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[SPIEL’17]ダイスを振って,うなじをえぐれ。「進撃の巨人」をテーマにしたボードゲーム「Attack on Titan: The Last Stand」プレイレポート
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印刷2017/10/28 10:00

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[SPIEL’17]ダイスを振って,うなじをえぐれ。「進撃の巨人」をテーマにしたボードゲーム「Attack on Titan: The Last Stand」プレイレポート

 ボードゲームの中には,「Dark Souls The Board Game」「This War of Mine: The Board Game」といったデジタルゲームを原作とするものもあれば,「ソードアート・オンライン ボードゲーム ソード・オブ・フェローズ」のように,アニメや小説,マンガを原作とするものも存在する。
 海外で2017年7月に発売された「Attack on Titan: The Last Stand」もその1つで,こちらは「進撃の巨人」を原作とした作品だ。ドイツ・エッセンにて開催されている「SPIEL’17」では,そんな本作が試遊できる形で出展されていたので,そのプレイレポートをお届けしよう。

Cryptozoic Entertainmentから2017年7月に発売された「Attack on Titan: The Last Stand」。ゲームデザインは著名なデザイナーであるAntoine Bauza氏とLudovic Maublanc氏の連名で,価格は35ドルだ
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「Attack on Titan: The Last Stand」公式サイト(英語)



巨人を駆逐するまでの流れをうまく再現したダイスアクションゲーム


 「Attack on Titan: The Last Stand」は,最大4人のプレイヤーからなる調査兵団と,1人のプレイヤーが担当する巨人とで戦う,非対称型の対戦ゲームだ。調査兵団側は巨人を駆逐すれば勝利となる一方で,12人の市民がすべて巨人の餌食になるか,調査兵団側の誰か1人でも死亡してしまうと敗北(つまりは巨人側の勝利)になる。

本作の特徴をあげるとすれば,やはり巨人を模した大きなパネルのコンポーネントだろう。会場にはさらに巨大なパネルが設置されており,これを使ってプレイできるようになっていた
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 ゲームをスタートする前に,調査兵団側のプレイヤーは自分の担当するキャラクターを,巨人側のプレイヤーは担当する巨人を4種類の中から選ぶ。調査兵団として登場するのは「エレン」「ミカサ」「アルミン」「リヴァイ」「サシャ」「コニー」「ハンジ」「エルヴィン」といった,原作でもおなじみのキャラクター達だ。

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 コンポーネントの1つである巨人を模した大きなパネルには,キャラクターのコマを乗せる足場が付いており,それぞれに0〜8番まで数字が振られている。0が足元,1が左ふくらはぎ,2が右膝,4が左手,6がお腹,7があばら,そして8が,弱点であるうなじにもっとも近い腕となる。
 欠けている3と5は,巨人パネルのすぐ隣にある砦の1階と2階部分にあり,プレイヤーは砦に飛び移ることも可能だ。

調査兵団側のプレイヤーは,巨人の足元である0番か,砦の3番,5番のいずれかにキャラクターを配置して,ゲームをスタートする
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 原作ファンであればご存じのとおりだが,巨人を倒すには“うなじ”を狙わなければならない。したがって調査兵団側のプレイヤーは,うなじにもっとも近い8番の腕を目指すことになる。ただし,好き勝手に移動できるわけではない。このゲームでプレイヤーの取れるアクションは,ダイスの出目で決まるからだ。

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 本作は,「攻撃」「戦術」「移動」「大砲」「回避」「巨人」という6つのシンボルが各面に描かれた六面体ダイスを使って進行していく。ダイスは赤,黄,緑,青の4色あり,調査兵団側のプレイヤーには担当色のダイスが5つずつ配られる形だ。
 調査兵団側のプレイヤーは,全員ですべてのダイスを振り,出目に従ったアクションを実行していく。例えば「攻撃」か「大砲」のシンボルが出れば,巨人にダメージを与えて弱らせることが可能だ。「移動」が出れば,今いる足場の1つ上か下かに移動できる。

攻撃と大砲のシンボルを出すと,巨人の体力を示すトラック上のマーカーをKILL ZONE側に進めていける
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 ただし,「巨人」のシンボルが出てしまうと,そのダイスは巨人側のプレイヤーに回収されてしまう。巨人側のプレイヤーは,回収した巨人シンボルのダイスをコストとして消費することで,市民を捕食したり,プレイヤーにダメージを与えたりできるのだ。
 上述したとおり,市民が全滅するか,プレイヤーの1人が死亡すると巨人側の勝利となるので,なるべく巨人シンボルは出したくないところ。

 ここで悩ましいのが,ダイスは何度でも振り直せるというルールの存在だ。例えば移動のシンボルが欲しいのにそれが出なかった場合は,好きな数だけダイスを振り直して目当てのシンボルを狙いに行ける。しかし振り直した結果,巨人のシンボルが出ると,巨人側のプレイヤーに没収されてしまうのである。このあたりのジレンマが,本作の面白いところだ。

巨人側は,さまざまな効果を持つアクションカードを使って調査兵団側を妨害できる。調査兵団側がアクションカードを回避するためには,その条件となるシンボルを出さなければならない
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 単純に考えるのであれば,誰かが移動のシンボルを出して8番を目指し,攻撃シンボルでうなじを斬りつければ良いように思える。しかし,そうして巨人を倒して勝利するには,「戦術カード」がその条件を示していなければならない。
 実のところ,場には7枚の戦術カードからなる表向きの山札が存在する。戦術カードには,「どの足場でどのシンボルを何個出せ」といった条件が書かれており,それを達成すると一番上に書かれた報酬がもらえる仕組みだ。

戦術カード「FALL OVER」は,移動シンボルが2つ出ている状態で,0番にいるプレイヤーが戦術シンボルを2つ出せば条件達成となる。その報酬は,体力トラックの巨人マーカーを一気にKILL ZONEに持っていくというもの。巨人を転倒させたことで,うなじの位置が下がったことを意味しているのだろう
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 この戦術カードの中には,「調査兵団側の勝利」を報酬としたカード「NECK SLASH」が2枚存在する。その達成条件は「体力トラックの巨人マーカーがKILL ZONEにある状態で,6番にいるプレイヤーが回避シンボルを2つ,8番にいるプレイヤーが攻撃シンボルを2つ」というもの。結局のところ,「NECK SLASH」が山札の一番上になければ,調査兵団側は巨人を討伐できないのだ。

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 戦術カードを交換する方法は2つある。1つはダイスの「戦術」シンボルを使って,一番上のカードを山札の底に送る方法。もう1つは「好きな戦術カードを一番上にする」という,アルミンの固有能力を使う方法だ。
 アルミンに限らず,すべてのキャラクターは固有の能力がある。主人公のエレンは,出目を確定させたダイスをほかのプレイヤーに渡せるので,ほとんどのキャラクターと相性がいい。リヴァイであれば,ダイスの振り直しができないものの巨人シンボルを無視できるという効果を持っている。ミカサは攻撃シンボル1つで2回攻撃できるし,コニーは移動シンボル1つで2回移動できる。いずれもキャラクターのイメージに合わせた能力になっているので,どのキャラクターを選んでも原作のような立ち振る舞いができるのが面白いところだ。

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 巨人討伐を流れをボードゲームでどのように再現するのかが気になるところだったが,移動のシンボルを出して,巨人パネルを駆け上っていき,うなじに切り込むという一連の流れは,まさに原作で見るそれと同じであった。
 運要素の強いダイスアクションを核にしているという部分で好みが分かれそうでもあるが,原作ファンであれば十分に楽しめるだろう。

 日本での展開があるのかは不明だが,日本の作品が原作になっているだけあって,今後の動向に注目しておきたいところだ。

「Attack on Titan: The Last Stand」公式サイト(英語)

  • 関連タイトル:

    Attack on Titan: The Last Stand

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