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[TGS 2016]「ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-」がインディーズゲームエリアでプレイアブル展示。開発者に話を聞いた
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印刷2016/09/18 02:38

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[TGS 2016]「ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-」がインディーズゲームエリアでプレイアブル展示。開発者に話を聞いた

画像集 No.001のサムネイル画像 / [TGS 2016]「ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-」がインディーズゲームエリアでプレイアブル展示。開発者に話を聞いた
 東京ゲームショウ2016のインディーズゲームエリアに,PlayStation 4向けタイトル「ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-」(以下,「ホラート」)がプレイアブル展示されている。ポーランドのデベロッパであるIMGN.PROの処女作となる本作は,「Kholat」の原題で,PC版が2015年6月にリリースされている。それがこのたび,インターグローの手によってローカライズされ,PS4向けにリリースされるのだ。

 海外ゲームファンの中には,IMGN.PROの名前を知っている人もいるはずだ。2010年に設立された同社はゲームパブリッシングも行っており,「Construction Simulator」シリーズや「Euro Truck Simulator」シリーズなどをポーランドで販売している。トラックで泥濘を突破する“だけ”という一部の好事家に大人気の「SPINTIRES」をSteamで販売しているのも彼らだ。

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 東京ゲームショウ2016の3日め,一般公開日の初日となる9月17日。インディーズタイトルが集まった第9ホールは,メインの第1〜8ホールからはやや歩くが,近所に物販コーナーやVR体験ゾーンがあることもあって,たくさんの人が訪れていた。筆者が見る限り,「ホラート」の前にも多くの人が集まって,列を作っていた。パッと見のゲーム画面が美しく,またホラーということで,足を止める人が多いように見受けられた。

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 ゲームについては,2015年6月17日に掲載した記事で詳しく紹介しているので,簡単に記すが,テーマとなっているのは1959年に実際に起こった「ディアトロフ峠事件」で,これは,ソビエト連邦(当時)のウラル山中でスノートレッキングをしていた大学生9人が謎の死を遂げたというものだ。

 下山予定日になっても連絡がないため大学が救助隊を送り,やがて軍と警察も協力する大規模な捜査が行われたが,その結果,見つかったのは,想像を超えたものだった。彼らのいたテントは内部から引き裂かれ,荷物は置き去りのまま。そして,学生達の死体は,テントから離れた森の中で見つかった。

 その遺体の肌もオレンジ色に変色し,外傷がないにも関わらず骨折していた。中には,衣服を脱ぎ捨てていた者もおり,当局は結局,彼らの入ったホラート・シャフイル山(現地の言葉で「死の山」を意味する)で何が起きたのか特定することはできなかった。事件の真相は現在も謎のままだ。

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 ゲームでは,プレイヤーはある逃亡者を捕まえるため,ホラート山に足を踏み入れることになる。持っているのは地図とコンパスだけで,道しるべなどもなく,最初は地図を見ても自分がどこにいるのかも分からない。地図に書いてある座標を探して捜査を続けるうち,やがて,誰もいない雪山であるにも関わらず,おかしな声が聞こえたり,あり得ない幻を見たりする。かくして,図らずも「ディアトロフ峠事件」の真相に近づいていく,というストーリーだ。

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 前置きが長くなりすぎたが,そんな「ホラート」を開発したIMGN.PROのスタッフに短い時間だが話を聞くことができた。日本語版がリリースされるということで,インターグローも知らないうちに,東京ゲームショウ2016のインディーズコーナーへの出展を決めていたというから,積極的だ。話を聞いたのは,IMGN.PROの設立者の1人であるŁukaz Kubiak氏と,アカウントマネージャーのJakub Ryłko氏だ。

Łukaz Kubiak氏(左)とJakub Ryłko氏(右)
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4Gamer:
 お忙しいところ,ありがとうございます。「ホラート」はIMGN.PRO初のゲームになるわけですが,私はすっかりIMGN.PROはパブリッシャなのかと思っていました。

Kubiak氏:
 IMGN.PROは私と友達の2人で2010年に設立しました。もともとはゲームを作りたかったのですが,その前に予算が必要でした。そこでゲームのパブリッシングを始めたわけです。現在の従業員は30人で,パブリッシングとゲーム開発の両方に,同じぐらい力を入れています。

4Gamer:
 最初のゲームとしてホラーを選んだのには,何か特別の理由があるのでしょうか。

Kubiak氏:
 私達はもともと,ホラーゲームの大ファンだったんですよ。だから,ようやくゲームが作れるとなったとき,まず考えたのは「どういうホラーゲームにしようか」ということでした。

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4Gamer:
 それは筋金入りですね。では,テーマとして有名な実在の事件を選んだのは,なぜですか。

Kubiak氏:
 そうですねえ。まずゲームを作るにあたって,何かインスピレーションを得られるものがないか,いろいろと探してみました。ポーランドのおとぎ話とか神話とか。でも,なかなかピンとくるものがなかった。そんな中,「ディアトロフ峠事件」はインターネットを探っているときに偶然見つけました。見つけたときにはもう,あっ,これだ! と思っていましたね。

4Gamer:
 なるほど。ゲームに登場する地形などは,本物と同じなんですか。

Kubiak氏:
 半々ですね。例えばゲームが始まる街は,本当にあります。一方で,想像で描いた部分もあります。山には大きな洞窟がありますが,それは我々が作ったものですね。本物をベースに,フィクションを巧みに混ぜ込む,そういうゲームを作りたかったんですが,できる限り実際のものに近づけるような努力はしています。プレイしていると,トーテム・ポールを見ることがありますが,あれは実在しています。

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4Gamer:
 なるほど。ところで,このゲームをプレイすることで,長い間謎のままだった「ディアトロフ峠事件」の真相を知ることができるわけですね。

Kubiak氏:
 そうです(笑)。でもそれはあくまで,我々の解釈した真相ですけどね。やはり迷宮入りの出来事ですので,断言することは難しいです。事件についてはいろいろな説がありますが,我々の考えた真相も,その中の1つに入れてもらえれば嬉しいですね。

4Gamer:
 それでもいいから,知りたいです。ところで,次回作の準備はもう始まっているんですか。

Kubiak氏:
 ええ。次のゲームもホラーで,タイトルは「HUSK」です。詳しくは説明できないんですけど,「ホラート」よりも規模の大きなものになる予定です。もう1本あって,それは「Seven: The Days Long Gone」というタイトルの,見下ろし型のRPGです。発売日はどちらも未定ですが,「Seven」はSteamに紹介ページもできています。



4Gamer:
 なるほど。ところでお二人とも東京ゲームショウは初めてということですが,印象はいかがですか。

Ryłko氏:
 すごいですね。初めて来たんですけど,もう,すごいの一言です。「ホラート」の受けもなかなかいいですし,日本のゲームファンや,このショウ自体,そして運営もすばらしいと思います。規模としても,gamescomに匹敵するのではないでしょうか。

4Gamer:
 来年も新しいゲームを持って,ぜひ来てください。本日はありがとうございました。

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 PlayStation 4版「ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-」は2016年の秋,ハロウィン前後に発売される予定だ。シングルプレイのみで,数時間で終わる規模のタイトルだが,そのぶん,価格もお手頃に設定されるとのこと。「Kholat」は気になっていたけど,英語がちょっと厳しいと思っていた人は,お試しあれ。
  • 関連タイトル:

    ホラート -ディアトロフ峠の惨劇-

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