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印刷2020/05/29 14:30

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【PR】「リネージュM」1周年特別企画,リネージュM×リネージュのプロデューサー対談を実施。思い出を振り返り,IPとしては今後どうなるのか

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 エヌシージャパンのスマートフォン向けMMORPG「Lineage M」iOS / Android:リネージュM)が,2020年5月29日に正式サービス開始から1周年を迎える。

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リネージュM 1st Anniversary「MEMORY OF ADEN」特設サイト


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 エヌシージャパンは本日(2020年5月27日),サービス中のスマホ向けゲームアプリ「リネージュM」で,5月29日のサービス開始1周年を記念したアップデートを実施し,各種イベントを開始した。加えて,キャストのサイン色紙が抽選で当たるキャンペーンも公式Twitterにて開催されている。

[2020/05/27 16:03]

 「リネージュM」は,正式サービス開始から18年以上を経た今なお愛されているPC向けMMORPG「リネージュ」をベースに開発された「スマホ版リネージュ」だ。「リネージュ」のクラシカルな世界観をスマートフォン上で忠実に再現しつつ,オートモードを始めとしたスマホゲーム定番の遊びやすいシステムを盛り込んだタイトルとなっている。

リネージュM
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 MMORPG黄金期の話題になれば必ずと言っていいほど挙がるタイトルの一つでもある「リネージュ」は,当時の主流でもあったクォータービューの2Dグラフィックスを採用し,モンスターとの戦闘を通じてキャラのレベルアップを図っていくというMMORPGとしてはスタンダードな作品だが,サーバー内のプレイヤー全体に届くチャットシステムや,血盟(クラン)という派閥システムを使った多人数同時参加型の大規模戦闘「攻城戦」()が注目され,大ヒットを記録した。「リネージュ」のプレイ経験はなくとも,当時駅などでYahoo! BBの案内と一緒にクライアントCDが配られていたことから,タイトルは知っているという人も多いのではないだろうか。

※MMORPG黎明期を支えたタイトルが登場するまで日本ではまだ珍しい要素だった。

 そんな「リネージュ」に関するさまざまな思い出を,「リネージュM」と「リネージュ」の各運営プロデューサーに振り返ってもらいつつ,「リネージュM」におけるこれまでの約1年間,そしてリネージュIPの今後について語ってもらったのが,本稿でまとめたオンライン対談の内容となっている。ぜひ最後まで読み進めてほしい。

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「リネージュM」運営プロデューサー 川南 巌氏
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「リネージュ」運営プロデューサー イ・ジョンウォン氏

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「リネージュM」が目指すのは,「リネージュ」に迫る長期運営


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは,お二人の自己紹介からお願いします。

川南 巌氏(以下,川南氏):
 「リネージュM」運営プロデューサーの川南です。もともと一プレイヤーとして「リネージュ」を遊んだあと,弊社に入って「リネージュ」に携わるさまざまな業務を経て運営プロデューサーとなり,その後「リネージュM」の運営プロデューサーに就任しました。

イ・ジョンウォン氏(以下,イ氏):
 「リネージュ」運営プロデューサーのイです。以前は川南の下でアシスタントプロデューサーとして,開発元であるNC SOFTとの連絡役や今後の方針を相談するお仕事をしていましたが,「リネージュM」運営プロデューサーに川南が就任するにあたり,「リネージュ」の運営プロデューサーに就任しました。

4Gamer:
 「リネージュM」が1周年を迎えるにあたり,現在の心境はいかがでしょうか。

川南氏:
 「リネージュM」では18年以上続く「リネージュ」のような長期運営を目標としていますから,その第一歩となる1周年を迎えられてひと安心しているところです。

4Gamer:
 川南さんとイさんは,かつて「リネージュ」の運営プロデューサーとアシスタントプロデューサーとして一緒に働いていたそうですが,お互いについてどう思われていますか?

イ氏:
 川南はいろいろなトラブルにも瞬発力をもって対処できる方だと思います。現在の「リネージュ」運営でも,川南が蓄積してくれたノウハウを役立てているところがありますね。

川南氏:
 イは私よりも俯瞰的に物事を見られる方です。前職がゲームプランナーだったそうで,開発元へ要望を伝える際に,いかに分かりやすく伝えるかについてアドバイスをもらったりもしていました。

4Gamer:
 運営プロデューサーを続けていくうえで大事なことは,両氏にとって何でしょうか。

川南氏:
 自分の中での基準をしっかりと持ち,これをブレさせないことですね。

イ氏:
 基準を持つことは大事ですね。しっかりした物差しを持っておけば,その中で自由に遊べる空間を設けられますから。


ネットゲーム黎明期が熱気を生み出す


4Gamer:
 「リネージュ」についてもお話を聞かせてください。日本の「リネージュ」は2002年のサービス開始からもうじき20周年を迎えます。2009年には基本プレイが無料化され,日本オリジナルコンテンツの「日ノ本」が2012年に実装されるなど,いろいろなことがありました。ゲーム内やプレイヤーの雰囲気はどのように変化してきていますか。

川南氏:
 プレイヤーの層がもっとも大きく変わったのが,2001年のオープンβテストから,2002年2月の正式サービスのあいだですね。

4Gamer:
 なるほど。基本プレイが無料化となったときが大きな変化だと思っていました。

川南氏:
 実はそうではないんですよ。昔のオンラインゲームはβテストの期間が長かったじゃないですか。「リネージュ」でも半年くらい続けていましたし。ある程度無料で遊べたあとに,正式サービスが始まって,月額料金を支払う必要があるとなると,プレイヤーの層が切り替わるんです。

4Gamer:
 近頃のβテストは数日〜1週間程度が一般的ですから,そう考えると「リネージュ」の半年というのは非常に長いですね。

川南氏:
 それだけにβテストの期間中はすごくカオスでしたね(笑)。「リネージュ」は日本のオンラインゲームの先駆けですし,みんな初めてこうした遊びを体験される方々ですから,もう無法地帯なんですよ。発言もダイレクトでしたしね(笑)。
 その頃の僕はプレイヤー側だったんですが,いろいろ「すごいな!」と思いましたね。そのあとに月額制の正式サービスが始まると,かなり雰囲気が変わったように思います。私が「リネージュ」をプレイしたのがβテストの少しの期間と,正式サービスが始まってやや時間が経ったあとなので,直接の変化の様子を見られなかったのが,今となっては気になるところですが。おそらくゲームプレイを止めた方々は,ほかのオンラインゲームのβテストに移られたと思っています。

4Gamer:
 確かにそうかも知れません。βテストが終わると,渡り鳥のように今度は別のゲームのβテストに参加して遊ぶ人が,当時は多かった記憶があります。

川南氏:
 逆に,基本プレイの無料化の前後では,昔プレイいただいていた方がまた戻ってきてくれたりはしましたが,そこまで雰囲気は変わりませんでしたね。

4Gamer:
 ネットゲームを初めて遊ぶということは,インパクトが強い出来事でしたね。今はTwitterなどのSNSによって「ネットを通じた人付き合いや,人間関係の距離の取り方」について学べますが,当時はそうしたものもほとんどありませんでした。
 ゲームの中でPK(プレイヤーキル)され,顔の見えない誰かから攻撃されたことに恐怖を覚えたり,チャットの何気ないひと言に傷ついたりしましたし。

川南氏:
 そうですね。弊社にも,「リネージュ2」のために務めていた会社を辞めて,退職金を利用料の支払いに充てつつ,1日中遊び続けたあと,弊社にやってきた人間がいます。彼女いわく「いろいろなMMORPGを遊んだけど,やっぱりNC SOFTのゲームに戻ってくる。作り込みが違うんだ」ということです。

リネージュ2
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4Gamer:
 弊社には「リネ2」の攻城戦を理由に早退していた社員がいまして,「攻城戦ならしょうがない」と社長も許可していたという逸話があるとかないとか……。ちなみに,一度ゲームを止めたプレイヤーが復帰することは多いんでしょうか。

イ氏:
 そうした傾向は確実に存在しています。コミュニティサイトを見ていても,復帰された方が現在の情勢について訪ねる書き込みも多く見受けられます。長いあいだサービスを行っている現在の「リネージュ」を動かしている原動力もそうしたところにあると思います。

4Gamer:
 なるほど。あと「リネージュ」といえば,ユニークな施策が行われたことを覚えています。「アデン城における初めての攻城戦や,ゲーム内イベントを中継する」といったネット放送イベント,「バレンタインやホワイトデイにリアルのお菓子を買うとゲーム内アイテムが手に入る」リアル商品との連動,「気温が高いとゲーム内アイテムの割引クーポンが手に入る」という時事ネタなど,いずれも印象的な施策でした。

川南氏:
 そのあたりは広報チームの領域ですが,「思いついたことはとりあえず提案してみる」という社風があったのが幸いしたんだと思います。

4Gamer:
 日本独自コンテンツとして,「日ノ本」が実装されたことも印象深いです。そもそも日本独自の内容を盛り込もうとした背景には,どういった経緯があったんでしょうか。

川南氏:
 韓国の開発側から「日本独自のコンテンツとしてマップを一つ制作していいですよ」というお話をいただいたのが「日ノ本」開発のきっかけでした。内容についても日本側が自由に決めて良いということでしたので,当時のスタッフが自分の趣味を盛り込んだ形になりました。苦労はほとんどなかったんですが,当初予定されていた「本丸」「天守閣」マップを実装できなかったのが心残りですね。妖怪を束ねる「玉藻」や「殺生石」と対決するという内容で,今も特設ページには,予告だけが残っています。

4Gamer:
 こうした要素が今後「リネージュ」「リネージュM」のどちらかで復活するようなことはあるんでしょうか。

川南氏:
 直接の復活とは違うんですが,「リネージュM」のワールドボス「千年九尾狐」は,「日ノ本」の最終ボスとして開発されたモンスターのグラフィックスが使われています。また「鬼」なども本来は「本丸」に登場するはずだった妖怪です。当時のトートバッグに鬼のSDイラストが使われているのは,この名残からですね。

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4Gamer:
 「リネージュM」プレイヤーは,知らないうちに幻の最終ボスと戦っていたわけですね。ちなみに,イさんが韓国にいた頃は,「リネージュ」といえばネットカフェで遊ぶのが主流だったんでしょうか。

イ氏:
 そうですね。ネット回線自体はすでに整備されていましたが,月額制だったので,ネットカフェを使う人が多かったです。隣の席の友達と話しながら遊ぶのが楽しいんですよね(笑)。
 ただし今は時代の流れなのか,ネットカフェで遊ばれるタイトルも限られてきていて,一緒にプレイすることでメリットのあるゲームがメインになっているようです。

4Gamer:
 ではイさんが日本に来日されて,プレイヤーの遊び方に違いを感じたことはありますか。

イ氏:
 韓国版「リネージュ」はPvP中心の調整だったので,日本版は「Non-PvP」サーバーが主力であることにまず驚きました。

川南氏:
 日本の「リネージュ」では正式サービスに入る前にNon-PvPサーバーが追加されてますからね。元々の韓国版はPvPで遊ぶように作られていて,ここに注力するアップデートも多いんですが,こうしたものを日本に持ってきても,あまり受けが良くない感触がありました。

4Gamer:
 日本版ではPKを狩る自警団(PKK)が組織され,PKと一般プレイヤーの間で,システムではなくプレイヤーが抑止力となっていた面もありましたが,こうした動きは韓国版でも同様だったんでしょうか。

イ氏:
 韓国版でもかなり昔にはそうした動きがあったようですが,今はPKを見つけても手を出さないことが多いですね。

4Gamer:
 それはなぜでしょう。

イ氏:
 PKと戦った場合,彼の背後にいる血盟員をすべて敵に回すことになるからです。例え一度だけPKを撃退できても,そのあとに血盟員達から報復され続けるので,通常プレイの狩りにも影響が及ぶことになる可能性が高いためです。
 現在は中立のスタンスを取る血盟が多く,大きな血盟同士が争いを起こしても静観する傾向にあるように感じます。

4Gamer:
 では,韓国版ではPKそのものが減っているのでしょうか。

イ氏:
 いえ,普段からめちゃくちゃ戦っていますね(笑)。今はエンドコンテンツである「ドラゴンレイド」がインスタンスダンジョンへと入場する方式から,通常のフィールドで戦うフィールドボスの形式になっていますので,利権をめぐって戦いが繰り広げられています。

4Gamer:
 ドラゴンレイドのドラゴンと戦う前に,プレイヤー達が戦うと。

イ氏:
 はい。皆さんが争っている様子を,ドラゴンが怪訝な顔をして眺めているような景観です(笑)。

川南氏:
 完全に昔の状態に戻ってるじゃないですか(笑)。

イ氏:
 日本版はまだそこまで実装が進んでいないんですが,今後どうなるかを見守りたいですね。

4Gamer:
 日本でも利権をかけてプレイヤー同士が戦うのか,それとも何らかの談合が行われるのかは興味深いところですね。そういえば「リネージュ」の原作が少女漫画であるということはあまり知られていませんが,韓国での認知度はどうなっているのでしょうか。本屋さんに行ったら必ず置いてあるとか?

イ氏:
 韓国でも漫画版はあまり認知されていません。原作が少女漫画だと聞けば,韓国のプレイヤーも驚くと思います。私も高校生だった頃は漫画好きでしたが,原作漫画については知りませんでした。


「暗黒騎士」「神聖騎士」の実装時期は? 「リネージュM」の今後を語る


4Gamer:
 ここからは「リネージュM」についてお話をうかがえればと思います。初めて「リネージュM」を見たときの感想はどういったものでしたか。

川南氏:
 「リネージュ」のグラフィックスと雰囲気がちゃんと再現されていたので,感動しながらプレイしていました。「ここまで同じで大丈夫なのか?」と思ったりもしましたね。

4Gamer:
 サービス開始からの約1年間で思い出深い出来事はなんでしょうか。

川南氏:
 初めての攻城戦と,インターサーバーの実装です。画面内にたくさんのキャラクターがいるというのは,MMORPGの醍醐味を感じられた出来事でもありました。

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4Gamer:
 正式サービス開始後は,約半年でオリジナル職業の「銃士」が追加され,そのわずか4か月後に「リネージュ」の「ドラゴンナイト」を彷彿とさせる「竜闘士」が実装されています。これについてはいかがでしょう。

川南氏:
 銃士については,さまざまな記念キャンペーンやイベントを併走させたこともあり,スケジュールがゴリゴリに圧迫されてしまいました。それまでは不具合もさして多くなかったんですが,短期間の実装となると,そうもいかなかったですね。
 そのあとは,不具合を修正しているうちに時間がなくなり,その影響が別のイベントに波及し……といった状態でした。

4Gamer:
 現在のスケジュールは正常に戻っているんでしょうか。

川南氏:
 影響は未だに尾を引いています。しかし,理想へ近づけるよう交渉は継続して行っています。

4Gamer:
 かつてのイベントが1週間刻みだったのは,スマートフォンゲームのペース感に影響されてのことですか。

川南氏:
 そうです。モバイルデバイスで動くゲームであるという意識が強かったんですが,今はMMORPG的なペースに戻している最中です。ただアップデートが減っているように感じている方も,いらっしゃるのではないかと思います。

4Gamer:
 4Gamerでは「竜闘士」の実装直後にお話をうかがっていますが,あれから状況に変化はありましたか?

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 エヌシージャパンは,スマホ向けMMORPG「Lineage M」(リネージュM)の新職業「竜闘士」を含むアップデート「EP.2 The Chain」を,2020年4月1日に実施した。本アップデートが実施されたあと,運営プロデューサーの川南 巌氏にメールインタビューを行ったので,その内容をお届けしよう。

[2020/04/07 17:00]

川南氏:
 「竜闘士」の使用率が「銃士」とほぼ同じくらいになり,想定以上に「竜闘士」プレイヤーの追い上げが早いです。主なスキルがアデナで買えるという使いやすさもプラスに働いたんだと思います。
 実際に触ってみても使いやすかったですし,オートにしても「チェーンソード」による2セル攻撃が幸いしてか,ほかの職業よりもスムーズに動いてくれる感じですしね。

4Gamer:
 全体の使用率はどのようになっているんでしょうか。

川南氏:
 「エルフ」「ダークエルフ」「騎士」「魔術師」「銃士」「竜闘士」「君主」という順になっています。

イ氏:
 PC版はクラスごとの使用率にそれほどの差はなく,どれかのクラスが突出して多いということはありません。

4Gamer:
 なるほど。見た目が綺麗な「エルフ」や「ダークエルフ」が人気を集め,狩り効率の点で「君主」はそこまで多くないというあたりは,「リネージュ」も「リネージュM」も同じなんですね。
 これもお聞きしたかったんですが,日本版の「リネージュM」では,ゲームに接続していなくてもキャラクターが育つ「ログアウトプレイ」が世界に先駆けて実装されていますよね。どのような経緯で日本が最初になったんでしょうか。

川南氏:
 日本サービス開始にあたって目玉となるコンテンツが欲しかったからです。ただ,他国版のユーザーさんからは,熱望されるようなお声は挙がっていないようですね。ログアウトプレイだと,PvPを仕掛けられた際,即座に対応できないというのが大きな理由の一つのようです。

4Gamer:
 ここでもPvPについての意識の違いが出てくるわけですか。

川南氏:
 韓国版ですと「プレイのほぼすべてがPvPに関連している」という感じです。「血盟を結成し,PvPを通してゲーム内リソースを奪い合う」という,もともとのゲームデザインに合わせて遊ばれているということですね。

4Gamer:
 コツコツとした狩りを好むのは日本独特の現象ということですか。

川南氏:
 「狩りでキャラクターを育てて強くする」という家庭用ゲーム機のRPG的な遊び方が受け継がれているという印象を受けています。狩りを楽しみたいならRPG。PvP要素を満喫するなら対戦格闘ゲームを立ち上げるといったところに,日本で「リネージュ」のサービスが始まっています。こうした影響を受けて「リネージュ」のゲーム内文化が形成されていったわけです。

4Gamer:
 日本でRPGというジャンルを広めた作品の遊び方が,「リネージュ」文化に影響していると。
 韓国では,このあたりの事情はどうなっているんでしょうか。

イ氏:
 「家庭用ゲーム機市場がほとんどない状態から,いきなりPCのMMORPGが遊ばれるようになった」という状態です。当時のPCは高価でしたが,インターネットが普及し,ネットカフェができて,MMORPGが登場したという経緯になっています。

4Gamer:
 RPGの原体験の違いが現れたといっても良さそうですね。日本は家庭用ゲーム機のRPGが原体験で,これがシングルプレイかつ狩り中心だったため,MMORPGでも同じスタイルが好まれやすい。韓国はMMORPGが原体験なので,「リネージュ」を始めとするゲームが提唱したPvP中心の遊びに馴染んでいると。

川南氏:
 今は日本でもPvPの究極ともいえるバトルロイヤル系ゲームが大流行していますから,「日本人はPvPを好まない」というより「日本のRPGプレイヤーの中にPvPが苦手な方が多い」という表現が正しいんじゃないかと思います。
 自分のペースでノンビリ遊んでいたところに,PvPという人間性がむき出しになるぶつかり合いがきたわけですから,そりゃ毛色は違いますよね。

4Gamer:
 こうした違いを語るうえで,主語が「日本のRPGプレイヤー」であるべきだったところが,「日本のプレイヤー」になってしまっていたということですね。
 こうした傾向に合わせた狩り系コンテンツの「日ノ本」が「リネージュM」にも存在していますが,「リネージュ」から「リネージュM」への移植はスムーズだったんでしょうか。

川南氏:
 日本限定コンテンツを実装したいと開発チームへ打診したところ,「リネージュM」の内部にはすでに「日ノ本」マップのデータが存在するので使ってほしいという返答がありました。なので日本からの依頼で新たに移植作業が行われたというわけではないんです。
 おそらく「リネージュM」を開発する際,既存の「リネージュ」マップをすべてリニューアルする形でデータ化していたんだと思います。逆に,新しいマップや変身については,あらためて「リネージュ」から「リネージュM」へ持ってこなければならないので,時間がかかるんだと思いますね。PC版も事情は似たようなもので,実はクライアントの中には使っていないマップデータが眠っているんです。

4Gamer:
 興味深いですね。どんなマップデータが眠っているんでしょうか。

川南氏:
 過去に韓国限定で行われたイベントや,昔の初心者ゾーンなどですね。

4Gamer:
 地層のように歴史が折り重なっていくわけですね。では「リネージュM」でも国ごとに違いがあるんでしょうか。

川南氏:
 「リネージュM」の場合,各国のリリースを見ると,国ごとに違いがあまり出ないようにグローバル基準で開発している印象を受けます。

4Gamer:
 時代が流れて開発がより洗練されていったわけですか。ちなみに「リネージュM」ユーザーの中で「リネージュ」経験者はどれくらいの割合を占めるんでしょう?

川南氏:
 半数以上です。かなり多いですね。皆さん知識がすごいんですよ。残りの方は,リネージュをプレイしている知人からの紹介や,YouTubeの生放送,そして配信者がきっかけであることが多いようです。

4Gamer:
 その方々はきっと「リネージュM」でも「イリュージョニスト」や「ウォリアー」といった職業の登場を期待していると思いますが,今後実装される可能性はありますか。

川南氏:
 そのままの形ではなく,イリュージョニストやウォリアーの要素を受け継いだ職業,あるいは名前は同じだけど「リネージュ」とはかなり変わった職業になるんじゃないかと思います。例えば「リネージュ」の「ウォリアー」が使う「デスペラード」は相手の帰還を妨げるスキルなんですが,「リネージュM」では「竜闘士」の「サンダーグラップ」が同様の効果を持っています。このように,アレンジされる例もあります。

4Gamer:
 次に「リネージュM」に実装されるクラスはどういったものになるんでしょうか。

川南氏:
 おそらくは「暗黒騎士」になるんじゃないでしょうか。「反王ケンラウヘル」に叛逆した騎士で,攻撃的な性能です。2020年内のどこかで実装できるよう,開発と調整中です。

4Gamer:
 2020年内ですか。「竜闘士」の実装が2020年の4月ですから,結構ハイペースですね。

川南氏:
 しかし状況的にスケジュールについてはどうなるか分かりません。「暗黒騎士」と対(つい)になっている「神聖騎士」との同時実装の可能性もあるのでは? と,個人的には思っています。

4Gamer:
 やはり,新型コロナウイルスによる影響は大きいんでしょうか。

川南氏:
 ものすごく大きいですね。出社できる人数も限られていますし,やれることを少しずつ進めていくしかありません。先に行われた「クラスケア」も,実は韓国版では「暗黒騎士」と「神聖騎士」を実装したあとのバランス調整なんですが,日本ではこれらの職業がいない状態で適用されているのが現状です。


4Gamer:
 そればかりはどうしようもないですね。同様の問題ではありますが,オフラインイベントについては今後どうなっていくんでしょうか。

川南氏:
 オフラインイベントはいつも楽しみにしています。グッズの販売希望など,メールフォームからはなかなか聞けない意見をいただけますし,励ましのお言葉をもらうことで,これからも頑張ろうと思えますから。
 2020年2月の座談会も,ゲームをやり込まれている方が中心だったので,出てくるご意見も濃くて楽しかったです。ただ,現在の状況を鑑みると,今後どのような形での開催になるかは,検討していかなければならないと思っています。

4Gamer:
 プレイヤー達が再び笑って集まれる日が少しでも早く来るといいですね。

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 エヌシージャパンは2020年2月15日,スマホ向けMMORPG「Lineage M」の現役プレイヤーを招いた「リネージュM プレイヤー座談会」を,同社で実施した。本稿では,約2時間にわたって行われた質疑応答の内容をまとめておこう。

[2020/02/17 20:31]


「リネージュ」という良いゲームのことを少しでも多くの人に知ってもらいたい。両プロデューサーが考えるリネージュIPの今後


4Gamer:
 今後リネージュIPはどのように展開していくんでしょうか。

川南氏:
 今はとにかく「リネージュ」というIPの存在を知ってもらい,プレイヤーの裾野を広げていきたいです。僕と大河内(大河内 卓哉氏。日本版「リネージュM」プロジェクトプロデューサー)は,「『リネージュ』はすごくいいゲームだ!」と思っていて,何とかしてその良さを伝えたいと考えています。

4Gamer:
 運営側にそうした熱意があるというのはプレイヤーとしても嬉しいと思います。

川南氏:
 ただ,そこには問題もあるんです。日本のプレイヤーは感情移入できる物語や,キャラクターの人となりが表現されているコンテンツを好んでいます。しかし,現在の「リネージュ」にはそうした部分へ訴求できるものがほぼ存在しないんです。

4Gamer:
 日本のスマートフォンゲームは大抵そうしたニーズを汲んだキャラクター推しになっている側面もありますね。

川南氏:
 今後はそうしたニーズにも対応できればいいなと思います。ゲームは知らなくてもキャラクターはどこかで見たことがある,ということでもいいと思っています。今のプレイヤーは「リネージュ」を対戦ツールとして,割り切った遊び方をされているかもしれませんが,ネットゲーム黎明期にRPGとしてプレイしていたような,そんな遊び方もできるゲームであってほしい。そのうえでは,原作漫画を現代風の作画でリブートするようなことができれば楽しいかもしれませんね。

イ氏:
 その認識は川南と同じです。プレイヤーの幅を広げることにより,20年,30年とサービスを続けられればいいなと思います。

4Gamer:
 「リネージュ」といえばライブサービスのリマスターが直近のホットトピックですが,こちらについて何かコメントできることはありますか。

画像集#008のサムネイル/【PR】「リネージュM」1周年特別企画,リネージュM×リネージュのプロデューサー対談を実施。思い出を振り返り,IPとしては今後どうなるのか

イ氏:
 現在準備中ですが,そこまでお待たせしないようにアップデートを進めていけるように調整中です。

4Gamer:
 今後の情報に注目させていただきます。そろそろお時間のようなので,最後に読者に向けてメッセージをお願いいたします。

川南氏:
 約1年間遊んでいただいて,本当にありがとうございます。「リネージュM」チームの目標は,「リネージュ」のように長くサービスを続けられるゲームにすることです。いつか「リネージュ」に並ぶくらいの長期運営記録を出したいです。
 僕が「リネージュ」をプレイヤーとして遊んでいたときは「少しでも長くゲームに触れて経験値を得たい」と思っていました。同じように感じられる方には,ログアウトプレイがある「リネージュM」がオススメです。

イ氏:
 日本では約20年続いている「リネージュ」ですが,これからも愛し続けていただけるよう頑張ります。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

──2020年5月19日収録。


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