トム・クランシーシリーズの最新作「Rainbow 6: Patriots」のデビュームービーがSpike TV Video Game Awardsで公開

　Ubisoft Entertainmentは，Rainbow Sixシリーズの最新作となる「Tom Clancy's Rainbow 6 Patriots」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）のデビュームービーを，アメリカ時間の2011年12月10日に開催されたイベント「Spike TV Video Game Awards」で公開した。

「Tom Clancy's Rainbow 6 Patriots」公式サイト（要年齢認証）

　今回のRainbow 6 Patriotsでは，過去に例を見ない負債や雇用率の低下，格差の広がりや年金の消滅など，とどまるところを知らない苦境に喘ぐ現在のアメリカを舞台に，この状況を生んだ政治家や金融業界の大物を狙うテロリスト集団“トゥルー・パトリオッツ”と，彼らのテロ行為を防ごうとする特殊部隊レインボーの姿が描かれることになる。
　市民の抗議運動である「ウォール街占拠運動」が話題になったアメリカだが，悪化し続ける経済に対して，やり場のない怒りを感じている市民は少なくない。意図したものか偶然なのかは分からないが，Rainbow 6 Patriotsは，そんな実際の政治状況を巧みに反映させた設定になっているのだ。


　今回リリースされたムービーでは，金融業界の大物と見られる人物に爆弾を装着するという，かなりむごいシーンが見られるが，トゥルー・パトリオッツは怒りにまかせてターゲットを殺害するだけの，大きな目的のない組織であり，これまでレインボーが戦ってきた相手とは毛色が異なる。
　そのため，レインボーの隊長であるJames Wolfeは新たな手法を取り入れることを決心し，例えば民間人の多少の被害には目をつぶるといった，法を超えた戦法が用いられることになった。本作には，Wolfeが命ずる犠牲無視のやり方に従うか，あるいは自分のやり方を貫くか，といった難しい選択肢が用意されているという。

　ゲームプレイに関して多くの情報は出ていないものの，「Unreal Engine 3」を使用していた前作「Rainbow Six: Vegas 2」と異なり，本作では「Assassin's Creed」シリーズに使われている自社開発のゲームエンジン「Anvil Engine」が採用されており，滑らかなヒューマンアクションが再現されている。レインボーの隊員達が，まさにパルクールのようにビルからビルへとすばやく移動する姿が見られるかもしれない。
　また，頭，肩，背中，足など，被弾した場所で異なるキャラクターアニメーションが用いられるのに加え，銃器の威力も細かく設定されているため，敵が被弾したときのリアクションも銃器によって異なるものになる。


　Rainbow 6 Patriotsは，PCおよびPlayStation 3，Xbox 360向けに2013年内に発売される予定だ。Rainbow Sixシリーズは，「Battlefield」や「Call of Duty」シリーズよりも早い，1999年から続くミリタリーアクションの草分け的な存在。ファンにとっては，今回のシリアスな設定や，Anvil Engineの採用といった独自性の追求が楽しみだ。マルチプレイモードでも面白い工夫がなされているとのことで，発売はずいぶん先のことになるものの，今後の進展は要チェックだろう。