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世界樹の迷宮X公式サイトへ
  • アトラス
  • 発売日:2018/08/02
  • 価格:6480円(税別)
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「世界樹の迷宮X」「クリスタル オブ リユニオン」の楽曲も演奏決定。4starオーケストラ2019の聞きどころを,ゲスト出演する古代祐三氏が解説
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印刷2019/07/27 00:00

インタビュー

「世界樹の迷宮X」「クリスタル オブ リユニオン」の楽曲も演奏決定。4starオーケストラ2019の聞きどころを,ゲスト出演する古代祐三氏が解説

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 4Gamerを運営するAetasは,ゲームミュージックフェス「4starオーケストラ2019」を,2019年8月11日に東京・大田区の片柳アリーナで開催する。4年に1度のゲーム音楽フェスとして,多数の著名ゲーム音楽家とともに知名度を上げてきた本イベントは,これまで複数会場で同時開催され,それぞれにチケットが必要だった。しかし今回は,一つの会場で昼から夜まで披露される凝縮したプログラムとなり,そのすべてを1枚のチケットで楽しめるスタイルにリニューアルされる。ステージは大きく分けて,「4star2019 ensuite Wind Orchestra Stage」「4star2019 Street Stage」「4star2019 Primal Orchestra Stage」の三つだ。

 そんな,“より見やすく,より楽しく”なる4starオーケストラ2019の4star2019 Primal Orchestra Stageにトークゲストとして出演するのが,「イース」から「世界樹の迷宮」シリーズまで数多くの名曲を生み出してきた作曲家・古代祐三氏だ。
 本稿では,イベントの総合監督である斉藤健二(Aetas)を聞き手に,演奏曲目にまつわるエピソードや,コンサートでの聞きどころを古代氏に語ってもらった。

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4starオーケストラ2019 公式サイト



ゲームで聴くのと同じようなサウンドで,

生演奏のライブ感を味わえるコンサートに


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古代祐三氏(以下,古代氏):
 今回のコンサートに,私の曲を選んでいただいたのと,出演のご依頼をいただき,ありがとうございます。

斉藤:
 こちらこそ,ご快諾いただけて感謝しています。2018年は「世界樹の迷宮X」の発売年ということもあって,ニコニコ生放送やライブ(関連記事)で古代さんの楽曲を演奏させていただく機会が多くて,ぜひ今回もコンサートで皆さんにお聞かせしたいなと。
 古代さんの楽曲はジャンルも多岐にわたり,楽曲数も多いのですが,個人的には新しければ新しいほど好きな曲が多いんです。

古代氏:
 そう言っていただけるのが一番嬉しいです。

斉藤:
 ということで,まずダンジョンRPG「世界樹の迷宮X」から,通常バトルの「戦場 高揚」と,F.O.E戦の「戦場 そして、蛮勇は血に沈む」を選ばせていただきました。
 当日は,オーケストラ+バンドでの編成になります。といっても,フルオーケストラではなく,BGMレコーディング時のようにストリングス(弦楽器),ブラス(管楽器)セクションに,バンドが加わるような形で,すべてPA(マイクで音を拾っての拡声装置)が入ります。

古代氏:
 ゲーム音楽のコンサートにはそのほうが適してますよね。

斉藤:
 生音にバンドという形式だとゲームやサウンドトラックで聴くようなサウンドバランスにするのは難しいのですが,この形式ならゲーム中やサントラと同じように聴いてもらえると思うんですよ。
 ちなみに,バンドは古代さん楽曲のレコーディングにも参加しているLaiD Back Gorilla(レイドバック ゴリラ)です。

古代氏:
 どちらもハイテンポな曲ですけど,とくにF.O.E曲の激しさはLaiD Back Gorillaさん向けですね(笑)。

斉藤:
 ブラスやストリングスも大変だと思います。この2曲の制作秘話をお聞かせいただけますか?

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古代氏:
 「世界樹の迷宮X」はシリーズの総集編的な内容で,アレンジを含めたI〜Vまでの楽曲を使うとのことだったので,それを邪魔しないような曲にしたいというのがコンセプトです。新曲がかかるダンジョンも,ワールドごとをつなげるシーンなので,その接着剤となることを意識しました。
 とはいえ,ちょっと方向性を変えたいという欲もあったので,あえて管弦を外して,シンセ推し,ジャンルでいうと“シンセウェイヴ”っぽくしようかなと。とはいっても,それまでの世界樹の風土もあるから,それを崩さぬ程度の“いい具合”に仕上げました。
 アープオデッセイというシンセがあるんですけど,それでアルペジオを作ると70年代プログレっぽくていいなと思って。楽器全般のチョイスもあえてプログレっぽくしてあります。

斉藤:
 以前お聞きしたところによると,F.O.E戦はシューティングゲームっぽさを意識されたとか?

古代氏:
 そうなんですけど,実はそれって副産物的なところで,最初は「新曲ものちのちFM音源バージョンを作ろう」と思っていたんですよ。開発のアトラスさんからそういう要求はなかったんですけど,作れたら楽しいと思っていたし,実際に作ってデータを公開しました(笑)。それが念頭にあったので,楽曲の構成は,比較的シンプルになっているんです。
 で,それにならってF.O.E戦を作っていたところ,「シューティングっぽい曲にしたら似合いそうだな」と思えてきて,そちらに寄せていったということです。イントロこそ従来のF.O.E戦のBGMですけど。

斉藤:
 そういう理由だったんですね。もう一つの古代さんタイトルはスマホ向けストラテジータイトルの「クリスタル オブ リユニオン」です。演奏するのはタイトル曲と,「四天竜降臨」の2曲です。こちらはどんなコンセプトで制作されたのでしょうか。

古代氏:
 企画担当の瀧澤法弘さんが「世界樹」的なサウンドを希望されていたので,ゲームの世界観を考慮して広がりのあるオーケストラサウンドとしました。
 城がテーマのゆったりとしたRTSであるクリユニではありますが,「やっぱり戦闘曲は入れたい」というご希望もあって……結局,バトルではないシーンで使われているんですけどね(笑)。

古代氏:
 楽曲制作は2014〜5年くらいだったんですけど,収録メンバーも「世界樹X」とだいぶかぶっているんです。


古代氏をゲーム音楽の道へと誘った

80年代の名曲たちをライブ演奏


斉藤:
 古代さんにご出演いただく4star2019 Primal Orchestra Stageには,「80's VIDEO GAME MUSIC SELECTION」というコーナーがあります。ここでは,古代さんが影響を受けたゲーム音楽をセレクトして演奏します。古代さんがとくに影響を受けたゲームの音楽について,あらためて教えてください。

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古代氏:
 もともと私はゲームから発せられる音がすごく好きで,それこそディスクリート(音源チップ以前の回路)で鳴っていた音にすごく惹かれて,温泉場のゲームコーナーにあるブロック崩しや,「サーカス」(編注:ブロック崩しの亜種。ミスすると葬送行進曲のフレーズが流れる)の音に心惹かれるような子供でした。
 その後,「スペースインベーダー」ブームが来て,当然のようにビデオゲームにハマっていくんですけど,その中で初めて「音楽がすごいな!」と意識したのが,まずは1984年に登場したドルアーガの塔でした。

斉藤:
 古代さんにとっての“ゲーム音楽の原点”というわけですね。

古代氏:
 ええ。高校の帰り道に,当時はたくさんあった街中の小さなゲーセンで出会ったんですよ。そこで耳にした曲をどうしても再現したくて,学校帰りにPC-8801SRを持っていたクラスメイトの家に寄って,打ち込みをさせてもらったんです。当初はシーケンサーソフトなんてないですから,BASICでMML(※)を直で入力して。

※BASICは当時の標準的なプログラミング言語。MMLとは「Micro Music Language」の略。BASICで音を鳴らすための書式

斉藤:
 すでにいい話です(笑)。

古代氏:
 その後にもう一つの出会いがあって,これも学校の帰り道の本屋で「ALL ABOUT NAMCO」を見つけたんです。誌面には楽曲を募集していると書いてあって,〆切りは過ぎていたんですけどダメ元で電波新聞社さんに電話をしてみたら,「持ち込みならいつでも歓迎だよ!」と(笑)。
 すぐに楽曲データをカセットテープにセーブして編集部で聴いてもらったら,その場で「ゲームミュージックのコーナーを作らない?」という話になって。

斉藤:
 トントン拍子ですね。

古代氏:
 そういった経緯があるので,「ドルアーガの塔」は,ゲームはもちろん,自分にとって大事な楽曲なんです。

斉藤:
 どの曲を持っていったんですか?

古代氏:
 全曲です(きっぱり)。ゲーセンで聴いたのを耳コピして譜面に起こしていたんですけど,ちょうど譜面がALL ABOUT NAMCOに掲載されていたので,確認がてら修正したバージョンを持っていきました。

斉藤:
 MMLは独学ですか?

古代氏:
 そうです。そこから高校3年生の夏に,コミックマーケットでおにたまさんと出会って,高校を卒業してからは同人ソフトを制作していたサークル「ハーベスト」に誘われて,そこでマイコンの知識を教わりました。
 例えば,BASICってサウンドのテンポが狂うので,「E21Aって番地に数字を書くといいですよ」みたいな情報は,神たまさんに教えてもらったと思います。

斉藤:
 いわゆるマイコンブームがあって,同人サークル活動が花盛りな時代のお話ですね。

古代氏:
 ハーベストは月イチでメンバーが集まる定例会があったのですが,その帰りにゲーセンで遊ぶのがお決まりになっていたんです。そこで出会ったのが「グラディウス」(1985年)です。新しもの好きのメンバーが集まっていたんですけど,そのメンツもうならせるほど衝撃的でしたね。画面のスタイリッシュさに加えて音楽がすごくて,それもやっぱり耳コピしました。

斉藤:
 気に入ったらとにかく耳コピを(笑)。

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古代氏:
 もちろんです。以後しばらく,私の活動はハーベストと電波新聞社が主軸になっていくんですけど,その時期に出会ったのが「スペースハリアー」(1985年)でした。これもまた耳コピをしていたのと同時に,ハーベストの中のGPMというグループで攻略同人誌を作っていたんですが,それを頒布するための許可をもらいにセガに突撃したんですよ。
 そうしたら,(ディレクターの)鈴木 裕さんやHiro師匠が出てきてくれたんです。

斉藤:
 すごい話だ。

古代氏:
 打ち込んだ曲も一緒に持って行ったんですけど,そのときはゲーセンで覚えてきたものを耳コピしただけだったので,Hiro師匠に「なんか違うね,コレ」と言ってもらえたことは,すごくいい思い出です。
 お会いするたびにそのことを話しているんですけど,師匠が「あのとき古代くんを誘っておけばよかった」と返すのが半ばお約束になっています(笑)。

斉藤:
 ゲーム作曲家版“すべらない話”ですね(笑)。こうしてお話を聞いていると,古代さんは音楽と並んでゲームがお好きなんだなと思わされます。

古代氏:
 むしろゲームのほうが好きかも。若い頃は街中でゲーセンを見かけると,必ず小走りで駆けていって「祐三はゲーセンを見つけるとすぐ走るよな」って友達によくネタにされていました(笑)。さすがに大人になってからは走らなくなりましたけど,興味があるものが目の前にあると我慢できない気質は変わってないかもしれません。


画像集 No.009のサムネイル画像 / 「世界樹の迷宮X」「クリスタル オブ リユニオン」の楽曲も演奏決定。4starオーケストラ2019の聞きどころを,ゲスト出演する古代祐三氏が解説
4Gamer:
 それでは最後に,4starオーケストラ2019の注目ポイントをあらためて教えてください。

斉藤:
 繰り返しになりますが,古代さんにゲスト出演していただく4star2019 Primal Orchestra Stageでは,オーケストラ+バンドによる“普段耳にしているサウンド”を目指しています。
 1980年代〜2010年代までと30年近い幅がありますけど,それを同じステージで,同じ編成による生演奏で楽しんでもらえるのは,ゲーム音楽ファンにとって貴重な体験になると思っています。

古代氏:
 この編成で自分の楽曲が聴けるのはうれしいですね。どうせなら客席で聴いてみたい!

斉藤:
 ではお席を用意させていただきます。

古代氏:
 ありがとうございます。自分の曲を客席で聴ける機会ってそうそうないんですよね。最近は自曲を演奏する機会もあるんですけど,どうせ演奏するならほかの作曲家さんの曲を演奏してみたいです。
 というのも,自分の曲だと安心したり身構えてしまったりで,空回りするんですよね。きっとスペハリならノリノリで演奏できるんじゃないかな(笑)。

斉藤:
 それはまた別の機会に調整させてください(笑)。
 今回はとにかく古代さんの曲がかっこいいので,古代さんファンにはぜひお越しいただきたいです。
 そして,時代に関係なく語り継がれる名曲を生演奏でお楽しみください。

古代氏:
 私も会場でみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

4Gamer:
 ありがとうございました。

古代祐三氏(左)と斉藤健二(右)
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ローソンチケットの「4starオーケストラ2019」チケット情報ページ

イープラスの「4starオーケストラ2019」チケット情報ページ

チケットぴあの「4starオーケストラ2019」チケット情報ページ


「4starオーケストラ2019」公式サイト


4年に1度のゲーム音楽フェス『4starオーケストラ2019』


【開催日程】
2019年8月11日(日)
開場:12時30分
開演:13時15分
終演予定:18時00分

【会場】
片柳アリーナ

[最寄り駅]
JR京浜東北線、東急池上線、東急多摩川線「蒲田駅」
蒲田駅西口より徒歩2分

【チケット】
SSシート(1Fセンター):1万6800円
Sシート(1Fサイド・後方): 1万4800円
Aシート(2Fサイド):1万2800円
Afterシート(15:30より入場可):9,800円
大学生・専門学生以下シート:6,800円
Playersシート(演奏参加・2Fステージ寄り・見切れ席):1万4800円

※税込 ※全席指定 ※未就学児入場不可
※SSシート(1Fセンター)は、ローソンチケットのみの販売となります。
※Playersシートは、ステージの一部が見えづらいお席となります。
※Afterシートの入場開始時間は公演内容により前後する場合がございます。
※大学生・専門学生以下シートは、ご入場時に学生証の提示をお願いする場合がございます。

[チケット一般販売]
7月6日(土)〜

チケット販売サイト
ローソンチケット:
https://l-tike.com/4star2019/
イープラス:
https://eplus.jp/sf/detail/2997020001-P0030001
チケットぴあ:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1928301

【出演者】
古代祐三(ゲスト)、柳川和樹(ゲスト)、麻生かほ里(ゲストボーカル)、志村健一(指揮)、竹内健人(指揮)、LaiD Back Gorilla(バンド)、風とキャラバン(尺八、フィドル、アコースティックギター、バウロン)、4star2019 Primal Orchestra(オーケストラ)、4star2019 ensuite Wind Orchestra(吹奏楽) ほか

※出演者や演奏予定のゲームタイトル、楽曲は順次更新してまいります。

【主催】Aetas株式会社
【制作】エイベックス・エンタテインメント株式会社

【お問い合わせ】
公演に関するお問い合わせは、下記宛てにご連絡ください。

HOT STUFF PROMOTION
03-5720-9999(平日12:00-18:00)
http://www.red-hot.ne.jp
※【お願い】会場へのお問い合わせはご遠慮ください。

【4年に1度のゲーム音楽フェス『4starオーケストラ2019』公式サイト・ツイッター】
http://www.2083.jp/4star2019/
https://twitter.com/2083info
  • 関連タイトル:

    世界樹の迷宮X

  • 関連タイトル:

    クリスタル オブ リユニオン

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    クリスタル オブ リユニオン

  • 関連タイトル:

    クリスタル オブ リユニオン

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