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波に揉まれて流れ着いたのは,遥か昔の文明が眠る見知らぬ群島。
崩れかけた神殿に,自分とそっくりな姿をした巨大な神々の像が並んでいた。
本日は,イギリスのインディースタジオInresinが手掛ける「ゲッコー・ゴッズ」を紹介しよう。本作は,文明が滅び去った群島を舞台にしたパズル・アドベンチャーゲームだ。
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プレイヤーは小さな青いヤモリを操作し,木製の小舟で島から島へと渡りながら,水・火山・砂漠を司る三柱のゲッコー神を眠りから目覚めさせていく。戦闘や時間制限はほぼなく,群島をのんびり巡って遺跡の仕掛けを解いていくのが冒険の中心となる。
ヤモリに進めぬ道はなし
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本作の手触りを決めているのは,やはりヤモリならではの動きだろう。床はもちろん,壁にも天井にも吸い付くように張り付き,足場を選ばずペタペタと登っていける。
神殿の柱を駆け上がっても,洞窟の岩肌を這っていっても,どこにも違和感がない。この「どこにでも行ける」感覚が,立体的に組まれた神殿の構造とバッチリ噛み合っている。
ある部屋に入ると,正面の通路は行き止まりに見える。だが頭上に目を向ければ,天井を渡ってその先へ抜ける道が浮かび上がってくる。世界そのものが立体パズルになっていて,視点を切り替えるだけで道筋がガラリと変わる。
「下から見るか,上から見るか,それとも横から這っていくか」。この選択肢の多さが,本作の冒険をぐっと楽しくしている。
結構考えさせられるパズル
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各神殿のクリア目標は,奥に据えられた銅鑼を鳴らすこと。だがそこへ辿り着くまでには,水位を下げたり,光を反射させたり,落ちる床を駆け抜けたりと,いくつもの仕掛けを突破する必要がある。
ヤモリは小さな口でレバーを咥えて引く。これがそのまま操作アクションになっており,スイッチ一つ動かすにも「ヤモリが頑張っている」感じが伝わってくる。
パズルのバリエーションは豊富で,島ごとに新しい仕掛けが顔を出す。ピースをスライドさせる古典的な謎解きから,光をミラーで導く広域パズルまで,飽きさせない構成だ。詰まったとしても急かされることはなく,自分のペースでじっくり考えられるのも嬉しい。
小舟で群島を巡る自由な航路
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最初の島をクリアすると,木製の小舟が手に入り,広大な群島が一気に開ける。どの島に行くかはプレイヤーの自由で,攻略順は固定されていない。穏やかな海をのんびり漕いでいると,遠くに別の島影が見えてくる。気になったほうへ舵を切れば,そこには新たな謎と虫の住処が待っている。
島ごとに気候も雰囲気も違い,砂浜,洞窟,神殿,火山と表情が次々に切り替わるため,移動そのものが楽しい時間になっている。日没が美しく,夜になれば星空の下を航海することもできる。目的地に急ぐ旅ではなく,寄り道こそが本筋という設計が,本作全体の穏やかなトーンを支えている。
「ゲッコー・ゴッズ」は,壁を登り天井を渡るというヤモリならではの動きを軸に,立体的な探索とパズルを心地よくまとめ上げた一作だ。難しすぎず,急かされず,それでいて発見の手応えはしっかりとある。
雰囲気重視のコージーゲームが好きな人,「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のような自由探索を,もっと小さなスケールで穏やかに味わいたい人には特におすすめだ。
























