平成17年(2005年)
1月 日本初のプロゲーマー誕生(関連記事)
1月27日 Take Twoの新レーベルとして「2K Games」が設立
1月31日 PC用オンラインゲーム「ダーク・エイジ・オブ・キャメロット」日本語版の正式サービスが開始
2月14日 YouTube開設
2月14日 「Master of Epic」で“血のバレンタイン”事件が発生
2月17日 PlayStation 2用ソフト「GLADIATOR -ROAD TO FREEDOM-」発売
2月24日 PlayStation 2用ソフト「真・三國無双4」発売
2月24日 PC用オンラインゲーム「RED STONE」の正式サービスが開始
3月15日 アーケードゲーム「三国志大戦」が稼働
3月16日 「大航海時代 Online」PC版の正式サービス開始
3月31日 PC用オンラインゲーム「Master of Epic:The ResonanceAge Universe」正式サービス開始
4月1日 個人情報保護法全面施行
4月11日 ハドソンがコナミの子会社に
(関連記事)
4月15日 テレビアニメ「ドラえもん」がリニューアル
4月26日 PC用オンラインゲーム「マビノギ」の正式サービスがスタート
5月12日 オンラインゲーム「フロントミッションオンライン」,PlayStation 2版のサービスがスタート
6月16日 PC用オンラインゲーム「EverQuest II」正式サービス開始
6月21日 PC用ソフト「バトルフィールド2」発売
6月23日 ニンテンドーDS用ソフト「がんばれゴエモン 東海道中 大江戸天狗り返しの巻」発売
7月21日 PlayStation 2用ソフト「戦国BASARA」発売
8月4日 PlayStation 2用ソフト「アーマード・コア ラストレイヴン」発売
9月13日 「World of Warcraft」で「ケガレた血事件」が発生。仮想世界で初めてパンデミックが起こる
9月13日 ゲームボーイミクロ発売
任天堂が発売した,ゲームボーイアドバンスのボタンレイアウトをほぼ同一のまま小型,軽量化した携帯用ゲーム機。ゲームボーイアドバンス用ソフトを利用できた。写真はゲームボーイミクロ(ファミコンバージョン&ファミコンIIコンバージョン)
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9月29日 PC用オンラインゲーム「UniversalCentury.net GUNDAM ONLINE」正式サービス開始
10月18日 PC用ソフト「エイジ オブ エンパイアIII」発売
10月23日 武豊騎手騎乗のディープインパクトが菊花賞に勝利し,史上6頭目の三冠馬に
10月27日 PlayStation 2用ソフト「ワンダと巨像」発売
11月17日 PlayStation 2用ソフト「ゴッド・オブ・ウォー」発売
12月1日 PSP用ソフト「モンスターハンター ポータブル」発売
■「モンスターハンターポータブル」:落ちこぼれがPSPで立派なハンターに (ライター:箭本進一)
実のところ,「モンハン」について僕はまぎれもない落ちこぼれで,楽しくハンターライフを送る友達を,端から羨ましく眺めるばかりだった。PlayStation 2で出た初代「モンスターハンター」と「モンスターハンターG」,2度にわたって僕は行き詰まり,最初の難関である怪鳥「イャンクック」もまともに狩れない有様だった。
装備を作ろうにも,金もなければ素材もない。「大タル爆弾」がいいらしいと聞いたがうまく使えず,「黄金魚」の納品が儲かると聞いて釣りに出かけたものの,黄金魚はそこまで頻繁に出るわけではなく,思っていたほどは稼げない。噂というか情報に振りまわされ,疲弊するばかりで成果は上がらず,ゴールドラッシュに出遅れて右往左往している開拓者はこんな気持ちだったのだろうか……などと思っていたものだ。
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そんな中,平成17年(2005年)にPlayStation Portableでカプコンから発売されたのが「モンスターハンターポータブル」(以下,MHP)だ。3度目の正直ということで僕は「MHP」を買い,もう一度だけハンターとしてやってみる気になった。そして,僕のハンターライフはゆっくりと前進を始めたのだ。
とはいえ,それは僕がうまくなったからではない。以前よりも難度が下げられたのに加え,「ココット農場」で村にいながらにして植物や魚といった消耗品の素材が手に入るようになったのが大きい。
かつては小銭といささかの素材しか入っていなかった自宅のボックスは,あっという間に狩りの戦利品と装備であふれかえった。武具屋に行っては指をくわえて売り物を眺めていた僕が,いろいろな素材を持ち込んでは大金を払ってレア装備を作るお得意さんになれた。そして,辛く苦しかった狩りは,モンスターと自己の限界に挑戦するという,やりがい溢れるものになった。友達が狩るのを眺めているばかりだった「リオレウス」「リオレイア」といった飛竜たち。
そして巨大古龍「ラオシャンロン」と自分が対峙している。羨望の日々があっただけに,自分の足で狩り場に立ったときの感激は格別だった。霧の向こうからラオシャンロンの巨体が現れ,砦に向かって歩いてくる。最終決戦でメインテーマ「英雄の証」が流れたとき,「やっと自分もハンターになれたのだ」と思ったのを,ハッキリと覚えている。
そして「モンスターハンター ポータブル 2nd G」からブームが始まり,続く「3rd」ではさらに「モンハン」の名が広まるようになった。このブームを加速したのが,インターネットを介してほかのプレイヤーと交流するためのツール「Xlink Kai」の存在だ。そこにはPSPのゲームごとにロビーが設けられており,誘い合わせてマルチプレイを楽しむことができたが,実質「MHP」専用ツールといっても過言ではない位,人口の偏りがあった。
ロビーではハンターたちが自分で部屋を建てたり,募集をかけたりと実に賑やかだった。一方,ハンター人口の増加に伴う風紀の乱れもあったのも確かだ。狩りに参加せずに分け前だけをせしめる“寄生”ハンター,データ改造で作り出された強力なオトモアイルー(パートナー)「悪魔猫」を配るハンター,それを求めるハンターなど,状況はなかなかのカオスだったのだ。
Xlink Kaiのおかげでさまざまなハンターたちと狩りを楽しめた。僕はその頃,マイナー武器とされていた「狩猟笛」を使っていて,Xlink Kaiでも同志を見つけることは少なかった。だから,たまに狩猟笛使いがいると,とても嬉しかったのを覚えている。狩猟笛はいわゆる“寄生”武器だといわれることもあったが,僕の出会った狩猟笛使いたちはみんな勇猛果敢でノリが良く,ゲームを全員で楽しもうとしていた人たちだった。
2人で狩猟笛を使っていると,ほかのメンバーも狩猟笛を持ち出してきて,いろいろな狩猟笛でセッションのように狩りをした。これから狩猟笛を使いたいが,素材が足りないという“新入部員”がいれば,彼が満足するまで狩りに付き合った。狩猟笛で狩りをするうち,いつの間にか柄による尻尾の切断チャレンジが始まり,それでダメならブーメランも加え,皆でシビレ罠を調合できるだけ調合してモンスターの動きを封じて尻尾を狙い,時間切れになって大笑いしたこともあった。さまざまな思い出が頭をよぎる。狩猟笛使いに悪人はいない,というのが僕の持論だ。
僕が「モンハン」で一番楽しかったのは,マルチプレイで狩りをしていて,モンスターに初めて出会ったとき,皆が散開していく瞬間である。ハンマーや狩猟笛といった鈍器を持った人は頭へ向かい,太刀や片手剣の使い手は尻尾を切るために後ろへ回り込み,双剣を装備した人は足を狙い,大剣使いはタメを始め,ボウガンや弓を装備した人は射撃位置につく。
そこには無言の信頼があった。お互いの名前すらも知らぬ4人は1体のモンスターハンターとなり,巨大なモンスターを喰らわんがばかりに顎を開き,牙を剥く。年齢も性別も関係ない,狩りに求められる機能としての連帯感。散開がスムーズにいくたび「今度も良い狩りができそうだ」と,僕は一人で笑うのだった。
12月8日 PlayStation 2用ソフト「龍が如く発売」
■「龍が如く」:東京に住んで良かったと思わせるゲイム (ライター:男色ディーノ)
広島県の尾道出身,ゲイレスラーの男色ディーノです。私は高校まで尾道にいて,大学時代は大阪,そこから2002年に上京し今に至るのね。最初はこの東京砂漠に飲み込まれるんじゃないかと不安だった私だけど,今ではもう慣れきって東京以外での生活が考えられない程度ビルディングジャングルに染まってしまってるわ。東京に来て,嫌だったことは,花粉がひどいこと。
一方で東京に来てよかったと思っていることは「龍が如く」をより楽しめてるってこと。いや本気で。このゲイムは平成17年(2005年)にPlayStation 2で発売されているんだけど,新宿のある街を再現していることで話題になったのよね。ゲイム内では神室町という名前だけれど。発売当時すでに東京に住んでいた私としては,その街並みの再現具合が分かるわけですよ。ああここにパチンコ屋があるな,ゲイム内でKUMA劇場がある場所にはあの劇場があるなって。15年近く経過した今はもうその場所に劇場はなく,本当にミレニアムタワーみたいなのが建ってるんだけどね。時の流れは本当に恐ろしい。
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でも,そういう街のリアリティを感じられたことは,ゲイムしててよかったなって思える瞬間でもあったのよね。私の人生で,これを超える「東京に住んでて良かった」はまだ見つかっていないわ。それくらい街がリアルだった。そりゃね,今見たらCGっぽいなとか思うところはあるわよ。でも,当時は画期的だったのは間違いない。だからといって,「龍が如く」が画期的だったのは街の再現度だけではないのよね。裏社会を描いた物語もまた,今までにない切り口だったわ。今でもそうなんだけど物事を表現する側としては,裏社会って触れづらいものなのよね。嘘なら嘘で,リアルならリアルで怖い。だからこそ,堂々と裏社会を描いた物語は鮮烈で,プレイする側に新しい感覚を植え付けたわ。
この点に関しては,今も他の追随を許してはいない。我々のような表の世界の住人が知らない世界を,唯一描いている作品。実際はこの世界が嘘か本当かなんて知る由もないんだけど,重要なのは「こういう世界なんだろうな」と思わせてくれること。そして,桐生一馬という主人公が,とても魅力的なキャラクターだということ。龍が如くシリーズファンの私としては,もはや桐生一馬を信頼してるのよね。そして,桐生一馬が織りなす物語を楽しんでいる。冷静に考えたら,桐生一馬のヤっていることって滅茶苦茶なのよ。すぐ暴力に訴えるし,いろいろなキャバ嬢に同じように愛を語って同時進行でぽわわーんしてるし,信号無視するし,店の看板すぐ壊すし,ただのチンピラとの喧嘩で銃ぶっ放すし。でも,いつの間にかシリーズを重ねるごとに「まあ,桐生だし」って妙な納得をさせられてる自分に気づく。これをキャラに対する信頼と言わずなんと言えばいいのか。
ゲイムは往々にして「主人公に自分を投影して楽しむもの」っていう一面を持つわ。自分が名前をつけて,自分が育てて,自分がカスタマイズするものが多いから。でも,龍が如くは違う。桐生一馬がどんな事件に巻き込まれ,何を思い,行動したか。それを楽しむゲイムなの。ここがキモ。電脳世界で自分が強くなるわけじゃない。桐生一馬の強さ,言動を楽しむ。これが龍が如くなのね。
ところで,ゲイムファンが胸を張れる瞬間をくれるってのも「龍が如く」の特徴かもしれないわね。というのも,このゲイムの話題がよく一般メディアに流れたのよ。主にワイドショーで。有名人をゲイムに大胆に起用したのは「龍が如く」がパイオニアじゃないかしら。もちろん,有名人が冠となったゲイムはファミコン時代からあったのよ。でも,声優さんとしてプラス,ゲイムのキャストとして有名人が多数起用された作品って「龍が如く」が走りだと私は思ってる。
こういう,普段ゲイムをしない人たちにも届くような仕掛けをしていったことに,私は謎の感謝をしてるのよね。「ゲイムを広げてくれてありがとう!」って。まあ,キャストが芸能界を引退してしまったり,直接「龍が如く」ではないけど,不祥事の影響を受けてしまったりというデメリットもあるにはある。何ならそれも込みで世の中とのつながりを意識させられるゲイムってことなのよね。
「龍が如く」は,その時々の現実の世界の移り変わりを反映した,平成を代表する作品であるということは,平成が終わらんとしている今こそ声を大にして言っておきたいわ。これからも,元号がかわっても龍が如くスタジオは年々変化していく神室町を描き続け,新作が出るたびに,私に「東京に住んで良かった」と思わせ続けてくれることでしょう。
12月9日 PC用オンラインゲーム「エミル・クロニクル・オンライン」正式サービス開始
12月10日 マイクロソフト,家庭用ゲーム機「Xbox 360」を発売
■「Xbox 360」:Xという名の技術の暴走を生む土台 (ライター:箭本進一)
“ネットワーク機能や風変わりな周辺機器で,ユニークな体験をさせてくれるパワフルなマシン”というのが,Xboxファミリーの個人的な印象だ。初代Xboxは筐体上面に巨大な「X」の字が刻まれた男っぽい機械で,出るソフトもまた,ことごとく男っぽかった。なんといっても,あの「鉄騎」が出たのだから,もうなんというか,良い意味でブッ飛んでいた。
鉄騎は究極ともいえるロボットゲームで,公式ジャンル名はなんと“操縦”。ロボットの操縦席を模した専用コントローラは,約90センチ×25センチのコンソールに40個のボタンと3本のレバーが並んでおり,これに3つのペダルを加えて完成となる。パッケージの重量はなんと8kg。1万9800円も払ったのだからこれ以上お金は使えないと,購入時には持ち帰ることを選んでしまった。
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8kgの箱をえっちらおっちらと運んでは,鉄騎への期待に胸を膨らませ,宅配を頼めば良かったと後悔しつつ,肩の痛みにうめき声を上げ……と散々な目にあいながら家路を急いだものだった。
PC用のテーブルの上にコンソールを配したはいいものの,そのテーブルは仕事にも使うものだった。鉄騎をプレイし終えるたびにコンソールを片付けるのはしんどい作業ではあったが,繰り返すことで練度が上がっていくのが何だか嬉しくもあった。さすがにペダルだけは足元にそのまま置いておき,PCで仕事をして行き詰まったときなどに,キコキコと踏むのが習慣になった(実は,今でも仕事中に足が動いてしまうことがある)。
Xbox 360は先代から一転してオシャレな家電風になり,安心すると同時に少し物足りなくも感じたものだった。ネットワーク接続やダウンロードソフト販売など,いろいろなものの過渡期に生まれたゲーム機だったと思う。僕はクレジットカードの情報をゲーム機に記憶させてダウンロードソフトを買ったのはXbox 360が初めてだ。「Castle Crushers」「悪魔城ドラキュラHD」といった協力系ソフトに名作が多く,そこにはプレイを通した濃密なコミュニケーションがあった。
また,未来宇宙で戦闘機に様々な武装を積み込んで戦う「PROJECT SYLPHEED」。ある時は歩兵で,またある時はロボットに乗り込むFPS「タイタンフォール」。ベーシックなシューティングの楽しさを再確認させてくれる「エスカトス」。イカす魔女が天使をお仕置きする「ベヨネッタ」。アメコミヒーローとカプコンヒーローが楽しく連続技を決める「マーヴル VS. カプコン3 フェイト オブ トゥー ワールド」など,多くのソフトを楽しんだのもXbox 360だ。
だが僕は,Xbox 360を酷使し,ついにレッドリングオブデスを出してしまった。故障を示す赤ランプが電源の周囲に3つ灯ったとき,妙に冷静だったことを覚えている。残念ながら,すでに保証期間外だったため,無償修理は受けられなかったが,僕は迷わず有償での修理を頼んだ。それくらいに楽しいゲーム機であったのだ。
そして2010年11月,僕はまだかまだかと荷物の到着を待っていた。そう,「Kinect」だ。Kinectはカメラとセンサーによってプレイヤーの動きを認識し,コントローラなしでゲームを遊ぶことができる,まさに未来の機械だ。箱から取り出したセンサーは意外と小さく,セッティングもあっさりと完了した。鉄騎とはえらい違いだ。
Kinectに同梱されていた「Kinectアドベンチャー!」は,野外生活的なアクティビティを体験するという内容で,実際に身体を動かしてイカダの進路を変えたり,ボールを壁打ちしたり,あちこちの水漏れを手足でふさいだりする。最初は何となく照れがあって動きも小さかったのだが,ゲームが進むうちにそうした気後れもなくなり,やがてはわざと外国風のオーバーアクションをして楽しむようにもなった。
一つだけ困ったのが,カメラを使った記念撮影だ。ゲームが白熱してヘンなポーズを取っているときに限って記念撮影が行われ,一息ついた際に「これがお前だ! ノリノリになっているお前の現実の姿だ!」とばかりに突きつけられる。カメラに撮られなれていない僕にとっては,地獄だった。
そんな羞恥心を取っ払ってくれたのが「マイケル・ジャクソン ザ・エクスペリエンス」だ。本作は,「スリラー」「バッド」「今夜はビート・イット」といったマイケルの名曲に合わせて踊るという身体を使った音ゲー。自分の姿がそのまま表示されるのではなく,加工されているため,あまり抵抗なくゲームに熱中できた。足踏みをすると画面内ではムーンウォークが決まり,両足を広げるだけであのナナメ立ち(ゼロ・グラヴィティ)ができるというのは夢のような体験で,ゲーム発売の前年に亡くなったマイケルを偲びつつ,テンションが上がって部屋で一人「フー!」と叫んだものだった。
その時,僕はなぜか鉄騎コントローラのことを思い出していた。鉄騎とKinect,そこには技術の粋をつくし,勢いに任せて前のめりに突っ走る,未来への暴走があったと思う。
残念ながら,現在日本国内ではXbox Oneが順風満帆とは言い難い。しかし,次の世代で鉄騎やKinectに負けないほどの技術の暴走が発生するような土台を,再び作ってくれるのではないかと期待しているのだ。
12月28日 PlayStation 2用ソフト「FRONT MISSION5 Scars of the War」発売
12月29日 ニンテンドーDS用ソフト「川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」発売
平成18年(2006年)
1月16日 証券取引法違反容疑でライブドア(現LDH)に強制捜査が入り,1月17日に株式市場が暴落
1月19日 第1回WebMoney Awardが発表。グランプリは「Livly Island」が受賞
1月26日 PC/PS2/PSP用ソフト「スター・ウォーズ バトルフロントII」発売
1月26日 PlayStation 2用ソフト「ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII」 発売
1月27日 PC用オンラインゲーム「GuildWars」サービス開始
1月28日 モバイルSuicaのサービスがスタート
2月9日 PlayStation 2用ソフト「SIREN2」発売
2月10日 トリノオリンピックが開幕。フィギュアスケートの女子シングルで荒川静香選手が金メダルを獲得。イナバウアーがその年の流行語大賞に
2月11日 表参道ヒルズがオープン
2月28日 PC用オンランゲーム「Dungeons & Dragons Online」サービス開始
3月1日 タカラとトミーが合併,タカラトミーが発足
3月2日 任天堂,携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS Lite」を発売
3月21日 野球の世界一決定戦,「ワールド・ベースボール・クラシック」で日本が初代王者に
3月10日 PC用オンラインゲーム「C21」の正式サービスが開始
3月16日 PlayStation 2用ソフト「ファイナルファンタジーXII」 発売
3月20日 PC用ソフト「The Elder Scrolls IV: Oblivion」 発売
■「The Elder Scrolls IV: Oblivion」:200年前に戻って再訪したシロディールで,デイゴンやシェオゴラスと握手! (ライター:津雲回転)
「なにやら海外発の凄いゲームが日本で出るらしい」。確か自分が最初に聞いた「The Elder Scrolls IV: Oblivion」(以下,Oblivion)の噂は,そんな話だったように記憶している。
Oblivionは,ベセスダソフトワークスの看板作品「The Elder Scrolls」シリーズの,4番目のナンバリング作品だ。同作,そして次作の「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)が日本でもヒット作になった今でこそ,これは周知の事実だと思うが,Oblivion以前の作品は日本ではまともに流通しておらず,当時筆者はTESシリーズの存在すら知らなかった。なので「4」という数字が付いているものの,その辺りはまったく気にせずに,純粋に「洋ゲーRPGの日本語版」としてプレイしていた。
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さて実際にプレイし始めて驚いたのは,その圧倒的な物量だった。どこまでも続く美しいシロディールの風景もさることながら,そこらにある樽やコンテナはそれぞれ全部調べられるし,道中に出てくるNPCにはみんな話しかることが可能で,吹き替えこそされていないもののフルボイスでしゃべる。それどころか,彼らはそれぞれ自分の決められたスケジュールに則って,ゲームの中で生活していた。また,屋内の食品や雑貨などのアイテムは飾りではなく,取得すれば手持ちのアイテムにできる。おまけに一部のアイテムには所有権が設定され,盗むと泥棒になってしまって本当に独房で服役することになったりと,その作り込みには感服した。
また自由度も非常に高く,「デイゴンの魔の手から世界を救う」というメインシナリオはあるものの,お使い,人助け,ギルドのクエストなどどれから進めてもいいし,好きなときに中断しても構わなかった。実際筆者もそこら中を駆け回り,ダンジョンを見つけてはゴブリンやゾンビにビビったり,アイレイドの遺跡で迷ったあげく罠に引っかかったり,帝都で鎧を着たいかつい男に「スターーーップ!」と声かけを食らったりと,寄り道のしすぎで何をしようとしていたのか忘れることも多々あった。
現在ではこういったオープンワールドRPGは珍しくないが,当時は強烈に新鮮に感じたし,逆に新鮮すぎて「どうクリアしたらいいんだろう?」とすら思っていたような記憶もある。
ただOblivionには,シリーズでもまだ手探りの部分が多かったのか,システム的にこなれていないポイントも結構あった。個人的にはそんなに気にはならなかったが,キャラクターの造形はかなりネタにされていたし,メジャーとマイナーのスキル値を調節する必要があるレベルアップの仕組みはかなり複雑で,初心者にはあまりにも分かりにくかった。ダンジョンの数は多いものの,どれも作りが似たり寄ったりで迷いやすく,敵も途中から雑魚のゴブリンが異常に強くなったり(ゴブリンの武将!)と,バランスに関しての問題もあったと思う。
もちろんベセスダ作品恒例の難度調整機能がついており,難度を下げれば敵は簡単に倒せるのだが,そこはそれ,ゲーマーにとって難度を下げることは負けに等しいわけで,デフォルトでプレイしていた。結局その後,多すぎるクエストに圧倒されたのか,あるいはオブリビオンゲートを閉じるのが難しかったのか,たぶんそんな理由で,途中でプレイを諦めてしまっていたのだ。
プレイを再開したのはそれから何年も後の,実は続編のSkyrimをクリアしてからのことだ。Skyrimの世界をがっつり堪能した筆者は,前作の舞台であるシロディールを再度しっかり訪問してみたくなった。また当時はちんぷんかんぷんだったストーリーやシリーズ用語も,多くを理解できるようになっているだろうという期待もあったと思う。Skyrimでは固く閉ざされているシロディールへの門も,時を遡りOblivionの時代なら自由に訪れられるのだ。
それともう一つ,筆者にはある計画があって,それは「MODを使えば旧作でもより快適にプレイできるのでは」と考えていた。MODというのは“Modification”の略語で,簡単にいえば改造や拡張プログラムのこと。ベセスダは元々MODに寛容な立場のメーカーであり,本作には多数のMODが提供されていて,グラフィックスの改修はもちろん,設定の変更やバグの修正,さらにはクエストを追加することさえ可能だった。一部では,一時期MODを入れたOblivionでゲーム日記を書くのがブームになっていたようだ。
というわけでPC版のOblivionをMOD込みでプレイし直したのだが,同じゲームなのに,ハッキリ言って以前遊んでいたのとは別なゲームに感じられた。シロディールはスカイリム地方とは建築や人種構成などがまったく違うし,帝都はその規模もさることながら,白金の塔や闘技場(アリーナ)もあって観光地として最適。またSkyrimでは存在しない各地の魔術師ギルドや,同胞団とまったく違う戦士ギルド,そして貴重品で見つけづらいニルンルートなど,当時はスルーしていたいろいろなものが一気に興味深く見えてきたのだ。まさに「Oblivionの再発見」という感じだった。
ちなみに筆者は元のゲームの雰囲気をなるべく壊したくなかったので,導入したMODは最小限に近く,環境グラフィックスの強化とバグ修正,そしてレベルアップとエンチャントシステムの簡略化ぐらいしか行わなかった。ただそれだけでも,圧倒的にプレイしやすくなった。
「えっ,キャラクターCGの差し替え?」そんなのは,Oblivionの名ヒロイン達である,正統派さらわれ系トカゲ美少女のダル=マや,誇り高き美少女オーク女騎士のマゾーガ卿に失礼だろう。もちろん却下である。
ただOblivionとSkyrimは直接的な続編であるものの,時代としては200年が経過しており,共通して登場するキャラクターは非常に少ない。ほとんどが書物でその存在に触れる程度か,例外的に死体や幽霊と対面できるだけでこれが結構残念だったのだが,もちろん例外もある。
それは時間を超越した存在のデイドラで,Skyrimでは超チョイ役だったデイゴンの巨大な姿を直接拝めたり,DLCで狂気の王シェオゴラスの本拠地に乗り込んだりと,これもまた存分に楽しむことができた。やはり「会いに行けるアイドル(?)」は重要である。
ベセスダは以前以上にMODの導入に積極的になっており,現在は公式のサービスから,コンシューマ版のソフトでもMODが導入できるようになっている。さすがに機種によってはグラフィックスの差し替えはできないが,それでも「黙認」レベルとはまるで違う対応であることに間違いはない。恐らくこの流れは,すでに開発が発表されている「The Elder Scrolls VI」でも引き継がれるだろう。ゲーム自体はもちろん,令和に登場するはずの次回作ではどんなMODが誕生するのかにも期待したい。
3月31日 PC用オンラインゲーム「君主Online」 サービス開始
4月1日 ワンセグの放送がスタート
4月20日 PlayStation 2用ソフト「大神」 発売
4月20日 ゲームボーイアドバンス用ソフト「MOTHER3」 発売
5月15日 ニンテンドーDS用ソフト「New スーパーマリオブラザーズ」発売
5月25日 PlayStation 2用ソフト「キミキス」発売
6月9日 2006 FIFAワールドカップが開幕。優勝はイタリア
6月23日 ニンテンドーDS用ソフト「クッキングママ」 発売
6月26日 PC用ソフト「Titan Quest」発売
7月13日 PlayStation 2用ソフト「ペルソナ3」 発売
7月15日 劇場版「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海の王子 マナフィ」公開
7月20日 「ラグナロクオンライン」で不正アクセスを行ったガンホー・オンライン・エンターテイメントの社員が逮捕(関連記事)
7月21日 PC用オンラインゲーム「グラナド・エスパダ」 の正式サービスがスタート
7月27日 PC/Xbox 360用ソフト「バレットウィッチ」発売
8月31日 PS Vita用ソフト「ヴァルハラナイツ 」発売
9月12日 PC用ソフト「カンパニー・オブ・ヒーローズ」 発売
9月20日 PC用オンラインゲーム「アラド戦記」 サービス開始
9月26日 安倍晋三氏が第90第内閣総理大臣に就任し,第一次安倍内閣が発足
9月27日 PC/Xbox 360/PS2/Xbox用ソフト「Just Cause」 発売
9月28日 Xbox 360用ソフト「DEAD RISING」が 発売
9月28日 ニンテンドーDS用ソフト「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール 」発売
10月24日 PC/PS2用オンラインゲーム「ファンタシースターユニバース」 の正式サービスがスタート(Xbox 360版は同12月14日)
10月26日 ニンテンドーDS用ソフト「テイルズ オブ ザ テンペスト」 発売
11月13日 GoogleがYouTubeを買収
11月11日 ソニー・コンピュータエンタテインメントが家庭用ゲーム機PlayStation 3を発売
ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が2006年11月11日に発売した据え置き型ゲーム機。オンラインサービスの「PlayStation Network」が利用できるほか,PSPやPS Vitaといった携帯ゲーム機と連携するのが特徴となっている。また,BD-ROMドライブを採用し,標準でBlu-rayビデオの再生に対応している。発売からしばらくは入手困難な時期が続いた
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11月11日 PlayStation 3用ソフト「機動戦士ガンダム Target in Sight」発売
11月11日 PlayStation 3用ソフト「まいにちいっしょ」 発売(PSP版は2008年10月15日)
11月11日 PlayStation 3用ソフト「リッジレーサー7」 発売
11月28日 PC用オンラインゲーム「CABAL Online」 サービス開始
12月2日 任天堂が家庭用ゲーム機「Wii」を発売
■「Wii」:まさに“ファミリーコンピュータ”になれたゲーム機 (ライター:男色ディーノ)
据え置き機ゲイムハードのことをよく「家庭用ゲイム機」と表現するけれども,私はWiiほど「家庭」をターゲットにしたゲイムハードはないと思っているわ。そうは言っても,昔から任天堂は「ファミリーコンピュータ」と名付けたように,家族で楽しめるゲイム機を目指してヤッてきてた感はある。それでも結果的にファミコンやスーパーファミコンは,ファミリーというよりも子供が多く遊んでいたわよね。で,イメージとしてゲイムは子供が遊ぶものという認識が定着していった。それが昭和の後半の方よね。でも,平成18年(2006年)に発売されたWiiは,そのイメージを一掃させたと私は思っているの。
それにはいろいろな背景があるわ。昭和の後半から平成の初めくらいにゲイムで遊んでいた層が大人になって,ゲイムに対する偏見がなくなった点もあるでしょう。そして,ちゃんと家族で楽しめるような遊びが提供されるようになったのも大きいと思うわ。ゲイム文化が世の中に定着し,成熟してきたタイミングで出た任天堂のハードがWiiで,しっかりとその戦略がハマったことでWiiの成功があったんだなと私は思っているの。
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とくに私は,そのデザインが秀逸だったと思っているわ。コントローラが従来のゲイム機のコントローラっぽくない。これが何よりすごかった。持って動かすだけでキャラを操ることができるのよ。これほど直感的で分かりやすいものはないわ。ゲイム機というよりも,近未来のおもちゃという感覚。グラフィックスもそう。当時はどれだけリアルな描写ができるかというマシンパワーを追求しがちだったゲイム業界だったけど,Wiiはその方向には向かわなかった。Miiを普及させたことに代表されるように,あくまでデフォルメされたキャラで楽しませる方向に舵を切ったのね。
自分のアバターを作成するという流行に乗った一面もあるんだろうけど。結果,自分によく似たキャラクターを作りゲイム内に登場させることによって,感情移入させることに成功していた。そして,ちゃんとファミリーゲイムが多くラインナップされていた。もちろん一人で遊べるゲイムも用意されていたけど,主に生活の中でちょっとの時間で楽しめるようなゲイムが多かったのも,ライトユーザーにとってはちょうど良かったのかもしれない。
「Wii FIT」なんかがそのいい例よね。これはゲイムというよりは,現実の生活の中でのダイエットにゲイム要素を入れてみたっていう作品だから。これもしっかりとヒットした。実はですね,私もWii FITで10kgのダイエットに成功してるのよ。まあ,公平に言えばWii FITだけの功績でなく食事制限やプロレス以外の運動もヤってたけど。それにしても,バランスWiiボードに乗るだけで毎日の体重変遷の記録をつけてくれるのがありがたかった。実際に身体を動かすゲイムをして,同時に体重を測って記録して……今までありそうでなかったダイエット用品だったんだと思う。まあ,いつの時代もダイエット用品は売れるしね。そういう層をゲイムに取り込んだのも勝因だったんじゃないかしらね。
そういったゲイムにこだわらない視点,そして普段ゲイムをしない層にゲイムを普及させた点も,Wiiの功績だったんじゃないかと私は思っているわ。一家に一台。毎日ゲイムをするわけじゃないけど,友達が来たときに気楽に遊べる。家族の間で大人も子供もハンデなしでムキになって競える。Wiiはそういうゲイム機だった。
余談だけどWiiがヒットしていた時期は,結婚式の二次会に行ったら,必ずと言っていいほどWiiがビンゴ大会の景品にラインナップされていたのよね。この現象もWiiのイメージ戦略が成功してたから起こったことだと今思う。この手の会で景品を用意する時って,基本的にはあっても邪魔にならないものを選ぶのが基本だと思うの。その点で他のゲイム機は,普段ゲイムをプレイしない人からすれば,もらったところで得した気分にはならない可能性があるわよね。でも,Wiiだったら別にゲイムファンでなくとももらえるなら欲しい。必要ではないけど,家にあってもいい。そういう絶妙な家電のポジションを位置取っていたんじゃないかしら。
これまで任天堂はいろいろなゲイム機を開発,発売しゲイム業界を引っ張ってきたわ。シェアの部分でほかのメーカーに水をあけられた時代もあった。気を遣わず言うと,ゲイムファンから見てもしんどい時期だって見てきた。そんな任天堂のハードの歴史の中で,ゲイムにこだわらない視点を持ったWiiが初めて本当の意味で,家族みんなで楽しめる「ファミリーコンピュータ」になれた。任天堂はいつだって,子供から大人までを楽しませようとしている。きっと,これからもそうだろう。その点で,Wiiが成功した意義はとてつもなく大きいモノだと私は思う。これからの新しい時代にも,任天堂が持つ任天堂イズムに(私は勝手に)期待をしているわ。
12月2日 Wii/ゲームキューブ用ソフト「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」 発売
12月14日 Xbox 360用ソフト「地球防衛軍3」発売
12月21日 PlayStation 2用ソフト「聖剣伝説4」発売
12月21日 Xbox 360用ソフト「ロストプラネット エクストリームコンディション」 発売
極寒の惑星を舞台にとしたTPS「ロストプラネット エクストリームコンディション」。体力維持のため常時減少し,バイタルスーツ(搭乗兵器)の操縦などにより激しく消費するが,敵の撃破などにより回収できる“サーマルエナジー”の概念が特徴的な作品だった
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12月21日 PC用オンラインゲーム「ファンタジーアース ゼロ」 正式サービス開始
12月28日 ニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」 発売
平成19年(2007年)
1月15日 ニコニコ動画(β)サービスイン
■技術的発展がもたらした,プロとアマチュアの境界線消失 (ライター:徳岡正肇)
YouTubeやニコニコ動画,または「Second Life」のようなゲームが普及するに従い,CGM(Consumer Generated Media)やUGC(User Generated Content)といった言葉が目立つようになった。前者は「利用者がコンテンツを作るメディア」,後者は「利用者が作ったコンテンツ」だ。「個人が趣味で何かを作って,それをコンテンツとして発表する」行為や場所が,改めて注目されるようになったというわけだ。とりわけ日本では,ニコニコ動画のサービスが始まった平成19年(2007年)あたりが,Second Lifeのブームなどもあり,節目になっているといえるかもしれない。
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「個人が趣味で何かを作ってそれを発表する」ことは非常に古くから存在するが,その行動の実際における2つの要点は時代を経ても変化しない。それは「作る」ということと,「発表する」ということだ。この2点が実際の活動にどう影響するかは,慎重に判断する必要がある。
最初に考えるべき点は,「作る」ことだ。
あくまで個人の趣味でという範囲に留まる限り,「作る」ことには一定の特徴と制約が発生する。
・採算は度外視できるが,あまりに大きな出費は不可能:作品が売れなくては生きていけないというわけではないので,採算はある程度までなら無視できる。しかし企業や国家がやるように「このプロジェクトに10億円を投資します」ということを趣味でできる人は,極めて限られている。ただし「お金はかけられないが,時間ならかけられる」という方向性で非常識といっていいレベルのリソース投入をするケースは見受けられる
・高度すぎる技術は利用不可能:あくまで素人の趣味か,プロの遊びの範囲で「作る」ことになる。たとえ本人が技術を有していたとしても,その技術を活用するために超高額な機材が必要になるので実際には無理,といったこともままある
・対象が限定されがち:かつてコミケにおける調査では「漫画や小説を書いたことはあるが,他人に見せたことはない」人が,「漫画や小説を書いたことがある」人の5割に達したことがある。このように「自分のため」に作ったり,せいぜい「家族や友人のため」に作ったりすることが非常に多い。たとえ完成しなくても,「作っている過程が楽しかった」が成立する(製作者個人の体験そのものに個人的価値が発生していて,それで満足している)
続いて「発表する」点の特徴と制約を確認しよう。
・採算は度外視できるが,あまりに大きな出費は無理:製作作業同様に採算は無視できるとはいえ,テレビCMを買うとか,美術館を借り切るとかいった高額な費用が必要となる「発表」は困難
・高度すぎる技術は利用不可能:発表にあたって使うメディアを「正しく使用する」ための技術的障壁を越えられない(越えたいと思えない)場合,そういったメディアは利用されない
・誰も見ていない場は避けられる:作品のターゲットは絞られている(ないし広いターゲットがそもそも視野に入っていない)ものの,ほとんど誰も見に来ない場所で発表するのは「発表する労力をかけるだけ無駄」感が強すぎるため避けられがち
この視点に立つと,同人誌文化において「小部数のコピー誌をコミケで売る」という選択が成り立つ理由がはっきりする。小部数であれば安価に作れ,コピー誌は製作に必要な技術水準が低く,読み手の数はむしろ「少数であってほしい」と思っている。かつ,東京,もしくは近県に在住であればコミケに参加するための費用は安く,参加申込書は簡単に書けるし,ブース設営も難しくなく,来場者数は多い。
これらは媒体がデジタルになっても,原則として変わらない。
TwitterなどのSNSを利用した「個人による情報配信」は,例えば「東京なう」のような一言であれば,情報を生成するコストが低く,基本的にテキストが書けるだけで良く,実のところ不特定多数に主張することは意図されていない。
発表部分においても,Twitterは無料で,最低限のリテラシーがあれば利用でき,利用者数は非常に多い(実のところテキストによる作品の発信は,パソコン通信時代から行われていた。パソコン通信をするための費用と技術が「安い」人にとってみれば,NIFTY SERVEやPC-VANは「趣味の発表の場」の要件を満たしていた)。
同様に,ニコニコ動画やYouTubeで個人制作の動画が増えていったのも「安価に・手軽に・内輪受けの」コンテンツを作れて,それを「安価に・手軽に・潜在的にはたくさんの人に向けて」配信できる環境が整ったという側面が大きい。例えば「ゲーム実況配信」であれば,近年ではスマートフォンだけでもボタン一つで配信が可能となっており,「発表する」ハードルは完全に下がりきっている。
動画コンテンツとしてボーカロイド楽曲が流行っていく背景にも,「機械音声による歌」というかつては高度な技術が必要だったものが,技術の発展によってより手軽に可能になった(そしてイニシャルコストも安い)という点は無視できない。
同様のことはゲームにもいえ,RPGツクールを用いたストーリーゲーム文法の成立や各種ゲームエンジンの普及といった技術的発展は,より「個人」が発信しやすい時代を作っていった。
とはいえ,そうやって「発表する場」が盛り上がれば盛り上がるほど,今度はそこで「採算をにらみつつ・高度な技術を駆使して・採算に見合ったオーディエンス規模を前提とした」コンテンツが作られ,配信されていくのも必然的な動きだ(いわゆる「プロの犯行」を一歩進めた,完全な「商業利用」)。
その一方で発表される作品の母数が圧倒的に違うこともあって,「採算を度外視して・普及している技術で・基本的には身内向けに作った」コンテンツがブレイクし,商業的な成功を狙った作品を駆逐する勢いで拡散していくこともある。
かくしてアマチュアとプロの境目が急激に失われていくことになった現状が果たしてどこに向かうのか,未だ状況は未知数というほかない。
1月25日 Xbox 360用ソフト「アイドルマスター」発売
2月15日 ニンテンドーDS用ソフト「レイトン教授と不思議な町」発売
■「レイトン教授と不思議な町」:昭和の「頭の体操」ブームを平成に持ち込んだタイトル (ライター:大陸新秩序)
レベルファイブ初の自社パブリッシングIPにして,代表作でもある「レイトン」シリーズの記念すべき1作め「レイトン教授と不思議な町」。
リリースが平成19年(2007年)2月と,もう12年も前の話なので記憶が定かではないが,筆者が同作に興味を抱いたのは,おそらく多湖 輝氏(故人)監修とか,「頭の体操」といったワードがきっかけだったと思う。多湖氏の著書「頭の体操」といえば,「1966年の発売以来,シリーズ累計1200万部のベストセラー」で,筆者は小学校高学年だった1980年代半ば頃,当時発売されたばかりのファミコンと並行して夢中になっていた。
それから20年以上の月日を経て本作と出会い,作中の“ナゾ”が「頭の体操」のクイズやパズルをベースとしており,しかもデジタルで遊べることには本当に感動したのを覚えている。というのも「頭の体操」に収録されている問題は,実際に手を動かしてみないとピンと来ないものが多く,書籍だとわざわざ紙を使って図を書いたり,マッチ棒(の代替品)を用意したり,ああでもないこうでもないと試行錯誤しながら解答していたからだ。それが本作なら,ニンテンドーDSさえあれば,いつでもどこでも問題にチャレンジ可能なのだから。デジタル万歳! である。
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加えて,「頭の体操」ではおなじみの,問題文中のレトリックを読み解くようなナゾが本作に含まれていたのも嬉しかった。これは筆者が,一度読んだだけだと意味を把握しきれないような難解ないい回しを駆使してミスリードを誘い,解答者に「やられた!」「こんなの屁理屈だ!」と思わせる,心理的な駆け引きこそ「頭の体操」の面白さの1つだと捉えていたからだろう。ただ,同じように考える人が少なかったのか,あるいはよりデジタルにマッチする内容にしようと開発チームが方針を定めたのか,のちの「レイトン」シリーズでは心理的な引っかけを使うナゾは徐々に少なくなり,パズル中心となっていった。最新作の「レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀」では,「引っかけが増えた」という意見もあったようだが,多湖氏が監修していないからか,以前とは少しテイストが違ったている。
今や「レイトン」シリーズといえば伝説を追ったり,タイムスリップしたり,魔神の秘密に迫ったり,世界を旅したりと壮大な世界観がセールスポイントの1つだが,その1作めとなる本作の舞台は,グッと落ち着いた雰囲気の小さな町。これには,ミステリアスな箱庭の中でストーリーを進展させることにより,主人公・レイトン教授のクラシックな探偵風のキャラクターを際立たせようという意図があったのだろうし,当時は「こういうものだろう」と思っていた。
しかしシリーズ各タイトルの壮大な展開や,レイトン教授の娘・カトリーを主人公に据えた最新作の華やかなイメージを経たあとに,2018年にリリースされた「レイトン教授と不思議な町 EXHD for スマートフォン」の序盤をプレイしたときは,「あれ,こんなに地味だったっけ?」と驚いた。もっとも,ストーリーが進んでいくうちに「こう展開するか。よく練られた設定だな」と改めて感心したのだが。
そういった,一連の流れを持つストーリーの中に数々のナゾを散りばめるという構成の「レイトン」シリーズだが,レベルファイブの代表取締役社長CEO・日野晃博氏の
発言によれば,もともとの企画では,レイトン教授が登場するストーリーは,いくつかあるゲームモードの1つだったとか。「頭の体操」という名称を使うには時間がかかるということで,急遽ストーリーを前面に打ち出すことに決めたというが,レベルファイブが2009年に改めてリリースしたニンテンドーDS用ソフト「頭の体操」シリーズ全4集(当然,筆者も所有している)があまり話題にならなかったことを鑑みると,まさに大英断。運を味方につけるとはこのことなのかもしれない。
さて,本作に端を発する「レイトン」シリーズ,アニメ「レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜」も先日無事最終回を迎えたので,そろそろゲーム本編の新作が気になるところ。願わくば,レイトン教授が再び活躍するような内容だと嬉しいのだが,果たしてどうなることか。
2月22日 PSP用ソフト「モンスターハンター ポータブル 2nd」発売
2月27日 上海株式市場で前日比-8.84%の暴落(上海ショック)が発生
3月1日 無双シリーズ初の外部IPコラボとなるPS3用ソフト「ガンダム無双」発売
コーエー(現コーエーテクモゲームス)の「無双」シリーズにおける,初の外部IPコラボレーションタイトル。「ガンダム無双」自体もシリーズを重ねていくことになる(最新作は2013年12月の「真・ガンダム無双」)
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3月8日 ドリームキャスト版「カラス」発売。最後のドリームキャスト用正規ソフト
5月24日 Xbox 360用ソフト「Forza Motorsport 2」発売
5月29日 PC向けサービス「Games for Windows - Live PC」が開始
5月31日 ニンテンドーDS用ソフト「THE 自動車教習所DS 〜原動機付自転車・普通自動二輪・大型自動二輪・普通自動車・普通自動車二種・中型自動車・大型自動車・大型自動車二種・大型特殊自動車・けん引〜」が発売(平成終了時点において日本で2番目にタイトルの長いゲームソフト)
6月21日 アーケードゲーム「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」が稼働開始(スクウェア・エニックスのアーケード参入タイトル第1弾)
6月28日 日本オンラインゲーム協会(JOGA)の設立が発表される
6月29日 Appleが初代iPhone発売
7月26日 Xbox 360用ソフト「The Elder Scrolls IV: Oblivion」発売(PS3版は2007年9月27日)
7月26日 PS3用ソフト「みんなのGOLF 5」発売
7月27日 アーケードゲーム「シューティングラブ。2007」稼働開始
8月17日 PC向け同人ゲーム「東方風神録 〜 Mountain of Faith.」発売
8月31日 PC向け作曲ソフト「VOCALOID2 初音ミク」発売
8月下旬 汎用アーケード筐体「ビュウリックス」が出荷開始
9月20日 PSP-2000発売
9月27日 Xbox 360用ソフト「Halo 3」発売
10月1日 Xbox 360 Elite発売
10月1日 BungieがMicrosoftから独立
10月15日 アーケードゲーム「オトメディウス」稼働開始
10月19日 アーケードゲーム「デススマイルズ」稼働開始
11月1日 Xbox 360用ソフト「エースコンバット6 解放への戦火」発売
11月1日 Wii用ソフト「スーパーマリオギャラクシー」発売
11月5日 Open Handset AllianceがAndroidを発表
11月6日 Wii用ソフト「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」発売
任天堂のマリオとセガ(現セガゲームス)のソニック・ザ・ヘッジホッグが初めてコラボレーションしたタイトル。
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11月13日 PC/PS3/Xbox 360用ソフト「ASSASSIN'S CREED」発売(PC版は2008年4月10日)
歴史の裏側で繰り広げられるアサシン教団とテンプル騎士団の戦いを描いた,ステルスアクションゲーム「ASSASSIN'S CREED」が発売。ゲームシリーズは10作以上続き,小説や映画など多数のスピンオフ作品も作られる,Ubisoftを代表するタイトルとなった
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11月6日 PC/PS3/Xbox 360用ソフト「コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア」発売
第二次世界大戦をモチーフとしていた「コール オブ デューティ」シリーズが現代戦に転身。全世界合計で1400万超を売り上げるという大ヒット作になる。日本国内ではPC用の日本語マニュアル付き英語版が12月7日にアクティビジョンから発売された後,12月27日にPS3/Xbox 360日本語版が発売された
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11月16日 PC/PS3/Xbox 360用ソフト「CRYSIS」発売
12月1日 Wii用ソフト「Wii Fit」(バランスWiiボード同梱)発売
12月6日 PlayStation 3用ソフト「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」発売
12月6日 Wii用ソフト「NO MORE HEROES」発売
平成20年(2008年)
1月31日 PS3/Xbox 360用ソフト「デビルメイクライ4」発売
1月31日 Wii用ソフト「大乱闘スマッシュブラザーズX」発売
2月21日 ニンテンドーDS用ソフト「世界樹の迷宮II 諸王の聖杯」発売
3月6日 PlayStation 3用ソフト「龍が如く 見参!」発売
■「龍が如く 見参!」:桐生一馬が一皮むけた作品 (ライター:男色ディーノ)
時代劇って誰が考えたんでしょうね。大河ドラマや水戸黄門,暴れん坊将軍,大奥など,テレビ番組として普通に昔の日本が描かれているから考えたことなかったけど。そういった時代劇では実在した人物がテーマになっていることもあるから,昔本当にあった話を再現してるんだと思いがちだけど,時代劇って基本的にはフィクションも甚だしいわけよ。
なんでそのタイミングでご一行が通りがかるんだとか,奉行様がそんなしょっちゅう街のトラブルに遭遇できるほど暇なわけないだろとか,ご都合主義もいいところ。でも,それがいいんだと思うの。誰も体験したことのない世界観だからこそ,いい意味での嘘がつけてドラマとしても作りやすいんでしょう。
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アニメ以外だとテレビ番組で勧善懲悪が一番効果的に描かれるジャンルは,特撮ものと時代劇でしょ。なぜなら,リアルなようで実は全然リアルじゃないほうが善と悪をハッキリと分けることができるから。実際の世の中には,完全な悪と完全な善なんてなかなか存在しないからね。でも,怪物や悪代官になら,悪を背負わせることができる。よくできたシステムよ。誰も体験したことのない世界観だからこそ,フィクションにしやすい……!! これ,「龍が如く」にも当てはまるじゃない!
龍が如くシリーズは,新宿の街を再現したり,出演者に有名人を起用したりすることでリアリティを出しているけど,実はいい意味でご都合主義のフィクション作品。「龍が如く」こそ特撮と時代劇のいい部分を取り込んだゲイムなのでは!!……という考察を当時していた私だけど,実際に現代の新宿ではなく江戸時代の祇園を舞台として描かれたスピンオフ作品が「龍が如く 見参!」なのよ。そう思っていても記事としては書いてなかったから,後出しじゃんけん感すごいけど。
「いやー昔からあのアイドル売れると思ってたんだよねー」とか「あの芸人,大会に優勝する前から面白いと思ってたんだよ」とかに通じるイタさ。でも信じてください! 本当だからしょうがないんです! とまあ,私のイタさは置いておいて,実際に時代劇として「龍が如く」が発売されたのにはちょっと驚いた記憶があるわよね。「龍が如く」は何でもありか,という意味で。
でも,これってけっこうな挑戦だったとも思うのよ。自分たちで作り上げた桐生一馬というブランドを自分たちでぶっ壊して再構築しようとしたわけだから。あくまで桐生一馬を制作者が信頼していないととてもできない。言い方を変えると,制作者は桐生一馬というキャラクターをもはや一人のタレントとして扱っているわけ。要はこの時代劇の作品にタレントとして桐生一馬をキャスティングしたってことなのよね。
作品単位で考えた場合,このケツ断がアリだったかナシだったかは分からないわ。ただ,シリーズとして考えた場合,このスピンオフ作品があったおかげで桐生一馬の万能性が増して,以後のナンバリング作品の表現の幅も広がったと思っているの。一見イメージに合わないことを高いレベルで次々とこなすことで様々なオファーを呼び,仕事の幅が広がる現象のことを私はガチャピン化と勝手に呼んでいるんだけど,まさにそれ。この「龍が如く 見参!」は以後の桐生一馬のガチャピン化を決定づけたタイトルだと思うわ。
一方,ゲイム内容に目を向けてみても,フィクションであることをいいことに作り手も遊びにかかっているようなところが見受けられる作品でもあったわね。例えば,滝行。剣豪である宮本武蔵をテーマに扱った作品だから,様々な修行があるわけですよ。そこまではいい。ただ,煩悩を振り払うために滝行でインリン・オブ・ジョイトイが愛をささやいてくるという妄想を撥ね退けないといけないくだりは意味が分からないわね。読んでても意味分からないでしょ? 私もこうやって書いてても意味分からないし,なんならプレイしてる最中でさえ分からなかったわ。
細かいことを言えば,リズムゲイムの音楽も時代劇だっていうのに謎のユーロビートだし,画面右に配置されたふんどし一丁の桐生一馬――このゲイムでは桐生一馬之介の動きが煩悩の塊で変質だし。でも,なんかバカ負けする面白みがあったのも事実。思えば,宮本武蔵っていう人物は小説でも漫画でも,もはや表現されつくされたた枯れたコンテンツなのよ。そこに挑んでいってゲイムならではの切り口で表現するために,これくらいの多面性があってよかったのかもしれないわね。いまだかつて宮本武蔵をこんな形でいじった作品もないはずよ。
まとめると,龍が如くの歴史において桐生一馬の幅を広げる=遊びの幅を広げるとっかかりになったのは,まさにこの作品からじゃないかしらね。桐生一馬に殻を破らせ,以後,より多くの遊びを提供するきっかけになったことこそがこのスピンオフ作品「龍が如く 見参!」の意義だったのではないかと,今になって思うわ。
3月19日 PS3/Xbox 360用ソフト「アーマード・コア フォーアンサー」発売
4月10日 Wii用ソフト「マリオカートWii」発売
4月24日 PlayStation 3用ソフト「戦場のヴァルキュリア」発売
架空のヨーロッパを舞台としたターンベースの戦術シミュレーションゲーム「戦場のヴァルキュリア」。本庄雷太氏によるキャラクターデザインや描画エンジン「CANVAS」による水彩画風のグラフィックスが,ミリタリーものとしては珍しい牧歌的な雰囲気を演出している
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6月5日 Wii用ソフト「不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫」発売
6月12日 PlayStation 3用ソフト「メタルギアソリッド4」発売
6月12日に全世界で同時に発売された「メタルギアソリッド4」は,PS3では初となるメタルギアのシリーズ作品だ。小島秀夫監督が発売前に「メタルギアシリーズ本編の謎はすべて解決し,ソリッド・スネークの物語が完結する」と語り,話題となった
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6月17日 アーケードゲーム「LORD of VERMILION」稼働開始
7月10日 PlayStation 2用ソフト「ペルソナ4」発売
7月11日 iPhone 3Gが発売される
7月18日 アーケードゲーム「ストリートファイター4」稼働開始
7月18日にアーケードでの稼働が始まった「ストリートファイター4」は,シリーズのナンバリングタイトルとしては約9年ぶり。大規模な大会が国内だけでなく海外でも開催され,本作をきっかけにプロゲーマーとなったプレイヤーも多く登場した。
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7月31日 ニンテンドーDS用ソフト「リズム天国ゴールド」発売
8月7日 Xbox 360用ソフト「テイルズ オブ ヴェスペリア」発売
8月8日 北京オリンピック開幕。日本は25個のメダルを獲得し,国別順位は8位に
9月13日 ニンテンドーDS用ソフト「ポケットモンスター プラチナ」発売
9月15日 米国リーマン・ブラザーズが経営破綻。いわゆる「リーマン・ショック」の引き金に
9月24日 麻生太郎氏が第92代内閣総理大臣に就任
9月24日 Wii用ソフト「ロックマン9 野望の復活!!」発売
10月28日 PC版「Fallout 3」発売
■「Fallout 3」:「新鮮な肉」になるのはお前だ! 身も心もウェイストランド流に染まっていく楽しさ (ライター:津雲回転)
「新鮮な肉だぁー」というのは,「Fallout3」に山ほど登場するレイダーが襲いかかってくる時のセリフだ。これはまさに文字通りの叫び声で,控えめに言うと「ぶっ殺してやる」という意味だし,控えめに言わないと「“奇妙な肉”にしてやる」ということになる。実際,彼らの拠点には大概“素敵で新鮮なオブジェクト”がいっぱい並んでいる。
Falloutシリーズは,核戦争後の崩壊した世界を舞台にしたRPGだ。今でこそゲーマーに説明は不要だろうが,日本でメジャーになったのはベセスダソフトワークスがライセンスを取得し,オープンワールド作品として生まれ変わった「Fallout3」以降のことで,日本では発売されなかった1と2を,筆者はプレイしたことがない。そんなわけなのでFallout3も発売前から注目していたわけではなく,最初にタイトルを知ることになったのは,どこかのサイトにあったレビュー記事だったように記憶している。そのテーマと画面写真を見て「どえらく面白そうなゲームがあるぞ」と直感的に感じたが,実際にどんなゲームなのかはプレイするまで分からなかった。
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Fallout3の主人公は,核戦争後も比較的安定した運営がおこなわれた,地下核シェルターのVault 101で育つ。時間的にはごく短い間だが,スタート時には誕生〜子供時代がプレイ可能で,外の美しい自然などは見られないが,それでも現代と比べてさほど遜色ない生活と,教育課程修了後の労働の存在が示唆される。Vault内部はきちんと文明と秩序が存在して,同じく文明社会に暮らすプレイヤーと“Vault 101のアイツ”のキャラクターに大きな開きはなく,英雄やスパイや歴史上の偉人でない「健康で文化的な最低限度の生活をする一般人」という共通点がある。
事情が大きく変わってくるのは,Vaultを脱出してからだ。核戦争が起こっても人類は滅びていなかったが,被害が酷かったワシントンDCの周辺,キャピタル・ウェイストランドと呼ばれる場所は,我々が住む世界とはまったく違った様相を呈している。治安は集落など一部を除き完全に失われ,凶悪なモンスターがうろつき,外にいるヤツときたら人間を見たら肉だと思うレイダーか,巨大化した虫か動物,あるいは正気を失ったフェラルグールというありさまだ。Vault 101の中でもいちおう戦闘はあるが,はっきり言ってチュートリアルとしても不十分な程度で,外と中の違いがあまりにも大きい。また,まともな水や食料がほとんど手に入らないという点で,その後のシリーズで描かれた他の地域と比べても,明らかに環境が悪いといえる。
筆者がまず困ったのは,寝床すらないことだ。ゲームを進めると自然と最初の集落であるメガトンにつくのだが,他人のベッドでは寝られず,宿屋の料金(キャップ)は高すぎて利用の目処すら立たない。RPGでは,大概最初に無償の宿やら家が提供されるのがお約束だったが,そんな甘い要素は一切なく「金がないと何もできない」という現実を突きつけられるのだ。まあ,実際は金じゃなくて,コーラのキャップなのだが。
また,武器やアイテムの仕様でも,初心者はトラップにはまる。外をうろつく序盤のモンスターは事実上“何も持っていない”に等しく,都合よくキャップを落とすこともないから,弾はもちろん武器や防具自体も消耗品である本作では,倒して稼ぐどころか戦うだけ損することになる。体力が減ったらスティムパックの出番だが,これも買うと高く序盤では貴重品で,どこかの勇者のように「薬草を買いだめしてスライムと戦う」的なことはできない。
人間のレイダーは武器と防具を持ち,少量のキャップを持つという点で若干実入りはいいのだが,大概は多勢に無勢で戦うことになり,腕や運が悪ければこちらが「奇妙な肉」にされるだけだ。少しでも宿代の足しにするため,メガトン近くの廃墟に価値のありそうなアイテムを漁りに行ったら,そこはレイダーのすみかで,奇声を発しながら襲ってくる奴らに心底ビビった記憶が蘇ってくる。何とか撃退できたものの,ろくなアイテムは見つからず,貴重な弾丸を失い怪我までしたことで,完全な「くたびれ儲け」になってしまった。レイダーの身ぐるみは剥いでみたが,どれも価値は非常に低く,使用したスティムパック代の足しにすらならない。
そもそも序盤は弾丸すらろくに入手できず,撃ちまくっていればあっという間に弾切れになるし,手に入る回復アイテムといえば,放射能汚染されたうえに回復量が雀の涙程度の食品と,汚染が酷い汚れた水ばかり。「使用されていないコンテナには物を入れても大丈夫」ということすら知らなかった筆者は,大量の無価値なゴミを抱えて重量オーバーで走れないまま,頭と足に重傷をおって,ゲームを進めるハメになったりもした。
とはいえそんな悲惨な生活も続けていくと,段々とウェイストランドの事情が分かってくる。自分用のコンテナがないなら,メガトンのトイレのロッカーにでも放り込んでおけばいい(ここは水も飲み放題だ。また,街に寝床がないならば,外の廃墟にあるマットレスにでも寝ればすむし,汚れた水しか手元にないなら,飲んで汚染が溜まったあとにRADアウェイを使えば解決する。本当にピンチなら,戦前のお菓子やトイレの水を口にしたっていい。そして敵と戦う時は十分に引きつけて,焦らずV.A.T.S.でじっくり頭や弱点を狙えば,弾も武器のコンディションも節約できて一石二鳥だ。
そうこうしているうちにレイダーは恐怖の対象ではなく,単なる弾丸や防具の補充モンスターに見えてきた。その拠点も絶好の探索ポイントとなり,そこに転がる新鮮なオブジェクトの真横で平然と寝られるまでになった結果,「新鮮な肉」になるのはほぼレイダーの役割になっていく。そう,あれほど「きれいな水と清潔なベッド」を求めていた主人公とそれを操作する筆者は,いつの間にか立派な「ウェイストランドの住人」となっていたのだ。
このFallout3で鍛えられたせいか,その後のスピンアウトや続編である「Fallout: New Vegas」や「Fallout4」では“ウェイストランド生活”に困ることはなかったように思う。まあ New Vegasのモハビ地方やFallout4の連邦では,水や食料にそこまで困窮することはないのだが,それでも「何でも口にできる」という“常識”が身についたのは大きかった。
とはいえ逆の言い方をすると,汚れた水は飲まないし,リスのサクサク角切りも注文しないし,レイダーを見て敵より先に「新鮮な肉だぜぇー」とは口に出ない。そんな「ごく一般的な文明人」には二度と戻れない身体になってしまった,だけなのかもしれない。
10月30日 PS3/Xbox 360用ソフト「グランド・セフト・オートIV」発売
11月4日 アメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏が当選
11月21日 PC用ソフト「Left 4 Dead」発売
12月12日 「PlayStation Home」サービスがPlayStation 3で開始
12月18日 PSP用ソフト「ディシディア ファイナルファンタジー」発売