネイル画像 / [TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー

4Gamer:
 ミックスモードはJoy-Conの傾きを活用したモードですが,正式な実装までにどういった経緯を経て現在の形に至ったのでしょうか。

松並氏:
 当初のミックスモードは“GOGO”という名前で,上下にもJoy-Conを振るような動作を想定してたんです。モチーフにしてたのは「ゴーゴーダンス」という古い踊りで,それをテーマに検証していたんですが,それをJoy-Conで高精度に認識させるのはなかなかハードルが高くて……。
 リズムゲームにおいて,自分の意図しない入力が発生してしまうのは致命的ですから,99%以上の認識率をもって,自分の意図を反映できる仕組みを作らなければいけません。それを前提として実現したのが,現在のミックスモードというワケです。

大崎氏:
 音ゲーの“誤爆”ってすごく腹が立つんですよね。でも,人ってゲーム中に本当にいろいろな動きをするので,それをJoy-Conのセンサーだけで認識するのは難しいんですよ。

松並氏:
 本当にいろいろな実験をしましたが,どうしても上下の要素を含んだ状態では「100%自分が操作した」という感覚に落とし込むことが難しかったんです。とくにDIVAはやり込める深みのある作品ですから,そこを実現できないなら無理だなと。

大崎氏:
 「高精度な認識は大事にする」と決めてしまったので,片方の道を捨てざるを得なかったという話ですね。これは,いわゆるゲームあるあると言えるかもしれません。

4Gamer:
 では,リニューアルされたグラフィックスについてはいかがでしょう。本作からはアニメ調のタッチへと変更されましたが,その意図を教えてください。

画像集 No.005のサムネイル画像 / [TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー
画像集 No.007のサムネイル画像 / [TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー

大崎氏:
 アーケード版やPS4版で主に採用していたグラフィックスは,CG用語で言うところの“フォトリアル”という方向性の映像だったんです。マジな光源計算をして,ガッチリとモデルを作り込むようなタイプですね。
 ただ,その中でもいくつかのPVにはアニメ調シェーディングを適用したものもあって,それはそれで評判が良かったんです。「だったら,全部これに変えたらどうなるんだろう」という意図がありました。さらに言えば,PS4版に至るDIVA系列は,初代DIVAの3Dモデルをずっと引きずっています。もちろん世代交代にあたって調整はしていますが,基本的にはポリゴンが多くなっているだけです。
 初代は光源計算を一切していないので,ある意味で原点回帰したような感覚ですね。リアルな表現は受け付けないという意見も少なからず存在しますし,今流行りのVTuberなんかは全部アニメ調のグラフィックスです。そうした意識が重なって,じゃあ全部NPR(ノン・フォトリアリスティック・レンダリング)にしましょうと。そっちの方が,結果的に受け入れられる確率が高いかなという算段です。

4Gamer:
 新作を発売するにあたって,しっかりと新しくするために手を加えてくれる,という熱量は嬉しく感じられますね。グラフィックスの変化はさまざまな要素に影響を与えていると思いますが,本作のNPRならではの見どころはどういった所にあるのでしょう。

大崎氏:
 先程お話したような,アーケード版やPS4であったアニメ調のシェーディングを移植したワケではなくて,しっかりと本作に合わせてチューニングしています。

松並氏:
 “全カットで可愛く見えるNPR”を目指しているので,お馴染みのPVも新しく生まれ変わったグラフィックスで楽しんでいただきたいです。

大崎氏:
 フォトリアルの絵は逆光をうまく処理できないんです。レフ板があれば良いんですが,逆光で顔が暗くなるとかわいい絵にするのが難しいんです。その点,NPRであれば逆光でもしっかりかわいい!

松並氏:
 ということで,見どころは「かわいいミクさん」です(笑)。


待望の専用コントローラがついに実現。決め手はファンによるTwitter投票


4Gamer:
 先のイベントでは,HORIさんによる専用コントローラの発売も発表されていましたね。そちらでは,かなり密接に連絡を取り合って制作していると話されていたので,その詳細を教えてください。

松並氏:
 そらもう,徹底的ですよね。僕らにしてみたら10年くらい実現できずにいたプロジェクトですから,中途半端は許されません。今回も「作りたいけど,やっぱり難しい」といった“折れるタイミング”は何度もありましたが,それを乗り越えて製品化に結びついた形です。
 AM2研で(専用コントローラの形を)組んで図面を渡したり,筐体からコントローラの部分を引っ剥がしてそのまま送ったり,回路図をそのまんま送ったり……。

大崎氏:
 うん,回路図を送る稟議書に判を押したもん。あとは,タッチスライダーとボタンの位置を含む寸法もアーケード版と同じになるよう調整したりしています。

松並氏:
 その後のHORIさんとのやり取りも綿密に行っていますよ。デザインデータだけでなく,ファームウェアもこちらが噛んでいますし,我々としても「データ送って,はい終わり」ではありません。今もHORIさんにメールを返そうとしてたところです(笑)。

大崎氏:
 ボタンを押したら機械が(信号を)取ったと認識するのですが,どうしてもレイテンシー(遅延)は発生しますよね。USBで変換されて1フレーム(1/60秒)遅れるとかいろいろあるんですが,それも可能なだけ無くすようにしています。

松並氏:
 HORIさんから試作の筐体をもらって,それを制御するコードを作ってと,本当に一緒に1つの製品を作り上げているような感覚です。

大崎氏:
 値段を3万円くらいに抑える以上は,そんなにリッチな部材を使えるワケではないので。ウチの言うことを(HORIさんが)聞いてたら酷いことになるでしょうね(笑)。少なくとも,回路と位置関係さえしっかりしていれば想定しているものが出来あがるはずなので,そこはしっかり抑えますよ。

松並氏:
 アーケード版DIVAのファンは,間違いなく納得いく出来栄えになっていると思います。

4Gamer:
 ファンとしては嬉しい言葉ですね。これほどまでに力を入れてくれているというのもそうですが。

大崎氏:
 どこかのインタビューでも言ったような気がしますが,アーケードゲームはいつか無くなるんですよ。これは経済的な意味以上に,耐久年数的な意味で。例えばアーケード版DIVAはもう稼働10年近いので,ディスプレイが最初に力尽きます。とくに液晶は劣化しますし,下手をすれば突然ブチッと切れてしまう可能性すらあります。

松並氏:
 ゲーム自体はPS4の「Future Tone DX」という形で残せたのですが,専用コントローラは実現できずにいたんです。なので,今回の専用コントローラはPS4版とSwitch版の両方をリリースすることにしました。

大崎氏:
 専用コントローラの話を聞いたときは,またPS4の時と同じでポシャると思っていたんですが,今回はなんとか実現できました。

4Gamer:
 先程は“折れるタイミング”があったと話されていましたが,とくにどういった部分にハードルがあったのでしょう。

松並氏:
 やっぱり何台売れるか分からないうえに高額な商品ですから,予算を動かすのが難しいというのが一番大きいですね。HORIさんも慈善事業でやっているワケではないので,儲けが出なければ動くことはできません。

大崎氏:
 決め手になったのは,なんといってもTwitterのアンケート結果です。その反応が大きくて,あの反応が悪ければマジでポシャっていたでしょう。あの投票は,間違いなくプロジェクトが動くか動かないかを決定付けました。




4Gamer:
 投票したファンとしては嬉しいでしょうね。これだけ多くの人が投票したということは,それだけ待ち望まれていたということでしょうから。

大崎氏:
 良い値段がする以上は下手なものは作れませんから,もうガチ調整ですよ。みなさんの声と,ちょっとの運と,たくさんの頑張りで実現できた専用コントローラです。ぜひ購入を検討してみてください。


マジカルミライから試遊内容も大きく変化。TGSはアンケート結果を反映できる最後の機会


4Gamer:
 TGSの試遊台についてはいかがでしょう。以前にイベント出展された時から内容は変化していますか?

大崎氏:
 はい,アンケートの内容を反映しています。UIの分かりづらい部分や,各種の取り回しに関係する部分は,ここ2週間くらいでかなり変更しています。

4Gamer:
 めちゃくちゃ早い!

大崎氏:
 今回もアンケートはありますよ。この後,外で遊んでいただける機会はあるとしても体験版くらいですが,その時期に入ってしまうと修正が難しいので,これがプレイヤーさんの意見を集められる最後の機会なんです。今ならまだ改修できる時期なので,プレイした方は現地で渡されるQRコードからアンケートに回答してみてください。

アンケートは試遊台で本作をプレイした後にプレゼントされる特典と合わせて配布される
画像集 No.004のサムネイル画像 / [TGS 2019]アニメ調シェーディングの導入で“全カットでかわいいミクさん”へ。「初音ミク Project DIVA MEGA39's」プロデューサーインタビュー

4Gamer:
 ここまでレスポンスが早いとなると,回答するモチベーションになりますね。

大崎氏:
 なんのためのアンケートだという話ですから。反映する余地がないならアンケートを取らなきゃいいんです。必要だと判断した意見は可能な限り反映していきます。

4Gamer:
 前回の出展から変化した部分について教えてください。

大崎氏:
 とくに変わったのはミックスモードですね。前回はピーキーだった設定を調整可能にしたり,やや強すぎた振動の効果を緩和したり,ご指摘を受けた要素は直しました。

4Gamer:
 本当にいろいろ変わっていて,すでにプレイした人も違いをチェックするだけで楽しそうです。

松並氏:
 あと,ミックスモードを遊ぶ方に言うことがあるとすれば「ミックスモードはJoy-Conを縦に持って傾ける遊びです」ということを,ぜひお伝えしたいです。地面に対して垂直に立てて,横に倒す。それを認識するように作られていますので,プレイする際にはご注意ください。

大崎氏:
 これも前回から追加した要素なのですが,ポーズをかけた状態でJoy-Conを傾けるとカーソルが動くようになっています。傾きの認識はそれで確認できるので,まずはポーズをしてJoy-Conを動かしてみてください。曲の中で正しい挙動を確認するのは,さすがに難しいですからね。

4Gamer:
 最後に,本作のリリースを楽しみにしているファンと,これからTGSに来場する方にメッセージをお願いします。

松並氏:
 アーケード版DIVAのスタッフが全力で作っているタイトルですので,楽しみに待っていてください!

大崎氏:
 繰り返しになってしまいますが,ぜひ遊んでいただいて,アンケートを書いてください。しっかりとすべて目を通して,良い意見は反映していきたいと思っています。本当にアンケートはメチャクチャ大事なので,ぜひ。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

「初音ミク Project DIVA MEGA39's」公式サイト


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